|
|
Mozilla、動作速度向上と最新Web技術への対応を果たした「Firefox 3.5」を公開「Firefox 3」公開から約1年、細部の利便性もさらに熟成を重ねる
本バージョンはv3.0に比べ、Webページの表示速度やスクリプトの実行速度がさらに向上した。また、HTML 5やCSS 3といった最新のWeb標準技術を積極的に実装するなど、次世代Webアプリケーションの実行環境にふさわしい能力を備えている。そのほかにも、“プライベートブラウジング”をはじめとするプライバシー保護機能、タブの切り離しやセッションの復元といった使い勝手に直結する機能の追加・強化が図られた。
動作速度が向上し最新のWeb標準技術を採用――次世代Webアプリの実行環境へv3.5では、レンダリングエンジンに現行のGecko 1.9を改良したGecko 1.9.1を搭載しており、CSS 2.1およびCSS 3、HTML 5など最新のWeb標準技術にもいち早く対応している。また、オープンソースで開発されたフォーマットである“Ogg Theora”形式の動画および“Ogg Vorbis”形式の音声をプラグインなしで再生できるほか、サーバーからフォントを取得して表示に利用できる“ダウンロードフォント”技術なども利用可能になっている。 また、JavaScriptエンジンとして“TraceMonkey”を新たに搭載。スクリプトのマルチスレッド化を実現する“Web ワーカースレッド”機能、スクリプトファイルの読み込みとHTML描画を並列的に行う“投機的解釈”機能などもあいまって、スクリプトの実行速度がv3.0に比べ6倍、v2.0から比べると45倍にまで向上しているという。
こうした最新技術への対応や動作速度の向上は、単に既存のWebサービスをより快適に利用可能にするだけではない。これまではサーバー側で行っていた処理の一部をWebブラウザー側へ任せたり、Webブラウザーの処理能力をユーザーインターフェイスの強化にあてることも可能になるので、Webアプリケーションのさらなる高度化にも貢献するはずだ。たとえば、下記リンクのデモサイトでは次世代Webアプリケーションの実力の片鱗を実際に体感できる。
□Dynamic Content Injection(IEでは閲覧できません)
このような最新のWeb標準技術を駆使した次世代のWebアプリケーションが登場しても、「Firefox」v3.5ならばそれらをいち早く利用できるだろう。
プライバシー保護機能の強化――個人情報をきめ細かくコントロールまた、「Firefox」v3.5ではプライバシー保護に関する機能が大幅に強化されている。
また、“履歴とブックマークの管理”画面の右クリックメニューに[このサイトの履歴を消去]項目が追加され、指定した履歴と同じドメインをURLにもつ履歴を同時に一括削除できるなど、きめ細かな履歴管理が可能となっている。プライバシー関連の設定画面も整理されており、v3.0と比べて見通しがよくなった。
利便性の向上――「Firefox 3」で追加された機能をさらに洗練また、使い勝手の向上にも抜かりはない。v3.5は、v3.0と比べて外見上の違いはほとんどないが、細部を観察すれば、v3.0で追加された新機能がさらに洗練されており、より利便性が向上しているのがわかる。 セッション管理
また、ファイルのダウンロードのレジュームや、フォームに入力中のテキストなどの復元にも対応。掲示板やブログへの書き込み中や、巨大ファイルのダウンロード中に、うっかり「Firefox」を再起動してしまったり、「Firefox」が強制終了してしまっても安心だ。また、「Firefox」が頻繁に強制終了する場合は、復元するウィンドウやタブを指定する画面が現れ、エラーの原因と思われるWebページを表示したウィンドウやタブを除外して起動できる機能も搭載している。 タブ
さらに、タブの操作に関しても機能が拡張されており、たとえばIE8のような新規タブを開くボタンが、最後のタブの右隣に追加された。また、従来からあるドラッグ&ドロップによるタブの並び替え機能に加え、ドラッグ操作で別ウィンドウへ切り離す機能を搭載。複数のウィンドウ間でタブを移し替えることも可能で、より柔軟なタブ操作が可能になっている。
ブックマーク
ブックマーク機能では、ブックマークの追加・編集画面でタグを追加する際に、既存のタグを入力候補として表示する機能が追加された。さらに、“履歴とブックマークの管理”画面では複数のブックマークを選択して、一括でタグを編集可能になったほか、ブックマークのプロパティ画面からもタグを設定できるようになっている。また、ロケーションバー右の星型アイコンからブックマークを削除する際は、複数のフォルダに重複保存されたブックマークを一度に削除可能になるなど、細かい機能改善も施されている。
ロケーションバー
ロケーションバー上での検索機能には、上級者向けにフィルタリング機能が追加された。特定の記号と組み合わせて検索対象の項目を指定する仕組みになっており、たとえば、“^”と組み合わせてWebページのタイトルのみを検索対象にしたり、“*”と組み合わせてブックマークに登録したWebページのみを検索対象にすることが可能。
「Firefox 3」から「Firefox 3.5」へはオンラインアップデート可能「Firefox」v3.5はWindows 2000/XP/Server 2003/Vistaに対応しており、現在Mozilla JapanのWebサイトや窓の杜ライブラリなどからダウンロードできる。また、「Firefox」v3.0のユーザーであれば、わざわざインストーラーをダウンロードしなくても、[ヘルプ]-[ソフトウェアの更新を確認]メニューからオンラインアップデートを利用して更新することも可能。
【著作権者】contributors to the Mozilla Project
□Mozilla Japan - 次世代ブラウザ Firefox とメールソフト Thunderbird の公式サイト ・「Firefox 3.5」ベータ版に関する記事 ・「Firefox 3」に関する記事 (柳 英俊)
|
|
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
トップページへ |