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無料3Dモデリングツール「Blender 4.0」が公開 ~新機能多数の大型アップデート

プリンシプルBSDFノードのオーバーホールやライトリンキングの追加など盛りだくさん

「Blender」v4.0

 蘭Blender Foundationは11月14日(現地時間)、「Blender 4.0」を公開した。

 本バージョンでは、Cyclesレンダーのデフォルトシェーダーである「プリンシプルBSDFノード」が一新された。内部処理が変更されたほか、内部的な処理レイヤーの動作も変更され、従来では面倒だったスマホのスクリーン上に付いたホコリのような、放射面上の表面を単体で表現可能になった。他のアプリケーションのPBRマテリアルとの互換性も改善されている。

 他にも「ヘアープリンシプルBSDFノード」に、新しいシェーディングモデルや「ノイズテクスチャノード」へのパラメーターも追加された。

 Cycles自体にも、特定のオブジェクトとライトや影をむすびつける「ライトリンキング」が実装された。これはライトとリンクしたオブジェクトやコレクションのみに照明や影の投下を許可する機能で、キャラクターのリムライトの作成などに利用できる。

「ライトリンキング」により、左側の赤い「平行光源」が壁を無視し、中のキャラクターにだけに当たっている

 インターフェイスには多数の変更・改善が行われている。

 まず、ノードの一部の設定が折り畳み可能になった。筆者を含め、縦長のノードにウンザリしていた人には朗報だろう。

一新したプリンシプルBSDFノード。パラメーターが折り畳み可能になり、コンパクトに

 また、UIの英文字フォントが「Inter」へ変更されたほか、デフォルトの色空間のビュー変換モデルがより自然な物になった。ウィンドウヘッダーには現在のファイルの保存状態が表示されるようになるなど、派手な変更ではないが、使いやすく改善されている。

 なお、この大型アップデートでは、上記のような多数の新機能の追加や修正にともなう仕様変更も行われており、 既存のファイルでのレンダリング結果が変わるなどの互換性がなくなる機能がある ことにも注意されたい。

 詳しくは公式リリースノート、またはWikiリリースノート日本語版を参照していただきたい。

 注目の機能に関しては「Blender ウォッチング」連載で取り上げる予定だ。

 「Blender」は、オープンソースで開発されている2D/3Dコンテンツ制作ツール。ライセンスは「GNU General Public License」(GPL)で、誰でも無償で利用できる。対応プラットフォームはWindows、Mac、Linuxなどで、現在「blender.org」からダウンロード可能。Windows版のインストーラーは窓の杜ライブラリからもダウンロードできる。

Blender 4.0 - Reel

ソフトウェア情報

「Blender」Windows版
【著作権者】
Stichting Blender Foundation
【対応OS】
64bit版のWindows 8.1/10/11
【ソフト種別】
フリーソフト(寄付歓迎)
【バージョン】
4.0(23/11/14)