窓の杜とぴっくす | |
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画像にマスク処理(いわゆるモザイク処理)を施すツール「FLMASK」(シェアウェア \1,500) の作者が,「インターネット上でわいせつな画像にかけられたモザイクを簡単に取り外すソフトを開発して販売していた」として「わいせつ図画公然陳列ほう助」の疑いで大阪府警保安一課により11日に逮捕された,というニュースが飛び込んできました(共同通信ニュースより)。ニュースソースは今のところ共同通信のほか 12日付の asahi.com, 産経新聞などがありますが,既に FLMASK のホームページだった場所へはアクセスできなくなっています。
FLMASK は複数の形式のマスク処理をマウスで簡単に行えるだけでなく,処理された画像のマスクを復元する機能も持ち合わせていました。それが「モザイクを簡単に取り外すソフト」と判断されてしまったことはソフトを紹介してきた者としていささか残念です。しかし,「本来はマスク処理を行うソフトだが,機能の1つとしてマスクを可逆的に復元することも可能なソフト」として開発されていれば,このようにソフト作者が逮捕されるという事態にまで至らなかったのかもしれません。今回の逮捕の背景には,作者がそのホームページで既にマスク処理されたアダルト画像系ホームページへのリンクを数多く紹介していたり,そのようなホームページからのリンクを依頼していた(asahi.comの記事より)など,意識的に「わいせつ画像のモザイクを外すために使われる」とわかっていて開発販売していたことが,問題となったようです。
telnet端末ソフトだって,悪質なクラッキングに使われることもあるわけです。今回の事件では,それを提供する作者(配布する者)の意図が鍵だったのでしょう。画像マスク処理ソフトすべてが問題なわけではありません。それをよからぬ思惑で配布販売し利用していた人間の行動が,罪に問われているのだと思います。
さて,これまで窓の杜では「FLMASK」を手軽に画像マスク処理をかけられる優秀なソフトとして紹介してきました。実際,窓の杜にあるウィンドウキャプチャ画像のいくつかは個人のプライバシーを保護したり企業の機密保持のため「FLMASK」でマスク処理を施したものもあり,ソフト紹介については問題はなかったと考えます。しかし,今回の件では
などから,暫定的に Webでの掲載紹介をとりやめ,窓の杜FTPサーバでの再配布も一時停止することにいたしました。窓の杜ではソフトウェア自体の評価にとどまらず,サポート体制や将来性など総合的にソフトウェアを評価し,優秀と判断されるものを紹介しておりますので,評価が下がった場合は掲載を取りやめることもあります。今回に限らず,実際過去にも掲載を取りやめたソフトはいくつかあります。 「FLMASK」もいずれソフトウェア再配布に問題が無いことが判明し,サポート体制が復旧すれば,掲載復活もあり得ますが,今回の掲載一時中止に至った背景をご理解いただければ幸いです。