Blender ウォッチング

無料3Dモデリングツール「Blender 4.3」が公開 ~ペイント系が目立つアップデート

ペイント・スカルプトのブラシアセット導入、グリースペンシル刷新など

「Blender」v4.3のスプラッシュ画像(図はリリース候補版)

 蘭Blender Foundationは11月19日(現地時間)、「Blender 4.3」を公開した。

 本バージョンはペイント・スカルプトモードの「ブラシアセット」導入や、2Dドローイングツールの「グリースペンシル」の刷新といった、ペイント系の強化が目立つリリースになっている。なお、本バージョンでは「Windows Arm版」の公式テストビルドも公開されている。

 ペイント・スカルプトモードのツールがブラシに統合・再編され、従来ツールバーから選択していた機能の多くが「ブラシアセット」として同梱されるようになった。インターフェイスも一新され、3Dビューポートの下側の「アセットシェルフ」からこれらのブラシを選択するようになっている。

大きく変わったスカルプトモードのツールとアセットシェルフ(下部)内のブラシアセット

 2Dアニメーションやストーリーボードに使用されるドローイングツール「グリースペンシル」も完全に書き直され、従来の機能に加えて「レイヤーグループ」やジオメトリノードの対応、グラデーションツールなどの新機能が追加された。

 もちろん、3DCGの表現にも新機能が登場している。Cyclesレンダーには新しい「メタリックBSDFシェーダー」が追加され、よりリアルな金属反射が可能になった。一方EEVEEレンダーは「ライト・シャドウリンキング」に対応し、Cyclesレンダー同様に特定のオブジェクトにライトを限定できるようになった。

メタリックBSDFシェーダーと銅・銀・金のマテリアル例。値はPHYSICALLY BASEDより

 他にもジオメトリノードは「For Each Elements」(要素繰り返し)ゾーンが追加、要素単位でのループが可能になり、UV展開には新たなメソッドが追加された。

 ユーザーインターフェイスも、ボーンのスポイトのような小さいながら便利な改善や、一部エリアのウィンドウ外へのフロート化と再ドッキング化といった大がかりな物まで様々な追加・変更が行われている。

プロパティエディターをウィンドウ外に出してみた例

 詳しくは公式リリースノート、またはリリースノート日本語版を参照していただきたい。

 注目の機能や重要な変更点に関しては『Blender ウォッチング』連載で取り上げる予定だ。

 「Blender」は、オープンソースで開発されている2D/3Dコンテンツ制作ツール。ライセンスは「GNU General Public License」(GPL)で、誰でも無償で利用できる。対応プラットフォームはWindows、Mac、Linuxなどで、現在「blender.org」からダウンロード可能。Windows版のインストーラーは窓の杜ライブラリからもダウンロードできる。

Blender 4.3 New Features Official Overview

ソフトウェア情報

「Blender」Windows版
【著作権者】
Stichting Blender Foundation
【対応OS】
64bit版のWindows 8.1/10/11
【ソフト種別】
フリーソフト(寄付歓迎)
【バージョン】
4.3(24/11/19)