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無料の3DCG統合環境「Blender」v4.5が公開 ~多数のインターフェイスを改善
v5.0への準備的位置づけのリリース。ローポリ形状へのアーティファクト対応なども
2025年7月16日 16:29
蘭Blender Foundationは7月15日(現地時間)、「Blender 4.5LTS」を公開した。本バージョンはv4系列の最後のLTSであり、位置付けとしては多くの仕様が大幅に変わる予定の「v5.0」との橋渡し的なバージョンともいえよう。
まず本バージョンで大きく変わったのは、画像の合成や調整を行う[コンポジター]の多数のノードのパラメーターがソケット化されたことだ。v4.4ではグレアノードが同様の変更が行われたが、従来は各ノード上のUIで行うしかなかったパラメーターの変更が、他のノードと連携することで、より高度な設定が行えるようになった。
レンダリング関連では、EEVEEレンダーでローポリ形状で発生しやすいセルフシャドウのアーティファクトを防ぐオフセット設定が[オブジェクト]プロパティに追加された(影の終端オフセット)。Cyclesレンダーにも[バンプ]ノードに新しいフィルター設定が追加され、グリースペンシルには新しいアンチエイリアス方法が採用された。
ライトの設定には自然光の表現に「6500K」のような[温度]での設定が追加。強さも[露出]による調整が可能になっている。
インターフェイスでは多くのエディターで「スナップ」機能が全体的に改善された。例えばアニメーションエディターのタイムラインの「再生位置」や、アセットブラウザーでの「面へのスナップ」などの追加、エディター間でのスナップモードの独立化などがある。
ペンタブレットによる操作にも多数の調整が行われている。特にメニューやエディター境界、ギズモなどの判定領域の改善により、ペン使用時におけるインターフェイス操作のストレスが軽減された。ペンの機能自体にも、スカルプトモードのブラシに傾きで変化を付けられるようになった。
他にも上記のノードでは、値を入力するタイプのノードが小さくなっていたり、デフォルトのノードツリーに[プレビュー]ノードが追加され、新規追加時に毎回プレビューノードを追加する手間がなくなるなど、非常に多くの改善が行われている。
ハードウェア対応に関しては、ここ数リリースで行われてきたVulkan対応は、VR以外ではほぼ遜色がないレベルになった。一方、昔にPower Macで採用されていたビッグエンディアン(複数バイトに数値を格納する方法の一つ)で作成・保存したファイルをv4.5で開くと警告が出るようになり、Intel MacやAMD製GPUとうさいのMac対応も廃止予定となった。
詳しくは公式リリースノート、またはリリースノート日本語版を参照していただきたい。
注目の機能や重要な変更点に関しては『Blender ウォッチング』連載で取り上げる予定だ。
「Blender」は、オープンソースで開発されている2D/3Dコンテンツ制作ツール。ライセンスは「GNU General Public License」(GPL)で、誰でも無償で利用できる。対応プラットフォームはWindows、Mac、Linuxなどで、現在「blender.org」からダウンロード可能。Windows版のインストーラーは窓の杜ライブラリからもダウンロードできる。
ソフトウェア情報
- 「Blender」Windows版
- 【著作権者】
- Stichting Blender Foundation
- 【対応OS】
- 64bit版のWindows 8.1/10/11
- 【ソフト種別】
- フリーソフト(寄付歓迎)
- 【バージョン】
- 4.5(25/07/15)