「 FPD95 」(最新版は「 FPD97 」 )と並び、ソフトウェア MIDI 音源(以下ソフト MIDI )の老舗である「 Win Groove 」が、度重なるバージョンアップの末、ついに最新のソフト MIDI に匹敵する性能を手に入れた。
◆
これまでも、その高品質な音源や優秀なドライバには定評があった。Ver0.9Fβ-1 へのバージョンアップでは最大発音数を 128 音に拡張し、新しいコーラス/リバーブの追加によりさらなる高音質を実現。そして β-3 においては MMX 搭載 CPU はもとより、非 MMX CPU でも違いがわかるほどまでに高速化が図られた。マシンが低速なために、まともな演奏を期待できず導入に踏み切れなかった人でも、もう一度試してみる価値はあるだろう。
一週間前にリリースされた β-4 では、ソフト MIDI にありがちな発音の遅れを 10 から 500 ミリ秒の間で調整できる機能も追加された。当然少ない値であればあるほど音の遅れは気にならなくなるが、 10 ミリ秒に設定するのは、現在手に入れることのできる最も速い CPU を使ったとしても無謀な行為と言える。 MMX 搭載 CPU であれば、100 から 200 ミリ秒の間程度にしておくのが無難だ。それでも画期的に違和感のないレスポンスとなる。これで MIDI キーボードによるリアルタイム入力も無理ではなくなったハズ。
ただし、現在の MMX 対応は、これから実現するであろう MMX ネイティブの演奏エンジン、完全 32bit 対応への序曲と言えるものである。 MMX ネイティブの演奏エンジンは作者自身ほのめかしていることであり、また、完全 32bit 対応は現在その開発が進行中のようだ。最近のバージョンアップ頻度から考えると、そう遠い未来の話ではなさそうに思える。
ちなみに本日β-5がリリースされたが、こちらは表示関係のバグフィックスのみ。機能的なアップデートはまったくないようだ。
なお「Win Groove」については、いずれその他のソフト MIDI 数種類を交え比較「ふるれびう」を行なう予定だ。各ソフトがどれほどの実力を秘めているのか、今から楽しみである。
|