Blender ウォッチング

無料の3DCG統合環境「Blender 5.1」は痒い所に手が届くUI改善多数!

数値入力フィールドではIMEがOFFになり、[プリファレンス]画面の設定検索が可能に

 本連載では、無料の高機能3Dモデリングツール「Blender」の使い方や関連情報を幅広くお伝えします。

VR Scene Inspectionアドオンによるテレポート機能

 3月17日(中央ヨーロッパ時間)、「Blender 5.1」が公式リリースされました。

 本リリースはメジャーアップデートの後であるためか、新機能の追加や変更が減った代わりに、細かな修正や改善が多数あります。

 今回はユーザーインターフェイスやその他の機能の改善や変更をご紹介します。

ユーザーインターフェイスの新機能と変更

 v5.1にもユーザーインターフェイスの改善が多数行われており、筆者の気になった物を中心にご紹介していきます。

数値入力フィールドでのIMEがOFFに

 [位置]プロパティなどの数値入力フィールドでIMEが強制的にOFFになるように。テンキーで入力すれば半角にはなるのですが、ノートPCやテンキーレスのキーボードユーザーには嬉しい変更ではないでしょうか。

IMEがONの状態で数値入力フィールドにフルキー側で数値入力してみた例

プリファレンス検索

 [プリファレンス]画面に検索機能が付きました! もちろん日本語UIにも対応しています。

『言語』で検索してみた例。しかしこの場合、先にここで言語設定していないと日本語検索自体ができないジレンマがっ(インストール直後のスプラッシュでも言語設定は可能)

「Blender」バイナリ間のノードのコピー&ペースト

 起動中の複数の「Blender」間で、オブジェクトのコピー&ペーストはすでにできるのですが、v5.1の間では「ノード」も可能になりました。

 もし元blendファイルでパックされている画像データを使用した[画像テクスチャ]ノードを貼り付けた場合、貼り付け先のblendファイルにもその画像データがアペンド・パックされます。

 各ノードエディターで共通のノードであれば、違うタイプでも貼り付け可能らしいのですが、[レンガテクスチャ]ノードはシェーダーノードからジオメトリノードに貼り付けできたものの、[画像テクスチャ]ノードは残念ながら失敗しました。

シェーダーノードの[画像テクスチャ]ノードをジオメトリノードにコピペしようとしたら残念ながら失敗してしまった……[レンガテクスチャ]や[ノイズテクスチャ]などのプロシージャル系テクスチャノードはOK

四分割ビューのリサイズ

 モデルの前・左・上から表示できる「四分割ビュー」([ビュー]-[エリア]-[四分割表示])の分割ラインの交差している部分をドラッグすることで、分割位置を変更できます。

中央の十字の部分でマウスカーソルが変わるのでそこでドラッグ可能

[ノードを交換]オペレーターの改善

 [ノードを交換]([Shift]+[S]キー)で、データタイプの参照を維持してくれるようになりました。

 例えば、画像をノードエディターにドラッグ&ドロップした場合、通常は[画像テクスチャ]ノードになりますが、これを「ワールド」用に[環境テクスチャ]ノードに変更しても、画像の指定はそのまま維持されるので便利です。

 同様に[バンドル分離]ノードと[バンドル合成]ノードを切り替えてもソケットを維持してくれたり、ゾーンの切り替え時にもできるだけソケットを維持してくれるようになりました。

[画像テクスチャ]ノードから[環境テクスチャ]ノードに交換しても画像ファイルへのリンクが維持されるように

スカルプトのマスクが簡単に

 スカルプトモード中のマスクが、[Alt]+左クリックで簡単に作成できるようになりました。[Ctrl]+[Alt]+左クリックでマスク消しゴムになります。

スカルプト中に[Alt]+左クリックで「マスク作成」、[Ctrl]+[Alt]+左クリックで「マスク消しゴム」が利用可能に

コンポジターの変更

 コンポジターも割と大きな変更点があります。

デフォルトワークスペースの変更

 コンポジターのデフォルトワークスペースがさらに変更され、ノードツリーの背景にプレビューを表示するスタイルから、ノードエディター上部に画像エディターが表示されるレイアウトに変更されました。

コンポジターの新しいレイアウト(下側)。プレビューがノードエディター内の背景ではなく、上の画像エディターに表示されるように

ミックスブレンドモードの変更

 ミックスブレンドモードで、アルファ値もミックスされるようになりました。従来は最初の画像入力のアルファがそのまま反映されていました。

 この変更により、コンポジター、ジオメトリノード、テクスチャノードが影響を受けますが、以前のバージョンのblendファイルの読み込み時に、対象のノードツリーにはバージョニング用のノードが追加されます。

横方向にアルファのグラデーションが掛かっている画像と、同画像を左右反転した物をミックスした例。v5.1ではちゃんと左右均一になっている

VRアドオンのテレポート機能の改善

 VRには「VR酔い」という問題があります。そのため多くのVRアプリケーションでは対策の1つとして、手から発射された放物線で指定した場所に移動する「テレポート移動」を実装しています。

 v5.1ではこの機能が市販のVRアプリケーションとほぼ同等になりました。3Dビューポートの「グリッド平面」を含む、平面とある程度の角度の坂にテレポートでき、縦の面は通り抜けできないようになっています。

 ちなみにMeta Questの場合、OpenXRのAPIが「SteamVR」でないとワープ先の地面にめり込んでしまうので注意が必要です。

タイトルをマテリアルプレビューで撮影。ゲームのように最適化はされていないためかなり重いものの、ハイエンドのグラフィックカードがあれば実用的……か?

 他にも3DCG用API「Vulkan」バックエンドでのパフォーマンス向上や、Meta社の「Meta XR Simulator」によるmacOSでのVR利用が可能になるなどの改善も行われています。

終わりに

 他にも「面の中心」スナップや、音声ストリップの新しいモディファイアー、アニメーションカーブを非破壊でスムーズにするモディファイアーなど、まだまだ改善点が多数あります。

 「Blender 5.1」リリースノートの日本語訳もチェックしてみてください。