無断転載されたらどうする（海外編）

　オンラインソフト作者に限らず、あらゆるクリエイターが創作活動を続けるために、著作権をはじめとして知らないと損する法律や知識はたくさんある。本連載では、書籍『クリエイターが知っておくべき権利や法律を教わってきました。著作権のことをきちんと知りたい人のための本』の内容をほぼ丸ごと、三カ月間にわたって日替わりの連載形式で紹介。権利や法律にまつわる素朴な疑問に会話形式の堅苦しくない読み物でお答えする。

　前回掲載した“無断転載されたらどうする（国内編）”の続きとして、今回は“無断転載されたらどうする（海外編）”というテーマを解説する。

無断転載されたらどうする（海外編）

じゃあ、無断転載されてる場所が海外の事業者だった場合は、どうすればいいんですか？

日本企業の場合と同じように、サービス事業者へ通報するしかありません。
相手が理解できる言語でね。

ぎょえ……。

もっとも、AmazonやTwitterなどアメリカから世界展開している事業者は、日本語でのヘルプや申請窓口を用意している場合が多いです。

おお！　それは助かる。

アメリカの場合、デジタルミレニアム著作権法（DMCA）でプロバイダの責任が制限されています。
ノーティス・アンド・テイク・ダウン（Notice and Take Down）といって、侵害申請がきたら何はともあれ即座に削除すれば、事業者の責任は問われないのです。

へぇ、日本みたいに7日間も待たないわけですね。

削除された側は、異議申し立てができるシステムになっています。
不正な通知や悪意による侵害申請には、罰金などの処罰が課せられるので注意が必要です。

イタズラで侵害申請しちゃダメってことですね。

また、自分で直接DMCA 侵害申請をすると、相手にそのまま個人情報が開示されるので注意が必要です。

えええええ!?　それは怖いですねぇ……。

侵害された相手に個人情報を渡すのが怖い場合は、弁護士など代理人を立てた方がいいでしょうね。

あ、そうか！　先生にお願いすればいいんだ！

次回予告

　今回の続きとして次回は“Google検索から削除しよう”というテーマを解説する。

原著について

『クリエイターが知っておくべき権利や法律を教わってきました。著作権のことをきちんと知りたい人のための本』
（原著：鷹野 凌、原著監修：福井 健策、イラスト：澤木 美土理）

クリエイターが創作活動するうえで、知らないと損する著作権をはじめとする法律や知識、ノウハウが盛りだくさん！　“何が良くてダメなのか”“どうやって自分の身を守ればいいのか”“権利や法律って難しい”“著作権ってよくわからない”“そもそも著作権って何？”といった疑問に会話形式の堅苦しくない読み物でお答えします！