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「パスガイディング」でレンダリング速度アップ、ノイズ激減 ~「Blender 3.4」が公開

自動マスキング、グリースペンシル、UVエディターなども強化

「Blender」v3.4

 蘭Blender Foundationは12月7日(現地時間)、「Blender 3.4」を公開した。長期サポート版も「Blender 3.3.2 LTS」へとアップデートされている。

 「Blender 3.4」では、レンダリングエンジン「Cycles」でIntelのオープンソースライブラリ「Open PGL」(Path Guiding Library)を用いた「パスガイディング」がサポートされた。わざわざ複雑な光の進路(Path)すべてをトレースしなくても、レンダリング中にシーンの配光を学習し、それを応用してレンダリングイメージに大きく影響する重要なパスだけをガイドすることで、レンダリングパフォーマンスを向上させ、ノイズを大幅に低減する。

同じシーンを同じ時間でレンダリングした様子。「パスガイディング」のあり(右)・なし(左)でノイズの量がまったく異なる

 また、「Cycles」ではハードウェア対応も強化された。Appleの「Metal」では「macOS 13」以降でIntel GPUがサポートされたほか、クラッシュにつながる不具合の修正や機能の改善が行われており、安定性が向上している。

 そのほかにも、NLA(ノンリニアアニメーション)、ドープシートおよびタイムラインエディタにやり直しパネルを追加。UVエディターには新しいジオメトリベースのリラックスブラシが追加された。自動マスキングのUIが改善され、新しいオプションも追加されたほか、グリースペンシルでは途切れた線で囲まれた部分を塗りつぶす処理に新しいアルゴリズムが導入されている。注目の機能に関しては「Blender ウォッチング」連載で取り上げる予定なので、期待してほしい。

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 「Blender」は、オープンソースで開発されている2D/3Dコンテンツ制作ツール。ライセンスは「GNU General Public License」(GPL)で、誰でも無償で利用できる。対応プラットフォームはWindows、Mac、Linuxなどで、現在「blender.org」からダウンロード可能。Windows版のインストーラーは窓の杜ライブラリからもダウンロードできる。

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ソフトウェア情報

「Blender」Windows版
【著作権者】
Stichting Blender Foundation
【対応OS】
Windows 8.1/10/11
【ソフト種別】
フリーソフト(寄付歓迎)
【バージョン】
3.4(22/12/07)