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偽セキュリティアプリも多数 ~第三者機関AV-ComparativesがAndroid向け製品を評価
24製品はマルウェアサンプルを100%検出。一方で、検出率30%未満のものも23製品
2017年2月28日 15:13
セキュリティ製品の第三者評価を行っているオーストリアのAV-Comparatives GmbHは27日(現地時間)、モバイル向け製品の評価レポート“Android Security Test 2017”を公開した。レポートはPDF形式で提供されており、現在、AV-Comparativesの公式サイトから無償でダウンロード可能。
今回、評価の対象となったのは110社の製品。このうち9社の製品は不具合が多く、インストールやテストが行えなかった。また、5つには安全でない機能が含まれていたほか、センシティブなデータを収集したり、著名なアンチウイルスエンジンを利用していると称しているが実際には搭載していなかった。さらに10製品は評価中に“Google Play ストア”から削除されてしまったという。
テストした製品のうち、マルウェアサンプルを100%検出できたのは24製品。これには「Avast」「AVG」「AVIRA」「Bitdefender」「Emsisoft」「ESET」「G DATA」「Kaspersky Lab」「McAfee」「Symantec」「Trend Micro」などの製品が含まれる。また、100%には届かなかったものの、「F-Secure」(98.9%)「MalwareBytes」(96.0%)などの著名ベンダーは比較的高い検出率を示しており、信頼してよいものとみなせるだろう。
一方で、検出率が30%未満のものも23製品を数えた。なかでも「Bluesteeleffect Studios」「EnjoyPlus」「Brainiacs Apps」「Pro Tool Apps」の4製品は検出率が0%で、開発者の名前は異なるものの、中身は基本的に同じであることが確認された。
これらの粗悪なセキュリティ製品でさえも、“Google Play ストア”でのレビュースコアはすべて4以上であり、セキュリティ製品を選ぶ基準としてユーザーレビューはまったく役に立たないことが浮き彫りになった。
また、有名で評判のよいベンダーの製品を選ぶのは有効だが、そのアンチウイルスエンジンを利用していると称するサードパーティ製品のなかには、バージョンが古い・ライセンスの関係で機能が制限されているなどの理由でファーストパーティー製品と同等の効果が得られなかったり、エンジンそのものを利用していないものもみられるので注意が必要だ。