8月に入って日本全国夏真っ盛り。すでに休みに突入し、自宅や帰省先でハネを伸ばしている方も多いのではないだろうか。いつもよりのんびりとした時間が流れるこの数日間は、日々の喧騒に疲れた心をいやす貴重なリストアタイム。寝てよし、食べてよし、遊んでよし…ということで、時計にしばられない自由な時間を過ごしたい。

 さて「夏休み! ゲーム祭!!」の2回目は「爽快感」をキーワードに、蒸し暑い真夏の夜でもスカッと爽やかに楽しめるシンプルなフライトシューティングでいってみよう。ここ窓の杜では、超美麗な3D画面で戦う「LastDimension」を。GAME Watchでは、第二次世界大戦当時の戦闘機や爆撃機に乗って大空を駆け巡るフライトシミュレーション、「B-17 フライングフォートレスII 完全日本語版」を選んでみた。撃って撃って撃ちまくる、壊れるような快感をあなたに。


【第2回】

超美麗! 後方視点型3Dシューティング
「LastDimension」

バリバリ撃って、スカッとサワヤカ暑気払い!!

(01/07/27)

敵陣を突破してボスキャラと一騎打ち

「LastDimension」タイトル画面
「LastDimension」タイトル画面
 「LastDimension」は、埜藤 豊氏による後方視点型の3Dシューティングだ。とにかくグラフィックの美しさが目を引く。あえて“わかりやすさ”を優先させて紹介させていただくなら、「LastDimension」は「3Dでプレイするグラディウス」といったところだろうか。「グラディウス」は横スクロール型のシューティングゲームだが、それを自機の後方視点に変えたとしたら、たぶんこんな感じになるんじゃないかと思う。画面前方、あるいは後方から次々と現れる敵を破壊しながら敵陣を突破し、ステージの最後で待ち受けるボスキャラと戦う。戦闘機のデザインや武装も、どことなくビッグバイパー号を思わせる設定だ。

 ただし「グラディウス」と違って、戦闘中に自機がパワーアップすることはない。地上攻撃用の武装もなく、戦闘は原則として敵飛行物体との間で行われる。もちろん、攻撃方法やターゲッティング、敵キャラのデザインには作者ならではのオリジナリティが存分に盛り込まれており、強い個性が感じられる。

ノーマルショットとロックオンショットを使い分けろ

 ダウンロードしたファイルを解凍して、“LastDimension105b.exe”を実行すると、即ゲームが始まる。メインメニューが表示されたら“START”を選び、スペースバー、もしくは[Enter]キーを押す。黄色と緑、2機種用意されている戦闘機の中からどちらか一方を選ぶとプレイスタートだ。操作方法は下記のとおり。

自機のコントロール:カーソルキー
ノーマルショット:[X]キー
ロックオンショット:[Z]キー
バリア:[C]キー
ロックオン範囲の拡大:[Shift]キー
一時停止/再開:[Tab]キー

 画面に現れる敵に対して[Z]キーと[X]キーで攻撃し、危なくなったら[C]キーでバリアを張るのが基本。正面にしか飛ばないが、連射やチャージ(タメによる破壊力増大)が可能なノーマルショットと、発射前にロックオンしなければならないが、一度狙った相手には必ず命中するロックオンショットの使い分けが、このゲームの要になるだろう。自機は1機+予備2機の計3機。すべてが破壊されてしまうと、その場でゲームオーバーだ。

 なお、このゲームでは[Esc]キーを押すといかなる状態でも強制終了され、Windowsのデスクトップに戻ってしまう点に注意!! 一時停止は[Tab]キーであることをお忘れなく。

戦闘機を選ぶ。武器とバリアの性質が異なるので、どちらを選ぶかで戦い方は大きく変わる 現在のバージョンでは、都市と宇宙の2ステージを舞台に戦える
現在のバージョンでは、都市と宇宙の2ステージを舞台に戦える 戦闘機を選ぶ。武器とバリアの性質が異なるので、どちらを選ぶかで戦い方は大きく変わる

高層ビルが立ち並ぶ第1ステージ ロックオンレーザーで最大32機を同時に撃破!!
高層ビルが立ち並ぶ第1ステージ ロックオンレーザーで最大32機を同時に撃破!!

敵の弾を吸収して、自機のバリアのエネルギーにする 第1ステージのボスキャラはクモのような巨大要塞。攻撃をかわしながら中心部分を叩け
敵の弾を吸収して、自機のバリアのエネルギーにする 第1ステージのボスキャラはクモのような巨大要塞。攻撃をかわしながら中心部分を叩け

第2ステージは宇宙。様々なシーンをワープしながら戦う ワームホールのようなチューブの中。その奥から次々に敵が沸いて出る
第2ステージは宇宙。様々なシーンをワープしながら戦う ワームホールのようなチューブの中。その奥から次々に敵が沸いて出る

戦闘機の特徴を知るべし!!

 戦闘機は2種類。どちらを選ぶかによって戦い方は大きく変わる。まず画面左側の黄色い戦闘機は、威力は弱いが押しっぱなしで連射できるノーマルショット、最大32個の目標を同時に攻撃可能なロックオンショット、敵の弾を吸収して回復するバリアを備えた速攻重視の機体。最大32個のロックと、撃たれれば撃たれるほど回復するバリアはかなり強力だ。無数のロックオンレーザーが軌跡を残しながら一気に放たれ、画面上の敵すべてを一瞬にして消滅させる様は、ロボットアニメ「イデオン」のミサイル攻撃に似たカタストロフィを感じさせてくれる。

 一方、画面右側の緑色の戦闘機は、キーを押している間エネルギーをチャージし、破壊力が増すノーマルショットと、最大8個の目標を攻撃し、誘爆で周囲の敵も巻き込むロックオンショット、敵の弾を跳ね返して自滅させるバリアを備える破壊力重視の機体。チャージ可能なノーマルショットは、いわゆる「宇宙戦艦ヤマト」の“波動砲”のイメージだ。連射はできないが、エネルギーを溜めて強力な一撃を叩き込む。最大8個のロックは、黄色い戦闘機に比べてだいぶ少なく感じるかもしれないが、撃った弾が誘爆を引き起こすために、実際はその何倍もの敵を破壊することが可能。ただしバリアの使い方が難しく、機体の消耗が激しいのが難点。

 どちらの戦闘機にも一長一短があり、優劣を決めるのは難しい。筆者の場合は緑色、つまり破壊力重視の戦闘機のほうが戦いやすく感じた。とりあえず両方の機体を試し、自分の感覚に合ったほうを選んでほしい。

連続攻撃で高得点を目指せ!!

キラキラ輝く発光体から無数のエネルギー弾が飛び出す。避けきれるのか!?
キラキラ輝く発光体から無数のエネルギー弾が飛び出す。避けきれるのか!?
 
第2ステージのボスキャラ、ドラゴンが現れた
第2ステージのボスキャラ、ドラゴンが現れた
 シューティングゲームは難易度の判断が難しいが、アクション系のゲームがあまり得意ではない筆者でも十分楽しめたところをみると、それほどイジワルな設定ではないと思う。戦闘機の操作をマスターすることができれば、たぶん、余裕でクリアできるはずだ。面クリよりも、むしろ得点の高さを競いたい。

 高得点を目指すコツは、すべての敵を見逃すことなく確実に破壊すること。敵の出現パターンを記憶し、先回りしてポジションを確保しよう。出現直後に破壊することができれば完璧だ。緑色の戦闘機を使っている場合は、ロックオンショットの誘爆を上手に使おう。編隊で飛ぶ先頭の1機を破壊すれば、後続の敵機すべてを誘爆に巻き込むことができる。

 黄色い戦闘機を使っている場合は、ロックオンショットの照準合わせがスコアを左右する。カーソルキーを細かく動かして、照準モレが出ないよう正確にロックオンすること。可能な限り多くの敵に照準を合わせたら[X]キーで一気に破壊し、スコア倍率のアップを目指す。このゲームでは、同時に敵を破壊すればするほどスコアの伸び率が高まるので、そのメリットを最大限に利用するわけだ。

今後の新ステージ追加に期待

 実際に触れていただければわかるはずだが、個人が作ったとは思えないほど完成度が高い。戦闘機の特徴づけや敵キャラの動き、そしてボスキャラのデザインなどが驚くほどよく練りこまれている。さすがに「このまま」というわけにはいかないだろうが、さらにビジュアルを洗練すれば、コンシューマーゲーム機向けとしても十分通用するレベルではないだろうか。作者は相当なアーケードゲーム通と見た。

 ただ惜しむらくは、まだ2ステージしかないという点だ。徐々に難度を上げながら全7~8ステージ、そして“お約束”のボスキャラステージがあれば、さらに燃えたのにと思う。ホームページに掲載されているコメントによると、「3面の製作に関しては現在検討中」とのこと。これからのバージョンアップ、そして魅力あるボスキャラの誕生を心から期待したい。

頭部を狙って攻撃を繰り返すが効いている気配がない。圧倒的な強さだ
頭部を狙って攻撃を繰り返すが効いている気配がない。圧倒的な強さだ

【著作権者】埜藤 豊 氏
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.05b(01/07/26)
【ファイルサイズ】4.43MB
【対応OS】Windows 95/98/Me/2000(DirectX 7.0以上)

□YUUのゲーム工房~トップ~
http://isweb2.infoseek.co.jp/~gamepage/
□窓の杜 - LastDimension
http://www.forest.impress.co.jp/library/lastdimension.html

(駒沢 丈治)

GAME Watch 窓の杜
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