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「Blender 3.2」がリリース ~オープンソースの2D/3Dコンテンツ制作ツール

「Cycles」にライトグループ、シャドウコースティックスなどの新機能

「Blender」v3.2

 蘭Blender Foundationは6月8日(現地時間)、「Blender 3.2」を公開した。新しいレンダリング機能やペイントツールが導入されたほか、パフォーマンスの改善も改善されているという。

 まず、レンダリングエンジン「Cycles」がLinux環境でAMD製GPUを利用できるようになった。Windows環境と同様、RDNA/RDNA2世代のグラフィックボードがサポートされる。機能面では、以下の新機能が導入される。

  • ライトグループ(Light Groups)
  • シャドウコースティックス(Shadow Caustics)
  • ボリュームモーションブラー
ライトグループでシーンの光源をわけた例

 「シャドウコースティックス」に関しては、弊誌の連載「Blender ウォッチング」でより詳しい解説を行っている。他の「Blender 3.2」の新機能についても毎週紹介していく予定なので役立てていただきたい。

 次に、頂点ペイントのカラー属性が拡張され、スカルプトモードでもペイントできるようになった。既定のペイントブラシでは先端の形状(丸み・幅)、色がにじむウェット効果、フロー、密度などを調整可能。高性能なスミアブラシで加工や変形を行ったり、特定色でマスクしたり、さまざまなカラーフィルタリングを適用することもできる。パフォーマンスも向上しており、数百万のポリゴンにペイントできる。

 そのほかにも、ジオメトリノードではポイント、辺、面、インスタンス、カーブを複製できるノード「要素複製」を追加。アセットブラウザーではコレクションがサポートされた。モデリングでは編集モードでカーブペンツールがサポートされ、曲線をすばやく作成・編集できる。

 グリースペンシル(Grease Pencil)は、新しいモディファイヤー「エンベロープ」(エンベロープ)を搭載。ビデオシーケンサーも改善されており、ヘッダーで名前を付けて整理したり、チャンネル全体をミュートしてロックできるようになった。OBJファイルのインポーター(実験的機能)は「Python」から「C++」に書き直され、大幅な高速化と省メモリを果たしている。エクスポートにかかる時間も、「Blender 3.1.1」に比べて劇的に改善された。

「エンベロープ」モディファイヤー

 「Blender」は、オープンソースで開発されている2D/3Dコンテンツ制作ツール。ライセンスは「GNU General Public License」(GPL)で、誰でも無償で利用できる。対応プラットフォームはWindows、Mac、Linuxなどで、現在「blender.org」からダウンロード可能。Windows版のインストーラーは窓の杜ライブラリからもダウンロードできる。

Blender ウォッチング 記事一覧

ソフトウェア情報

「Blender」Windows版
【著作権者】
Stichting Blender Foundation
【対応OS】
Windows 8.1/10/11
【ソフト種別】
フリーソフト(寄付歓迎)
【バージョン】
3.2(22/06/08)