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【第373回】

硬派なメカ系2Dシューティングゲーム「the one case」

難易度によりゲーム性が一変、初心者から上級者まで満足させる力作

(09/04/24)
タイトル画面
   

 『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、選び抜いた良作を毎週紹介していく。今回は、ヘリや戦闘機が飛び交う硬派な2D縦スクロールシューティングゲーム「the one case」を紹介しよう。

ゲームが変わる!? 2種類の難易度に注目

オーソドックスな縦スクロール型シューティングゲーム
オーソドックスな縦スクロール型シューティングゲーム
“challenge”モードを選ぶと難易度が跳ね上がる
“challenge”モードを選ぶと難易度が跳ね上がる
弾幕系が好きなら“challenge”モードに挑戦しよう
弾幕系が好きなら“challenge”モードに挑戦しよう
 「the one case」は、戦闘機を操作し、ショットとボムを駆使して全6ステージのクリアを目指す2D縦スクロール型のシューティングゲーム。各ステージの最後にはボスが待ち構えており、6ステージ目のボスを倒すとゲームクリアとなる。最大の特徴は、2種類の難易度が用意されており、それぞれ別のゲームと言えるほどゲームの作りが変化すること。イージーモードである“standard”では、ボス戦以外は敵弾で画面が埋まるようなことはほとんどなく、シューティングゲームの初心者でもテンポよく進める難易度だ。しかし、ハードモードとなる“challenge”では、敵弾づくしの上、行く手をふさぐ空中機雷や画面外からの爆撃といったトラップも用意されており、クリアが格段に難しくなる。

 基本的な操作は、カーソルキーが移動、[Z]キーがショットで押し続けると自動連射、[X]キーがボムとオーソドックスなものだが、このほかに自機のスピード制御方法が2タイプあるのが難易度に次いで本ゲームの特徴となっている。スピードの制御方法はゲーム開始前に“SLOW TYPE”と“RAPID TYPE”から選択する仕組みだ。

 “SLOW TYPE”では、[Shift]キーを押している間のみ移動が低速となり、敵弾を避けやすくなる。もう一方の“RAPID TYPE”では[Z]キーを押し続けるとショットを連射しながら移動が低速になるため、攻撃の手を休めずに敵弾を避けやすくなるのがメリット。しかし、高速に移動しないと避けきれない敵弾もあるため、[C]キーを押すと低速にならずにショットを連射できるようになっている。便利な反面、場面によってショットキーの押し分けが必要なのが難しいところだ。

 このほか、自機の攻撃方法も2タイプ用意されており、ショットやボムが広範囲に飛ぶものの移動速度がやや遅い“広範囲型”と、ショットとボムは直進のみと攻撃範囲は狭いが威力が高く、移動速度も速い“一点集中型”が用意され、好みによって選べるようになっている。前者は攻撃範囲が広いので、シューティング慣れしていない人にオススメ。後者は難易度が多少高くなるかもしれないが、動き回って敵を倒す快感があるため、やり応えを求める人にピッタリだ。

 敵や敵弾に触れるとミスとなって残機が減り、残機がゼロのときにミスをするとゲームオーバー。ゲームオーバーになった場所から一定回数コンティニューができる。ここまでは普通だが、本作の場合はゲームを終了しても、次回起動時にクリアしたステージからの再スタートができるようになっている。

ボムの使いどころとアイテムの確保が重要

“P”アイテムを取ると自機がパワーアップする
“P”アイテムを取ると自機がパワーアップする
ボムは広範囲に攻撃でき、敵弾も消せるのが便利
ボムは広範囲に攻撃でき、敵弾も消せるのが便利
 ゲームを有利に進める上で知っておきたいのが、ボムの効果だ。ボムは広範囲に攻撃できるのが魅力だが、実際の威力はそれほど大きくない。その最大のポイントは、レーザーを含め敵弾をすべて打ち消せる上に、少しの間だけだが自機が無敵になること。ボス戦などで敵弾に囲まれピンチになっても、ボムを使えば切り抜けられる。ちなみに、ボムは一度ミスをすると初期状態の3個に戻るので、ピンチだと思ったら惜しまずにどんどん使っていこう。

 もう1つ重要なのがアイテムの存在だ。大型の敵を倒すと“P”マークのアイテムが出現することがあり、獲得すると広範囲型の場合は攻撃範囲が広がり、一点集中型では攻撃力がアップする。さらに、いずれのタイプでもパワーアップを重ねると、後方にもショットが出るようになるなど、かなり自機がパワーアップするのだ。さらに、ボムの数が増える“B”、残機が増える“1up”といったアイテムも出現する。


広範囲型はパワーアップすると最大で5方向に弾が飛ぶようになる   一転集中型はパワーアップしても前後に弾が直進するのみだ
広範囲型はパワーアップすると最大で5方向に弾が飛ぶようになる   一転集中型はパワーアップしても前後に弾が直進するのみだ

広範囲型は敵に密着してショットを撃つと大ダメージを与えられる
広範囲型は敵に密着してショットを撃つと大ダメージを与えられる
 そのほか、広範囲型は攻撃範囲が広い分、個々のショットの威力が低いのが難点だが、敵に密着して広範囲に広がるはずのショットを集中させれば、一点集中型と同レベルの威力になる。敵の攻撃パターンを見切れた場合には有効なテクニックだ。

 本作はゲームシステムこそオーソドックスだが、別ゲームと言えるほど内容が変化する2つの難易度に加えて、自機のタイプも操作方法・攻撃方法それぞれ2つで計4タイプ用意されているため、繰り返し遊べる面白さがある。また、大型戦闘機が上空を通過するとその巨大な影が画面に映り、これからあのデカイのと戦うのか……と期待や不安を抱かせるナイスな演出があったり、左右の壁が高速に閉じていく緊迫感あふれる場面があったりと、要所要所でゲームをうまく盛り上げてくれる。シューティング好きが丁寧に作り込んだと感じさせる完成度により、初心者から上級者までオススメできる1本だ。


【著作権者】闇乃悪魔 氏
【対応OS】(編集部にてWindows XPで動作確認)
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.00d
【ファイルサイズ】54MB

□猫の集会場
http://f13.aaa.livedoor.jp/~akuma/

(芹澤 正芳)




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