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無料の3DCG統合環境「Blender」v4.4が公開 ~アニメーションデータ構造が一新
「グレア」ノードでグレア部分の抽出ができるように
2025年3月19日 12:44
蘭Blender Foundationは3月18日(現地時間)、「Blender 4.4」を公開した。本バージョンでは新しいスカルプトブラシや、ジオメトリノードなどの新機能はあるものの、多岐に渡る既存の機能改善が中心となっている印象だ。
まず、アニメーションデータ構造が一新された。アニメーションを行う「アクション」に「レイヤー」や「スロット」が付き、複数のアニメーションを1つのアクションに格納できるようになった。例えば、ライトオブジェクトの「トランスフォーム」アニメーションと、「ライト設定」アニメーションを同じアクションにまとめることができるようになった。
コンポジターでは、「グレア」ノードが大きく拡張され、グレア部分の抽出ができるようになった。また、トランスフォーム系ノードの挙動が変わり、縮小後の拡大でピクセル化してしまうことがなくなった。これは場合によってはノード設定を変更する必要が生じているので注意が必要だ。VSE(ビデオシーケンスエディター)では、画面上にテキストを表示する「テキストストリップ」のボックス型背景塗りつぶしで角丸が使えるようになった。

インターフェイスでは例えば、マテリアルアイコンの左右反転により、ワールドアイコンとの区別が付きやすくなっていたり、マウスカーソルを少し移動しただけでツールチップを再表示しなくなるなどの、様々な場所に多数の改善が行われた。
さらに、スケールツールで負のスケールになった時のステータスバーへの警告の表示や、さらにノードエディターへのカラーボタンのドラッグ&ドロップで「RGB」ノードが追加されるといった、痒いところに手が届くような小機能も追加されている。

ハードウェア対応としては、Cyclesが新たにGeForce RTX 5000シリーズに対応した。まだいくつかの機能は未対応なままではあるものの、グラフィックスバックエンドのVulkanへの対応もパフォーマンスが大きく向上した。
詳しくは公式リリースノート、またはリリースノート日本語版を参照していただきたい。
注目の機能や重要な変更点に関しては『Blender ウォッチング』連載で取り上げる予定だ。
「Blender」は、オープンソースで開発されている2D/3Dコンテンツ制作ツール。ライセンスは「GNU General Public License」(GPL)で、誰でも無償で利用できる。対応プラットフォームはWindows、Mac、Linuxなどで、現在「blender.org」からダウンロード可能。Windows版のインストーラーは窓の杜ライブラリからもダウンロードできる。
ソフトウェア情報
- 「Blender」Windows版
- 【著作権者】
- Stichting Blender Foundation
- 【対応OS】
- 64bit版のWindows 8.1/10/11
- 【ソフト種別】
- フリーソフト(寄付歓迎)
- 【バージョン】
- 4.4(25/03/18)