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REVIEW (09/01/07)

魔王を気持ちよく酔わせて魔界の接待技術を競うカードゲーム「とっくり物語」

さまざまなカードをうまく切って嘔吐寸前をキープしながら魔王を酔わせ続けよう

「とっくり物語」
「とっくり物語」
 「とっくり物語」は、魔界の酒宴に乗り込んで魔王を上手に接待するという一風変わったカードゲーム。Windows 2000以降に対応するフリーソフトで、編集部にてWindows Vistaで動作を確認した。作者のWebサイトからダウンロードできる。

 主人公は“かつて罪をおかして地獄におちた魂”という設定。贖罪と転生へのチャンスを与えられた主人公は、魔界に乗り込み、女神シェリーが授けてくれた“封印のとっくり”に魔王シュランを封印することを目指す。具体的には、魔界の酒宴でシュランに酒を勧めて気持ちよく酔わせ、魔王が油断したところを封印するのが目的となる。しかし、酒宴には魔王の接待に手馴れた手下たちが待ち受けており、彼らとの接待合戦に勝ち抜かねばならない。

 ゲームは自分とCPU3人、合わせて4人のプレイヤーで対戦するカードゲームの体裁になっており、最初に各プレイヤーへ手札が5枚配られる。手札にはそれぞれポイントが設定されており、手札を切ると魔王の“酔い値”をポイント分だけ増減させることができる。ゲームの進行は、魔王の酔い値が1から99までの間になるように、各プレイヤーが順番に手札を切ってゆく仕組みで、手札は1枚切ると1枚補充され、常に5枚が手元に残される。

 カードの種類には、魔王を酔わせる“お酒”だけでなく、酔い値を下げる“酔い覚まし”、何も起こらない“水”などがある。1回の酒宴で、できるだけ多くの“お酒”を飲ませて、ほかのプレイヤーより多くの点数を獲得するのが基本。また、酔い値を限界の99にすると、魔王は上機嫌になりより高い得点を得ることができるなどのボーナスもある。

 しかし、魔王の酔い値が100を超えると、激しく嘔吐して機嫌を損ねるばかりか、敵である手下のボーナス点になってしまう。魔王の酔い値が限界に達している場合に備えて、酔い値の上がらない“酔い覚まし”や“水”は常に手元へ置いておきたい。

 そのほか、魔王には“酔い値”のほか、青いゲージで表され、手番の制限時間にあたる“盃に残った酒量”と、カードのポイントが加算される際の倍率である“酔いやすさ”が設定されており、特殊カードを利用することでこれらを変化させることが可能。うまく利用すれば、ライバルの手下たちを失敗や手詰まりに追い込むことができるだろう。手下たちの失敗は、自分のボーナスになるので積極的に狙っていきたい。

 1回の酒宴は3分ほどで、1ゲームは難易度によって4回または6回の酒宴から構成されている。酒宴での点数が一度でも最下位になると、そこでゲームオーバーになってしまうので、最悪でも最下位だけは逃れられるように立ち回るのが重要だ。

 本作の一番の醍醐味は熱いカードバトルにあるが、一風変わった設定や、いかにも魔界らしいおどろおどろしいグラフィックも魅力的。ぜひメインメニューから読むことができる“登場人物紹介”や“九鬼斬秘話”にも目を通して、気分を盛り上げてから挑戦してほしい。


【著作権者】九鬼斬 氏
【対応OS】Windows 2000以降(編集部にてWindows Vistaで動作確認)
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】-

□九鬼斬トップページ
http://www.geocities.jp/estogablood/

(柳 英俊)




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