窓の杜とぴっくす | |
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先日12日にご説明しました「FLMASK」の掲載一時中止について,さまざまなご意見をいただき,ありがとうございました。その中で,
といった疑問の声をいただきましたので,もう一度補足をかねてご説明しておきます。
別に保身だと言われて,違いますとは申しません。窓の杜はインプレス社だけのプロジェクトではなく,ミラーサイトも含めて10団体以上の協力を得て運営しております。FLMASKの再配布自体が「ほう助」とされる可能性もあった 12 日の状況で,それを知りながら紹介配布することは,プロジェクトに参加いただいている各社にも迷惑をかけることになりますし,慎重な判断をせざるを得ませんでした。ただし現在では再配布する行為そのものには問題ないようだということがわかっております(文末の弁護人の見解参照)。
また,サポートに対する評価を下げた件および掲載中止を急いだ理由ですが,私たちが今回特に問題にしているのは,例えば FLMASK の配布ファイルの中にあるヘルプには,送金方法として銀行振込の方法が書かれています。もし今後,再配布を続けたとして,今回の事件を知らない人が窓の杜からダウンロードしてヘルプを読んで,送金してしまって,パスワードが送られて来ない場合,誰が責任をとるべきでしょうか? 責任逃れというわけではありませんが,そのような金銭トラブルが起こる可能性を認識していながら,それを (十分可能な範囲で) 防止する努力をしないことは,再配布する者として大いに問題があるのではないかと私たちは考えます。
ソフトウェア作者を守ることももちろん大事ですが,何ら罪のない善良なユーザーを守ることは,もっと優先されるべき事です。
フリーソフトを使うか使わないかは,利用者の責任に基づきます。一般的なフリーソフトならサポートが作者の義務ではないということは添付説明書に書かれていますし,それは窓の杜で言う「サポートに対する評価」とは(まったく関係なくはありませんが)あまり関係ありません。
サポートしない,と予め明言しているなら,問題はないのです。使用許諾書を表示し,同意できない場合は使用しないよう求めているソフトウェアもあります。しかし,サポートする,送金したらパスワードを教える,と宣言しておきながらそれを守れない状態に陥った場合は,結果的に利用者に対して「ウソ」をつくことになりますから,評価を下げて当然でしょう。そのような事態になったことそのものは,作者も予想しなかった偶発的事故かもしれませんが,私たちは約束を守れなくなった作者を責めているわけではありません。評価というのは理由や過程の如何に関わらず,現状の事実をとらえたものであって,もっと単純なことです。
従って,12日の説明で既に書いておりますように,サポート(送金登録受付)が再開されればまた再掲する可能性はあります。私たちが最も問題にしているのは,現在およびここ当分の間の FLMASK のサポートに対する状況なのです。例えば作者が逮捕されたのでなく,行方不明になったとか,死亡してしまったとかいう理由であっても,同様に評価を下げ掲載をとりやめたと思います。
ただ,当時はもちろんそれだけの理由で掲載中止を判断したのではなく,道義的・倫理的に残された問題点も含めて総合的に熟考した上で,掲載一時中止に踏み切ったことをご理解下さい。
なお,既に書いておりますように,現在作者に連絡をとっているところであり(一ユーザーとして作者へメールを送り,一方で作者の弁護士である牧野氏と電話連絡),作者側の主張は聞くつもりでおります。報道された内容について事実に反することがあるならば,作者の主張を窓の杜で取り上げることも考えています。しかしながら,12日から現在に至るまで,直接作者からは全く反応がありません(弁護士氏とは連絡は取れています)。したがって上記のように,現状でユーザーが銀行送金してしまっても,パスワードが送られてくるとは思えない状態であることを付け加えておきます。
参考: