Blender ウォッチング
無料の3DCG統合環境「Blender 4.2」の新しい拡張機能は導入・管理が簡単!
「エクステンションプラットフォーム」の使い方を解説&便利なアドオンを紹介
2024年8月1日 06:55
本連載では、無料の高機能3Dモデリングツール「Blender」の使い方や関連情報を幅広くお伝えします。
7月16日(中央ヨーロッパ夏時間)、「Blender 4.2」が公式リリースされました。本リリースでは、「EEVEE-NEXT」や「エクステンションプラットフォーム」といった大型の新機能があります。
今回は正式版となった「エクステンションプラットフォーム」の利用方法と、アドオンをご紹介していきたいと思います。
エクステンション・プラットフォームとは
エクステンション・プラットフォームは、「Blender」を拡張する新しい環境を指します(単に公式エクステンションサイトを指すこともあります)。
従来は、「Blender」の「アドオン」や「テーマ」などの拡張機能はインストールとアンインストールしかできず、ダウンロードや更新の確認は他のWebブラウザーを使用しないといけませんでした。
そこで、「Blender」本体のみで閲覧からダウンロード・インストール・更新までが可能な機能の実装と、フリーでオープンソースの拡張機能を配布する公式Webサイトの構築の両方が行われました。
エクステンションの使用方法
前置きはさておき、とりあえず使用してみましょう。
エクステンションは、[プリファレンス]から閲覧・インストールできます(ローカルのディスクからも可能)。
まずは、一番上の[編集]メニューから[プリファレンス...]でプリファレンスウィンドウを開きます。
プリファレンスの[エクステンションを入手]タブをクリックすると、公式Webサイトで入手可能なエクステンション(と、あればインストール済みのエクステンション)のリストが表示されます。なお、インターネット接続環境が必要です。
「オンラインエクステンションのインストールや更新はインターネットアクセスが必要です」という警告が出た場合は、[オンラインアクセスを許可]をクリックし、「Blender」がインターネットにアクセスできるようにしてください。
リストから配布サイトへのアクセス
[≻]をクリックするとパネルが開き、そのエクステンションの情報が表示されます。簡単な説明が英語で書かれていますが、これではよくわかりませんね。
「Webサイト」の隣のボタン([extensions.blender.org]など)をクリックすと、OS既定のブラウザーに配布元のWebサイトが表示されます。
どんな物かはわかったので、インストールしてみましょう。
「Blender」に戻って[インストール]ボタンをクリックすればいいのですが、せっかくブラウザーで見ているので、ここからインストールしてみましょう。
え? 「Blender」だけで完結しないのかって? 少なくとも現時点ではリスト内の情報が少なすぎるため、ブラウザーとの併用が現実的だと思われます。
Webブラウザーからのインストール
公式エクステンションプラットフォームサイト内の配布ページの場合、右下に[Get Add-on]ボタンが表示されています。このボタンを クリックすると 、点線で囲まれた[Drag and Drop into Blender]と書かれた領域が表示され、マウスアイコンが変化します。
この文字を「Blender」にドラッグ&ドロップすると、少し更新チェックをした後に[エクステンションをインストール]ダイアログが表示され、[OK]をクリックすればインストールされます。
もちろん、公式Webサイトから検索して同様にインストールすることもできます。
現在インストール中のアドオンの確認
現在インストールされているアドオンは、[アドオン]タブから確認できます。
ここで有効・無効を切り替えたり、アドオン固有の設定を変更できます。上記の[インストール]ボタンからインストールした時は、ここで有効化する必要があります(ブラウザーからドラッグ&ドロップした場合は自動的に有効化)。
従来のアドオンは?
上記のように従来のインストール済みのアドオンも表示され、右上の[∨]をクリックし、[ファイルからインストール]で従来通りインストールできます。エクステンションも同様にローカルにダウンロードしたファイルからインストール可能です。
従来の「Blender」リリースにバンドルされていたアドオンは、一部(「Rigify」や「Node Wrangler」など)が「コアアドオン」として「Blender」とともに配布され、アドオンリストから直接有効化できます。
他の旧バンドルアドオンは公式エクステンションプラットフォームサイトからダウンロードする必要があります。
エクステンションプラットフォームサイトについて
公式エクステンションプラットフォームでは、前述のように完全にフリーかつオープンソースのアドオンが配布されています。アドオンは少なくとも現時点ではすべて審査済みであり、安心して利用できます。
- ⇨Extensions — Blender Extensions
- https://extensions.blender.org/
- 前述の「コアアドオン」以外は基本的に日本語化されていません。翻訳されていたらラッキーぐらいに思ってください。
- 互換性がないと警告が出てインストールできない物が一部あります(Matalogueなど)。そんな時はダウンロードだけしておき、前述のように「ファイルからインストール」してみてください。
アドオンの紹介
ここでは旧バンドルアドオン以外で、すぐ試せて実用性も高いアドオンを少しご紹介します。今回で登場しなかったアドオンについても、機会があればご紹介したいと思います。
Node Pie
[Ctrl]+クリックで、ジオメトリノード用のパイメニューが開き、素早く追加できるようになります。単なるカテゴリのみでなく、レンダー固有のノードで分けられているなど便利です。ノードは日本語で表示されます(サブメニューを除く)。
- ⇨Node Pie — Blender Extensions
- https://extensions.blender.org/add-ons/nodepie/
Wirefreme Color Tools
複数のオブジェクトのワイヤーフレームカラーを一度に設定可能なツール。
一応「Blender」にもワイヤーフレームに色付けする機能はあるのですが、これはそれを一つ一つ指定するのが面倒な時に役立ちます。
- ⇨Wireframe Color Tools — Blender Extensions
- https://extensions.blender.org/add-ons/wireframe-color-tools/
Noise Nodes
手っ取り早く凹凸や汚しを付加できるノイズテクスチャを、さらに11種類も追加します。プロシージャルテクスチャを多用する人は必携かもしれません。
- ⇨Noise Nodes — Blender Extensions
- https://extensions.blender.org/add-ons/noise-nodes/
終わりに
今回は「Blender 4.2」で導入されたエクステンションプラットフォームについてご紹介しました。次回はその他新機能や変更についてご紹介したいと思います。
ではまた。