ニコニコ自作ゲームフェスMV 受賞作品ピックアップ
最終回【ブラウザ・スマホで遊べる無料RPG】二人の少女の冒険を描く、丁寧に作り込まれた2DアクションRPG「きみと ゆうきの ものがたり」
キャラクターや武器・魔法の使い分け、さまざまなフィールドギミックなど魅力満載
2017年8月17日 06:30
今年2月に受賞作品が発表されたゲーム投稿イベント“ニコニコ自作ゲームフェスMV”。応募作品はすべてブラウザゲーム投稿サイト“RPGアツマール”にて無料でプレイでき、作品によってはスマートフォンにも対応しているほか、PC向けのダウンロード版が用意されている作品もある。本連載ではその受賞作品の中から、窓の杜がピックアップしたADVやRPGを紹介。最終回では弊誌より“窓の杜賞”を授賞した作品をご紹介する。
「きみと ゆうきの ものがたり」は、剣と魔法の世界を舞台に、魔法使い見習いのアーシャと、その友人のセラという二人の少女が一緒になって冒険を繰り広げていくアクションRPG。執筆時現在は第1章までが公開されており、第2章以降は制作中となっている。
物語はアーシャの母で高名な魔法使いであるアンナのもとへ、魔法協会から手紙が来たことから始まる。ちょっとしたお使いの旅へ出ることになったアーシャとセラだが、それはやがてある陰謀にまつわる大きな事態へとつながっていく……。
物理攻撃タイプのセラと、魔法を操るアーシャを切り替えながらフィールドを進んでいくシステムが特徴。さらに各キャラクターの武器や魔法も切り替えることができ、セラは範囲の広い近接攻撃ができる剣や射程の長い銃、アーシャは多段ヒットする炎の魔法などで戦う。敵ごとにどの攻撃が弱点かの違いがあるほか、攻撃には時間経過で自然回復するMPを消費するため、キャラクターをローテーションしながら戦うのが基本となる。
アーシャの魔法には川などを飛び越えられる風の魔法もあるほか、特定の攻撃で障害物を取り除くといったフィールドギミックも存在。画面上の任意の場所を調べられる“注視モード”も用意されており、手が届かないような場所に謎解きのヒントが置かれていることがあるなど、探索も本作の楽しみのひとつだ。
敵の攻撃を受けた際のダメージ量はそこそこ多く、被ダメージ時の無敵時間などもないため追い込まれると一気に大ダメージを受けることも。プレイ中の緊張感はなかなかに高い。とはいえ回復アイテムが随所に落ちているなど、着実にフィールドを探索しながら進めていけば行き詰まるような場面はほぼなく、程よい手応えを感じられるゲームバランスという印象だ。第1章終盤のとあるボス戦では、魔法による移動も駆使しながら戦うような白熱のバトルも味わえる。
本作は、キャラクター切り替えを特徴としつつも全体的にはトップビューの2DアクションRPGとして王道の作りとなっており、ゲームバランスやマップデザインなど丁寧な作り込みが光る作品だ。第1章のラストでストーリーは大きな転機を迎えるほか、ゲームを進めることで武器や魔法が増えていくなどアクション面でも今後が楽しみな作品となっている。第2章以降の展開にも期待したい。
ソフトウェア情報
- 「きみと ゆうきの ものがたり」
- 【著作権者】
- STUDIO KOALA
- 【バージョン】
- 1.04(17/01/25)
- 【スマートフォン】
- 対応
- 【ダウンロード版】
- あり