Mozilla、アンチトラッキング技術の集大成「包括的 Cookie 保護」をデスクトップ版「Firefox」で全面有効化

「強化型トラッキング防止」（ETP）の設定画面

　Mozillaは6月14日（米国時間）、デスクトップ版「Firefox」の「包括的 Cookie 保護」機能を既定で有効化すると発表した。同日より、世界中すべての「Firefox」（Windows、Mac、Linux）でロールアウトされる。

　包括的 Cookie 保護（Total Cookie Protection：TCP）は、互換性問題を引き起こすことなくWebサイトをまたいだ（クロスサイト）ユーザー追跡を難しくするプライバシー保護機能。訪問するWebサイトごとに個別の「クッキージャー」（cookie jar）を作成し、WebブラウザーにCookieを作成するときはその瓶（jar）に入れるようにする。こうするとこで、それぞれのWebサイトは従来通りWebブラウザーにCookieを預けることができるが、他のWebサイトのCookieを覗き見ることはできなくなるというわけだ。

「包括的 Cookie 保護」の動作イメージ

　「Firefox」には「強化型トラッキング防止」（ETP）というプライバシー保護機能がすでに搭載されており、ユーザー追跡に利用されるサードパーティー製Cookie（トラッカー）をブロックできる。しかし、これは悪質であるとしてリストアップされているものにしか適用されないため、ブロックをすり抜けてしまうことも考えられる。しかし、TCPならばそうしたトラッカーに対しても有効。ETPの弱点を補完するソリューションとしても期待されている。

　心配される互換性に関しても、とくに問題は発生していないようだ。TCPはこれまでETPの「厳格」モードやプライベートウィンドウなど、「Firefox」の一部ですでに運用されてきた実績がある。また、今年初めからはモバイルブラウザー「Firefox Focus」でもテストされていたという。

　デスクトップ版「Firefox」はWindows/Mac/Linuxなどに対応する寄付歓迎のフリーソフトで、現在MozillaのWebサイトからダウンロード可能。Windows版はWindows 7/8/10/11に対応しており、窓の杜ライブラリからもダウンロードできる。