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【第314回】

囲碁と五目並べの複合ゲーム「囲連星」

2つの古典ゲームが融合! 簡単操作で遊べるオリジナルの思考ゲーム

(07/09/14)
タイトル画面
   

 インターネット上で公開されているゲームは、大手メーカーが制作・販売している大作から、個人が趣味で制作して無料で公開しているものまで、ジャンルや価格を問わず、さまざまなものが存在している。しかし、公開されているゲームの数が多すぎて、どんな作品が存在し、どの作品が本当に面白いのかを判断できずに困っている方も多いだろう。そこで『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、選び抜いた良作を毎週紹介していく。今回は、囲碁と五目並べという古典ゲームのルールを合わせた、オリジナルの思考ゲーム「囲連星」を紹介しよう。

人間同士またはCPUとの対戦が可能。CPUの強さは3段階用意されている
人間同士またはCPUとの対戦が可能。CPUの強さは3段階用意されている
先手が好きな場所に石を置いて対戦開始。中央からはややずれた位置がいいだろう
先手が好きな場所に石を置いて対戦開始。中央からはややずれた位置がいいだろう
 「囲連星」は、囲碁盤と同じ縦横19本の線が交差した盤上に、黒と白の石を置いて遊ぶゲームだ。先手と後手の2人で対戦する形式で、盤上へ交点に石を置いていき、縦横斜めいずれか一直線に石を7つ並べる“7連”を先に作ることで勝敗が決する。また、囲碁と同様に相手の石の周囲を自分の石で囲むと相手の石を取ることができ、すでに囲まれている場所に石を置くのは“自殺手”という反則になる。同じ局面が繰り返される“千日手”も同様に反則だ。

 対戦は、人間同士または対CPU戦に対応しており、CPU同士の対戦を眺めることも可能。CPUの思考レベルは0~2まであり、数字が大きいほど強い。操作はマウスで盤上の交点をクリックして石を置いていくほか、画面右側にある[待った]ボタンをクリックすると、一手前の状態に戻すことができる。

 勝利条件は“7連”を作ることだが、プレイの基本的な流れとしては、まず相手の石を囲むことになる。石を囲めば相手はそこに石を置けなくなり、それによって相手の行動を邪魔すると同時に“7連”を完成させやすくなるからだ。当然逆も同じで、相手に石を囲まれるとそのぶん不利になる。まずは相手に囲ませず、こちらがいかに囲みを作っていくかを考えて石を置いていこう。この基本となる攻めと守りは囲碁とほぼ同じなので、囲碁を知っている人ならばすぐに馴染めるはずだ。

“相手の石を囲むと石を取れる。この状況だと黒は一番右にある白の石を取ることが可能   黒の石が四方を囲み、白の石を取った。白はもうこの場所に石を置けないので、黒が有利になる
相手の石を囲むと石を取れる。この状況だと黒は一番右にある白の石を取ることが可能   黒の石が四方を囲み、白の石を取った。白はもうこの場所に石を置けないので、黒が有利になる

 囲碁に不慣れな人は、あと一手で囲みが完成する場所を×印で表示する“あたり表示”を設定でONにして、とにかく最初は守り方を覚えるといい。そのほかプレイを補助する機能としては、あと一手で7連が完成する場所を黄色で表示する“リーチ表示”、直前に打たれた石を表示する“最終着手表示”があるので、慣れるまでは利用するといいだろう。

“石を7つ繋ぐと勝利。うまく相手の石を囲んでいくのが大切だ   マーカーを表示するとこうなる。青が最終手で、黄色の星印がリーチを示している
石を7つ繋ぐと勝利。うまく相手の石を囲んでいくのが大切だ   マーカーを表示するとこうなる。青が最終手で、黄色の星印がリーチを示している

この状態で黒の勝ちが確定。「囲連星」独特の勝ちパターンだ
この状態で黒の勝ちが確定。「囲連星」独特の勝ちパターンだ
 慣れてくると、「囲連星」独特の勝ちパターンが見えてくる。たとえば“● ●● ●”というふうに石を並べ、さらに石と石の隙間の上下いずれかへ石を置いておけば、この隙間をいつでも囲みにできるため、実質的に6連ができているのと同じことになる。こういった勝ちの確定しやすい形を理解し、作っていけるようになれば上達の証だ。CPUはレベル2だとかなり明確に勝ちの形を狙ってくるので、これを参考にするといい。

 本作は、囲碁と五目並べというメジャーな遊戯のルールを利用しているので、この2つを知っている人ならすぐにプレイできて上達も早い。ある程度定石を知らないとCPUに勝つのも苦労するが、勝因と敗因が明確にわかるので勝ち方を理解するのはそう難しくはないはずだ。操作が簡単なので年配の方を誘って教えてもらったり、対戦してみるのもいいだろう。囲碁よりはお手軽感があり、五目並べより思考性が高いというさじ加減が絶妙で、1戦のプレイ時間も比較的短め。しかしながら、試しにプレイしてみるとついついハマってしまうタイプの作品でもある。のめり込むのも、暇つぶしに軽く楽しむのもプレイヤー次第だ。


【著作権者】日本囲連星協会
【対応OS】Windows 98以降(編集部にてWindows XPで動作を確認)
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.03(07/07/30)
【ファイルサイズ】1.23MB

□囲連星 ★囲碁でも五目並べでもない無料ゲーム★
http://irensei.com/

(藤井 宏幸)




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