きょうからオンラインソフト画伯


【第4回】

「RASTER CORRECTION」で写真にらくがき

(99/10/29)

 パソコンを使って画像を編集するといえば、すぐにデジカメの写真をレタッチすることが思い浮かびますが、今回はちょっと変わった写真の加工に挑戦してみましょう。最近の女子高生がよく写真にパステルカラーのペンでらくがきしていますが、あれをパソコンでやってみましょう。彼女たちはほとんど感覚的にカラフルなペンを使っているのでしょうが、実際の写真にパステルカラーを使うと、色や質感のギャップが大きなインパクトとなって活きてきます。今回は、そういった写真にらくがきっぽい効果を簡単に加えることができるペイントソフト「RASTER CORRECTION」を紹介します。

 今回はモデルとしてわが家のクマちゃんにご登場いただきました。(1)まずスキャナーで取り込んだクマちゃんの写真から背景を切り抜いて、(2)グラデーションを使って“燃える”ような背景を作り、(3)必殺キックをかましている足をカッコ良くピカピカっとさせて、(4)多彩なペンツールを使って後光を輝かせ、(5)最後にヒーローっぽい必殺技の名前を描き入れれば、かっこいい正義の味方のできあがりです。メール版を読んでいる人は必ず窓の杜Webサーバー上に掲載している画像を確認して進んでくださいね。

  1. 写真から主役のクマちゃんを切り取る
  2. 背景をグラデーションで塗りつぶす
  3. 多様な塗りつぶしツール
  4. 多彩なペンツールで後光を入れる
  5. 手書き文字で命名「クマキック」!!

作成開始

1. 写真から主役のクマちゃんを切り取る

 今回のモデルは、ウチにあるぬいぐるみのクマちゃんです。何をしても嫌がらないので大胆なキックのポーズをとっていただきました。私はデジカメを持ってないので普通にフィルム使用のカメラで撮った写真をスキャナーで取り込みました。もとの写真は右側のものですが、背景には「RASTER CORRECTION」の特長でもあるグラデーションを使うつもりなので、主役のクマちゃんだけを切り取ります。切り取るといっても画像ですから背景を塗りつぶすことになります。少々手間はかかりますがパレットにある線ツールとペンツールを使ってこまごまと塗りつぶして消しました。まあ、ペンツールの操作感が比較的イイのでそんなに苦にはならなかったですけどね。

2. 背景をグラデーションで塗りつぶす

 次に塗りつぶした背景に赤からオレンジに変わるグラデーションをかけます。グラデーションをかけることで画像内に“温度差”を与えることができ、色の濃い赤を使った下側がより強調されることで、クマちゃんのキックが迫力を増して感じられます。それに実は、グラデーションを効かせると画面が華やかに見えるし、たいして労力がかからない割に知らない人から見るとすごく凝ったことをしているように見えるっていうのもありますが(笑)。ツールパレットで塗りつぶしツールを選択して、色設定パレットの一番下にあるグラデーションパレットから好きな色合いのグラデーションカラーが選べます。気に入った配色のものがなかったら、カラーパレットの横にある[EDIT]ボタンで設定画面を開いて、簡単に好みの配色のグラデーションを作りましょう。なお「RASTER CORRECTION」のグラデーション機能では、両端の色だけでなく途中の色を含めて全部で5色も設定できます。

3. 多様な塗りつぶしツール

 クマちゃんに大股開きをしてもらったのは、実はあとで加工して、正義のヒーローみたく「スーパーキック」をかましてもらいたかったからです。キックしている足の部分をヒーローっぽく、ぴかぴかっと光らせます。ツールパレットの塗りつぶしツールの中から多角形のツールを使って好きなように☆マークを描き入れます。まあ、やってみるとそれらしくなるものです。くまちゃんの足が見えなくなってしまうと説得力がなくなるので、透明ツールで☆マークを50%透過にしました。塗りつぶしの曲線ツールを使って、下方に炎を書いてみました。塗りつぶし内容を赤と黄色のグラデーションにしたので、結構炎らしくなりました。サンプル画像の雪だるまは、背景をグラデーションで塗りつぶし、円形の塗りつぶしツールで大きさの異なる白丸を描くことで雪だるまや雪を作成しました。

4. 多彩なペンツールで後光を入れる

 背景がちょっと寂しいので、クマちゃんのうしろに白い光のような線を入れて、後光が射したみたいな感じにしてみましょう。ペンモードで設定をぼやけた状態にして、マウスで放射状に線を描きこみました。もっと色々描きこもうと思っていたんですが、思いがけずネオンみたいなピカピカした感じになってすごくかわいかったので、このままで終わらせました。ちょっとインチキ臭い宗教画の後光みたいでイイ。クマちゃんの後光は割とシンプルなものを使いましたが、ペンツールを使えばドラッグするだけで多様な線を描くことができます。まずは気軽に試してみましょう。

5. 手書き文字で命名「クマキック」!!

 技の名前をつけてみました。その名も「クマキック」。このソフトには文字を書きこむ機能がないので、手書きで「クマキック」という文字を書き入れます。ただ、写真をいじる分にはそんなに文字を書き込むこともないだろうし、へたっぴいでも手書きのほうが味があるので、個人的には手書き文字のほうがお勧めです。カタカナ文字はカクカクさせると強そうな感じになるので、直線塗りつぶしツールを使いました。

「RASTER CORRECTION」を使ってみた感想

 機能の全てをツールパレットから使うようになっていますが、機能がチップヘルプで表示されたりしないため、まずは使ってみて効果を試してみることがソフトに慣れるための一番の近道です。グラデーション機能が特長で、色の組み合わせをパレットから手軽に選択したり、自分で細かく設定できるので便利です。ただし、アンドゥで1回しか戻れないのがいざというときに心配ですから、画像の作成中に新しいツールを使いたくなったら、[ファイル]-[新規作成]で新しいウィンドウを開いて、一度試してみるといいでしょう。BMP、JPEG、GIFなど一般的な画像形式にはほとんど対応しているので、インパクトのある画像を作ってホームページ作成に役立ててみてはいかがでしょう。

 次回はお友達にメールを書くついでに、絵はがきみたいならくがきを送ってみたいと思います。そこで、クレヨンや油絵のような画材の雰囲気が楽しめるペイントソフトを紹介します。ほんとに画用紙にクレヨンで絵を描いたみたいなが描けて面白いですよ。どうぞお楽しみに。

□画像処理関係のソフト/金太郎SOFT
http://village.infoweb.ne.jp/~fwhv1414/

【著作権者】金太郎SOFT
【ソフト種別】シェアウェア 5,000円
【バージョン】4.52

鈴木 ユミ

トップページへ
きょうからオンラインソフト画伯 INDEX


Copyright(C), 1996-1999 Impress Corporation.
編集部への連絡は mado-no-mori-info@impress.co.jp まで