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無料の3D CG統合環境「Blender」v5.1が公開 ~機能やパフォーマンスの改善が中心

「Blender」v5.1のスプラッシュ画像。

 蘭Blender Foundationは3月17日(現地時間)、「Blender 5.1」を公開した。本バージョンでは前回のメジャーアップデート直後であるためか、新機能の追加より改善点が多い印象だ。

レイキャストノードによる表現力の向上

 また、両レンダーで利用可能な[レイキャスト]ノードが追加された。これは指定の方向に対し「レイ」を発射し、形状とのヒット情報を返す。セルアニメの描線など多くの表現に利用できるだろう。

レイキャストノードによる描線(クリックでノードも含めた画像)。実際のノードツリーは入れ子のグループのある複雑な物。画像は公式デモファイルから作成

レンダリングのパフォーマンス改善

 リアルタイムレンダーの「EEVEE」では、利用前に行われる「シェーダーコンパイル」の時間が大幅に短縮、バックエンドがOpenGL、Vulkan、Metalのいずれも「v5.0.1」に比べて改善している(下図)。

 さらにテクスチャメモリの消費量も軽減されており、メモリの少ない環境では朗報だろう。

 また、レイトレースレンダーの「Cycles」でも、GPUとCPUともに5%以上と少ないながらレンダリング速度が改善されている。加えて、AMDのGPUでは、HIP-RTによるアクセラレーションがデフォルトで有効になった。

EEVEEのシェーダーコンパイル時間の比較。「コールド」はキャッシュがない場合。公式リリースノートからの引用の和訳

VRのテレポート移動がグレードアップ

 「Blender」同梱のアドオン「VR Scene Inspection」のテレポート用の放物線が改善され、市販のゲームと比べても見劣りしないレベルになった。また、VulkanバックエンドでのVR表示のパフォーマンスも改善されている。

VR Scene Inspectionのテレポート放物線(中央右)。壁のように通り抜けられない場所では赤く表示される

他にも新機能や改善が多数

 上記以外にも、テキストの塗りつぶし処理の改善や、ミックスブレンドモードのアルファ対応、VSEのワークスペースのレイアウト変更、ジオメトリノードのボリュームグリッドや文字列処理用のノードの大幅強化、面の中心へのスナップなど、まだまだ多くの新機能や改善点がある。

 詳しくは公式リリースノート、またはリリースノート日本語版を参照していただきたい。

 注目の機能や重要な変更点に関しては『Blender ウォッチング』連載で取り上げる予定だ。

 「Blender」は、オープンソースで開発されている2D/3Dコンテンツ制作ツール。ライセンスは「GNU General Public License」(GPL)で、誰でも無償で利用できる。対応プラットフォームはWindows、Mac、Linuxなどで、現在「blender.org」からダウンロード可能。Windows版のインストーラーは窓の杜ライブラリからもダウンロードできる。

【★https://www.youtube.com/embed/TQElJP1AaS0】

ソフトウェア情報

「Blender」Windows版
【著作権者】
Stichting Blender Foundation
【対応OS】
64bit版のWindows 8.1/10/11
【ソフト種別】
フリーソフト(寄付歓迎)
【バージョン】
5.1(26/3/17)