『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、選び抜いた良作を毎週紹介していく。今回は、シンプルな操作と映像で楽しむリアルタイムストラテジーゲーム「Dyson」を紹介しよう。

シンプルな操作と独特の世界観が魅力

開始後の母星の様子。惑星のコアから木へエナジーが供給されている。周囲を飛んでいるのが種子だ

種子を10消費して母星に木を増やす。成長すれば種子をより早く供給できるようになる

ほかの惑星に攻め込むと、種子同士が交戦を開始。全滅させると木を破壊し、惑星を自分の支配下に置ける

　操作に必要なのはマウスのみ。マウスホイールの上下回転でカーソル位置を拡大・縮小して見られるほか、自分の支配する惑星を左クリックすると、惑星のステータスが表示される。ステータス表示ウィンドウに“PLANT”というボタンが表示されている場合は、種子を10消費して惑星に新たな木を植えることが可能だ。

　また、支配している惑星上で右クリックしてからほかの惑星を左クリックすると、種子を飛ばして攻撃できる。このとき、自分の惑星上で右クリックした回数分の種子が飛んでいく仕組み。また、自分の惑星からほかの惑星へマウスの左ボタンをドラッグするとすべての種子を飛ばして総攻撃できるほか、右ボタンのドラッグでは種子を1つだけ飛ばすこともできる。

　基本的なプレイの流れは、まず時間経過と共に種子が増えるので、“PLANT”で木を増やしていく。木は1つの惑星につき最大6本まで増やすことが可能で、木が多いほど早く種子が増えていくのでまずは母星の木を増やそう。ただし種子には、敵の攻撃から惑星を守る役目もあるので、数が少ないとあっという間に惑星を制圧されてしまう。最低限10ほどの種子は残しておくようにしよう。

　ある程度木と種子が増えたら、母星の近くにある惑星に種子を1つずつ飛ばしてみよう。するとほかの惑星のステータスを見ることが可能となり、どれだけの木と種子をその惑星が保有しているかがわかる。何もないに等しい惑星があれば、まずはそこに20ほど種子を飛ばして制圧しよう。制圧後は母星と同様に木と種子をバランスよく増やし、さらに周辺の惑星の制圧を狙っていく。

敵勢力を撃退し、惑星の支配を広げていこう

制圧した惑星が増えていくにつれ、より広範囲な視点でプレイすることになる。種子の移動も惑星単位で行うと便利だ

全惑星の過半数を制圧すれば勝利が見えてくる。敵対勢力を全滅させよう

　ちなみに、種子には体力、攻撃力、スピードという3種類のステータスがあり、戦闘などにおける強さが異なる。ステータスは種子の生まれた惑星ごとに異なり、体力が高いものは惑星防衛用、攻撃力が高いものは惑星攻撃用、スピードが高いものは増えるのが早いので木の増殖用に向いている。とはいえ、支配する惑星が増えていくとステータスの優劣よりも数で勝敗が決まる戦いになっていくので、あまり気にしすぎなくていい。

　本作は、独特のシンプルなグラフィックも魅力の1つ。単純な円や線で描かれた惑星と木と種子だけで構成された画面ながら、種子が大地に根付き、惑星の核に向かって根を伸ばし、木として成長していく様子は、人間不在の有機的惑星侵略とでも言うべき独特のSF感を醸し出している。惑星間を飛び交う種子はミサイルのようでもあり、また生存権をかけて戦う生命そのもののようでもある。植物同士の戦いを操作しながら眺めるプレイヤーは、それぞれ異なる世界観をイメージすることだろう。ストーリーもなく、細かな描写もないシンプルな映像だからこそ、想像はふくらむ。

　海外の作品なので英語が苦手な人は少し戸惑うかもしれないが、本記事でほぼすべての要素をフォローしてあるので、安心してプレイしてほしい。操作も簡単でクリアまでのプレイ時間もそう長くないので、気楽に楽しめる。また、プレイするたびに惑星の配置やステータスなどの状況が異なり、配置次第では一筋縄ではクリアできないなど、攻略が多少運に左右される点もゲームとしては面白いところだ。勝敗やストーリーなどを気にせず、淡々と変化していく状況を観察する、という楽しみ方もできるのではないだろうか。

【著作権者】Rudolf Kremers　氏、Alex May　氏
【対応OS】（編集部にてWindows XPで動作確認）
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.05（08/06/29）
【ファイルサイズ】7.59MB

□Dyson
http://www.dyson-game.com/

（藤井 宏幸）