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【第345回】
お手軽戦略シミュレーションゲーム「Small Tactics」シンプルだからこそ熱くなるターン制シミュレーション
(08/07/11)
『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、選び抜いた良作を毎週紹介していく。今回は、シンプルなルールだからこそ駆け引きが楽しいターン制シミュレーションゲーム「Small Tactics」を紹介しよう。
ランダム要素が強いターン性シミュレーションゲーム
マップはゲーム開始時にランダムに生成され、山岳地帯が多い場合もあれば、ほとんどが海に覆われていることもある。何度でも再生成できるので、お気に入りの地形が出るまで粘ってから開始することも可能だ。ただし、マップのどこが自陣になるかもランダムで、これはゲームを開始するまでわからない。マップはそれほど広くなく、テンポよく進めば15分程度で決着することもある。さらにゲーム中はいつでもセーブできるので、いつでも手軽に遊べるのが魅力だ。 操作はすべてマウスで行う。ブルーの顔アイコンが自国の首都かつ自陣の司令部となり、ユニットの生産はこの周囲6ヘックスでのみ可能だ。ユニットは、都市の占領が行える“歩兵”、対地攻撃に優れる“戦車”と“爆撃機”、対空攻撃専門の“戦闘機”、海上では圧倒的な強さを誇るが価格の高い“戦艦”の5種類のみ。歩兵と戦車は海上へ移動すると“輸送船”に変化し、海を渡ることができる。なお、戦艦を生産するには司令部が海に面している必要があるので、生産できるかどうかも運次第だ。ユニットの生産には資金が必要で、これはターンごとに自動で増える。 戦闘は、敵国のユニットがいるヘックス上へ移動すると自動で行われる。勝敗はサイコロの目で決まり、必ず1回でどちらかのユニットが破壊されるルールだ。具体的にはユニットのもつ対地または対空戦力×サイコロの目を比べ、数字の大きい方の勝利となる。このとき、どのユニット同士でも戦闘になるわけではなく、たとえば戦闘機は対地攻撃能力をもたないため、歩兵や戦車のいるヘックスには移動できない。その逆も同じで、この条件により5種類しかないユニットでも絶妙な駆け引きが生み出されている。
ユニットの能力を把握して戦略を立てよう
戦闘を有利に進めるポイントは、ユニット同士の相性を知ることだ。戦車は歩兵に強いが爆撃機に弱く、爆撃機は地上・海上ユニットには強いが戦闘機に対しては弱い。また戦闘機は実質的に戦闘機でしか倒せず、移動可能な範囲が一番広いという強みをもつが、司令部や歩兵、戦車といった地上ユニットを攻撃できない。そのため敵の侵攻や都市の占領を阻んだり、敵国の司令部を囲んで生産の邪魔をするのには役立つが、勝利の決め手にはならないのだ。 なお、各ユニットとも最初は強さのランクが“A”となっているが、B、C、Dへと順々に対地・対空性能が強化されていく。強化に条件などは一切なく、タイミングは完全にランダム。ゲーム開始時にいきなり強化されることもあれば、終盤までまったく無反応なこともあり、その運任せな展開に一喜一憂するのも本作の面白いところだ。 ちなみに、地上の多いマップでは戦闘機を護衛にして敵の司令部を狙う、海が中心ならば戦艦と戦闘機のタッグで攻めていくのが手堅い戦略。敵の勢力から同盟を求められることもあるが、同盟を結んでもユニット同士は戦闘できてしまい、何の拘束力もないという形だけのもの。追い込まれた敵が一時しのぎに頼んでくるだけと割り切ってしまっても問題はない。 本作は戦闘もユニット強化もランダム要素が強く、マップの狭さも手伝って展開が早い。そのため、『ここは1ターン生産を控えて資金を貯めるべきか』といったターン制ならではの駆け引きを手軽に楽しめる。シミュレーションゲームの入門から、複雑なルールの本格シミュレーションゲームに疲れたときの息抜きまで、幅広い層にオススメできる1本だ。
□GAMEDESIGN - flash game and free game (芹澤 正芳)
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