ニュース
国産の電子回路・プリント基板設計アプリ「Quadcept」が約6年ぶりのメジャー更新
学生・趣味のための無償版「Quadcept Community」も提供中
2025年8月5日 08:10
Quadcept(株)は7月31日、電子回路・プリント基板の設計アプリ「Quadcept」の最新版v11.0.0をリリースした。2019年以来、約6年ぶりのメジャーアップデートとなる。
「Quadcept」は、ビジネス向けの国産電子CADソフト。高性能な回路図エディターやプリント基板(PCB)デザイナーはもちろん、オンライン部品商社5社との連携により、部品の選定や購入が簡単に行えるのが特徴だ。学生や趣味で開発を行うユーザー向けの無償版「Quadcept Community」もラインナップされており、気軽に試せるのもうれしい。ただし、「Quadcept Community」には商用不可、パッド数は1,000まで、配線は4層までという制限がある点には注意したい。
メジャーバージョンアップとなるv11.0.0では、環境設定周りをリニューアル。従来のシステム設定を再構成し、ユーザー、プロジェクト、図面(回路図・PCB)などのレベルへ分離することで、設定の管理が簡単になった。複数のメンバーがかかわる開発案件であっても、設定をスムーズに共有できるのもメリットだ。
一方で、互換性が失われている点には注意。v11.0.0で保存されたデータを旧バージョンで開くことはできない。
そのほかにも、図面の比較で並列表示と重ね合わせ表示を切り替えられるようになり、図面のレビュー効率が向上。印刷と仕向けも改善され、回路図・PCBの印刷時に非実装部品の印刷有無を選択できるようになるなど、利便性が上がった。プロジェクトごとの一括出力作業を効率化するバッチ機能の導入、指定した条件に基づいて部品属性を更新できる機能の追加、回路図エディターやPCBデザイナーの拡充、不具合への対処なども行われている。
「Quadcept Community」はWindows 8.1/10/11に対応しており、動作には「.NET Framework 4.8」が必要(Windows 10以降は標準搭載)。同社のアカウントを取得すれば、無償でダウンロードして利用できる。
ソフトウェア情報
- 「Quadcept Community」
- 【著作権者】
- Quadcept Inc.
- 【対応OS】
- Windows 8.1/10/11
- 【ソフト種別】
- フリーソフト(非商用のみ)
- 【バージョン】
- 11.0.0(25/07/31)