窓の杜とぴっくす | |
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個人情報管理(PIM)ソフト「電子秘書32」が v5.11 にアップデートした。昨年12月の v5.03 リリースから約4ヶ月ぶりだ。v5.10がまずリリースされ,その直後にバグフィクスで v5.11 となった。
今回のアップデートでは「予定入力ウィザード」が追加されたのが大きいだろう。これは予定行事をまとめて入力するのに便利な機能だ。画面上部の左から3番目のボタンを押して月間予定表ウィンドウを表示させ,ファイルメニューから「予定入力ウィザード」を選択して起動する。選択できるタブは「日々の予定」「毎月決まった予定」「プログラム自動実行予定」「自動案内予定」がある。それぞれに期間指定や時間指定もプルダウンメニューで選択できて簡単だ(下画面)。用件・場所などの入力はヒストリが効くのも嬉しい。ここで入力した予定はもちろん自動的に全体のスケジュール管理機能に反映される。これまでのように主にカレンダー画面からいちいち入力することも可能だが,こうやってまとめて期間指定で入力できるようになったのは(いっちょまえの PIM ならこれくらい当たり前にできてほしいとも言えるが)なんにせよありがたい。
ただ,「毎月決まった予定」があるなら「毎年決まった予定」も GUI入力できて欲しかった。もちろん,大切な人の誕生日とか,結婚記念日といった,パーソナルで忘れがちな行事をまとめて入力するためだ。スケジュールソフトをはじめて使う人が最初に入力する予定というのは,だいたいそんなところではないだろうか。年間予定表はあることはあるのだが,月単位の予定しか書き込めない。ユーザー記念日の設定はできるが,GUIではなくヘルプを読んでフォーマットを知る必要があるし,予定の欄には表示されない。これはイマイチだろう。まぁメインのカレンダー画面から翌年・翌々年の同月同日をボタン一発で表示して予定を書き込めるので,別に不要といえば不要なのだが…
そのほか今回のアップデートではメモのデスクトップ付箋紙表示(複数可),システム手帳サイズの印刷や予定のテキスト出力対応,タスクトレイアイコンの状態からも右クリックメニューで秘書機能が使えるようになった(右クリックメニューに「終了」がないのはいただけないが…)など,機能追加・改善が施されている。
16bit版の頃から数えると PIM ソフトとしては歴史も古いこの「電子秘書32」は,それだけに特にヘルプを見なくても基本的な部分は感覚的に使えるよう,わかりやすく工夫されていて,動作も軽く安定している。常駐ソフトではこの「動作が軽く安定している」というのは結構大事なことなのだ。起動時に当日の予定を,終了時に明日の予定をいちいち表示したり,完了期限の迫ってきた ToDo リストを起動時に表示したりするところは,まさによく気の付く(小うるさい?)「秘書」という感じである。とりたてて奇抜な特徴は無いが,何事もソツなくこなしてくれるといったところだろう。個人的にはこのくらいが丁度良い気がする。とはいえ,別配布の音声ファイルを使うと可愛い声でしゃべってくれるのは楽しい「遊び心」だ(無駄口を叩かないのはちょっとさみしいが)。今後は常駐サイズを抑え軽さを保ったままでいかに厳選して機能を追加していくかがポイントだろう。ヘルプの「作者より」に書かれている今後の予定項目にはマルチユーザー対応,ネットワーク対応の電子掲示板機能の構想などがあり,作者の意欲も伺える。さらなる熟成と発展を期待しよう。シェアウェア \1,200 で,試用30日限定(30日を過ぎると使えなくなる)。NIFTY 送金代行のほか,郵便振替・銀行振込可。