Adobe、「Adobe Flash Player 14」および「Adobe AIR 14」を正式公開

「Adobe Flash Player」v14.0.0.125

　米Adobe Systems Incorporatedは10日（現地時間）、「Adobe Flash Player 14」および「Adobe AIR 14」の正式版を公開した（コードネーム：Lombard）。本バージョンでは“Stage3D”やゲームパッド関連の新機能が追加されたほか、脆弱性の修正が施されている。

　「Adobe Flash Player 14」では“Stage3D”に新しいプロファイルが追加さらた。また、テクスチャのアンチエイリアスや、“異方性フィルタリング（Anisotropic Filtering）”が新たにサポートされている。“異方性フィルタリング”とは、3Dポリゴンへテクスチャーを貼る際に、リアリティを高めるために行われる加工処理の一種。視点を考慮して方形ではなく台形としてサンプリングすることにより、奥行きのある3D画像を斜めから見た場合によりリアルなレンダリングを行えるようになる。

　一方、「Adobe AIR 14」は「Adobe Flash Player 14」の機能強化に加え、Intel製のx86 CPUを搭載したAndroid端末に対応。iOSのパッケージングエンジンが改良されたほか、モバイルAndroid端末をFlashベースのブラウザーゲームのためのゲームパッドとして利用するためのAPI“AIR Gamepad”がサポートされた。“AIR Gamepad”ではジェスチャーや加速度センサー、バイブレーションなどが利用可能で、独自のスキンを適用することによりゲームパッド画面をカスタマイズする機能も提供される。

　そのほかにも、「Adobe Flash Player 14」「Adobe AIR 14」ではCVE番号ベースで6件の脆弱性が修正されているので注意。同社が公開したセキュリティ情報（APSB14-16）によると、旧バージョンの「Adobe Flash Player」には攻撃者が対象システムを制御できるようになる恐れのある脆弱性が複数含まれているという。

　脆弱性の深刻度は同社基準で4段階中最高の“Critical”。同社は更新プログラムの適用優先度をWindows/Mac版「Adobe Flash Player」で“1（72時間程度以内を目安とした可能な限り迅速なアップデートが必要）”、そのほかの製品で“3”と定め、以下の最新版へのアップデートを推奨している。

• 「Adobe Flash Player 14」（WindowsおよびMac OS X）：v14.0.0.125
• 「Adobe Flash Player 11.2」（Linux）：v11.2.202.378
• 「Adobe AIR」（WindowsおよびMac OS X）：v14.0.0.110

　また、何らかの理由で「Adobe Flash Player 14」を導入することが困難な環境を対象とした延長サポート版として、「Adobe Flash Player」v13.0.0.223（Windows/Mac版）が「Adobe Flash Player」のヘルプページで公開されている。

　「Adobe Flash Player」は、現在同社のWebサイトから無償でダウンロード可能。すでにインストールされている場合は、自動更新機能を利用してアップデートすることもできる。「Internet Explorer 10（Windows 8）」「Internet Explorer 11（Windows 8.1）」用の最新版は“Windows Update”を通じて提供される。また、「Google Chrome」用の最新版は同日公開された「Google Chrome」v35.0.1916.153に同梱されている。