杜のAndroid研究室

第273回

通信量を最大90%節約できるWebブラウザー「Opera Mini」

QRコードの読み取り・生成ができ、デスクトップ版「Opera」とブックマークを同期可能

 『杜のAndroid研究室』では、スマートフォン向けOS“Android”をテーマに、窓の杜スタッフが厳選したアプリなどを紹介していく。今回は、通信量を節約できるWebブラウザー「Opera Mini」に焦点を当て、その使い方と機能を紹介しよう。

通信量の節約やQRコードの読み取りができるAndroid版「Opera」

「Opera Mini」

 「Opera Mini」は、パソコンで人気のWebブラウザー「Opera」のAndroid版。画像やテキストを圧縮するサーバーを経由し、通信量を節約できるデータ圧縮機能を備えるほか、デスクトップ版Operaでもお馴染みの“スピードダイヤル”を利用可能。また、本アプリ単体でQRコードの読み取り・生成を行うこともできる。なお、Android版Operaとしては、以前、本連載でベータ版を取り上げた「Opera ブラウザ」も提供されているが、「Opera Mini」は通信量を節約する機能がより強化されている。

 アプリを起動すると表示される新規タブ画面には、お気に入りのWebサイトを並べられる“スピードダイヤル”が表示され、あらかじめ配置されているアイコンを選択して、Webサイトにすばやくアクセス可能。また、画面上部のアドレスバーは検索バーが統合されており、URLを直接入力してWebサイトにアクセスするほか、キーワードを入力してGoogle検索を行うことができる。

 また、画面下部に表示されているメニューバーの右側にある[タブ]ボタンをタップすれば、タブの選択画面を表示可能。タブの選択画面では、左右のフリックでタブのサムネイルを切り替えられるほか、画面下部中央の[+]ボタンをタップすることで新規タブを作成できる。さらに、不要なタブを閉じたいときは、サムネイルを上方向へスワイプして、すばやくタブを閉じることが可能だ。

新規タブ画面には、お気に入りのWebサイトを並べられる“スピードダイヤル”が表示される
タブの選択画面では、左右のフリックでタブを切り替えられるほか、上方向へスワイプしてタブを閉じることが可能

 このほか、タブの選択画面の右上で[プライベート]を選択すれば、閲覧履歴が残らない“プライベートタブ”を新規作成して、履歴を残したくないWebサイトなどにアクセスすることができる。

お気に入りのサイトを“スピードダイヤル”で管理し、複数端末で同期可能

アドレスバー左側の[+]ボタンからWebサイトを“スピードダイヤル”やブックマークに追加可能

 閲覧中のWebサイトを“スピードダイヤル”に追加したいときは、アドレスバーの左側にある[+]ボタンをタップし、表示されるメニューから[スピードダイヤル]項目を選択すればよい。また、メニューの[未整理のブックマーク]または[さらに表示…]項目を選択すると、Webサイトをブックマークに追加可能。さらに、メニューの[オフライン用に保存]項目を選択すれば、オフラインでも閲覧できるようにWebページ全体を端末内に保存することができる。

 “スピードダイヤル”は、新規タブの作成時に表示されるほか、Webサイトの閲覧時にメニューバーの中央にある[スピードダイヤル]ボタンをタップして、すばやく表示可能。なお、“スピードダイヤル”以外のブックマークは、画面左上にある[ブックマーク]ボタンから、オフライン用に保存したWebページは、画面右上の[保存したページ]ボタンから表示することができる。

 また、“スピードダイヤル”は、ドラッグ&ドロップの直感的な操作で編集を行える。各サイトのアイコンを長押しすると選択状態になり、位置を移動してアイコンの並べ替えができるほか、画面左上の[削除]にドロップすればアイコンを削除できる。また、選択したアイコンを他のアイコンに重ねることで、フォルダーを作成することも可能だ。

 なお、“スピードダイヤル”の表示中にメニューバーの中央にある[同期]ボタンをタップして表示される画面からは、“Opera アカウント”でサインインし、デスクトップ版など複数端末の「Opera」と“スピードダイヤル”やブックマーク、開いているタブを同期することができる。

“スピードダイヤル”では、複数のWebサイトを格納するフォルダーを作成できる
“Opera アカウント”でサインインすれば、“スピードダイヤル”やブックマークを複数端末で同期できる

2つのモードを切り替えてデータを圧縮し、通信量を節約できる

 「Opera mini」は、画像やテキストを圧縮するサーバーを介してWebページを表示するデータ圧縮機能を備えており、“超高(Extreme)”“高(High)”モードの2段階を切り替えて利用可能。“超高”モードでは約90%、“高”モードでは約50%のデータ圧縮が行える。これにより、通信量を節約できるほか、ネットワークが低速な場合でも快適にブラウジングを行うことが可能だ。

メニューバーの[O]ボタンをタップして表示されるメニューの[節約モード]項目からデータ圧縮モードを切り替え可能

 メニューバーの右端にある[O]ボタンをタップして表示されるメニューで[節約モード]項目を選択すると、[データ圧縮量]画面を表示可能。[データ圧縮量]画面では、データ圧縮モードの切り替えができるほか、各モードで節約できた通信量を確認したり、画質などの設定を行うことができる。なお、“超高”モードにすると、Webページの表示速度が著しく遅くなったり、レイアウトが崩れる場合があるので注意。“窓の杜”をはじめとする“Imposes Watch”の記事も“超高”モードでは正常に表示されないが、“高”モードでは問題なく閲覧可能だ。

 また、Webサイトからファイルをダウンロードする際に、LTE・3Gの通信量を節約する機能も備えている。設定画面から[ダウンロード設定]画面を表示し、[大容量のダウンロード]項目で“Wi-Fiに接続するまで保留する”を選択すると、Wi-Fiでのみ大容量ファイルのダウンロードが行われ、LTE・3G接続時にはダウンロードが保留されるようになる。

“超高”または“高”モードを切り替えたり、各モードの画質設定を行える
[大容量のダウンロード]項目で“Wi-Fiに接続するまで保留する”を選択すると、Wi-Fi時のみ大容量ファイルのダウンロードが行われる

QRコードの読み取り・生成ができ、“ナイトモード”への切り替えも可能

アドレスバー左側のQRコード型ボタンをタップすると、カメラを起動してURLのQRコードを読み取れる

 本アプリでは、Webブラウザー単体でQRコードの読み取り・生成ができるのが特徴のひとつとなっている。アドレスバーをタップしたときに左側に表示されるQRコード型ボタンをタップすると、カメラを起動してQRコードを読み取り、URLにアクセスすることが可能。一方、閲覧中のWebサイトのURLからQRコードを生成したいときは、メニューバーの[O]ボタンからメニューの[共有]項目を選択し、表示されるメニューで[QRコードを生成]項目を選択すればよい。

 また、暗闇でのブラウジングに適した“ナイトモード”への切り替えも行える。設定画面の[ナイトモード]項目を選択して表示されるポップアップで“有効”をチェックし、下側のスライダーを調整すると、画面の輝度を下げることが可能。さらに、“目の疲れを軽減するモード”をチェックし、ブルーライトを削減するモードに切り替えることもできる。

 このほか、“スピードダイヤル”を下へスクロールすると、“ディスカバー”機能のニュース一覧を表示できる。“ニュース”“スポーツ”“ビジネス”“ゲーム”など、好みのジャンルを選択して設定し、ニュース記事を閲覧することが可能だ。

暗闇でのブラウジングに適した“ナイトモード”に切り替えられるほか、ブルーライトを削減することも可能
“スピードダイヤル”の下側では、“ディスカバー”機能によるニュースを一覧可能
「Opera Mini」
【著作権者】
Opera Software ASA
【対応OS】
端末により異なる(編集部にてAndroid 5.0.1で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
端末により異なる(16/01/25)

(ライターズハイ:鈴木 友博)