単位の異なるグラフを1つにまとめる
売上金額と販売数量や広告費とPVなど、関連のあるデータを1つのグラフにまとめたいことがありますよね。以下は、アイスの売上金額と気温をまとめたグラフです。
第1軸(左)がアイスの売上金額の棒グラフ、第2軸(右)が気温の折れ線グラフと表現しています。横軸は日付です このようなグラフは「複合グラフ」や「2軸グラフ」などと呼ばれ、実務でもよく見かけます。[グラフの挿入]ダイアログボックスから選択すれば完成できるので、それほど難しくはないでしょう。では、以下のような“第3軸”を追加するにはどうしたらいいでしょうか?
第3軸(①)として、来店者数を面グラフ(②)で組み合わせています エクセルには第3軸を設定する直接的な機能はありません。ちょうど良い位置に2つのグラフを重ねているだけですが、ちょっとした工夫があります。今回は、2つの軸を表現する複合グラフの作成方法に加えて、第3軸のグラフを組み合わせるテクニックを紹介します。
複合グラフを作成する
複合グラフはデータを選択して、[グラフの挿入]ダイアログボックスから作成します。最も注目したい系列(項目)を第1軸に設定しましょう。以前の記事も参考にしてください。
挿入したグラフの位置や大きさを調整する際に[Alt]キーを押しながらドラッグすると、セルの枠線に吸着します。後ほど、もう1つグラフを作成することを考慮して、枠線にぴったり合わせておきましょう。
複合グラフにしたいセル範囲を選択(③)して、[挿入]タブ(④)の[おすすめグラフ](⑤)をクリックします [すべてのグラフ]タブ(⑥)の[組み合わせ](⑦)をクリックします。ここでは「アイス売上金額」を第1軸として[集合縦棒](⑧)、「気温」を[マーカー付き折れ線](⑨)として、[第2軸]にチェックを付けました(⑩)。グラフのイメージ(⑪)が切り替わります。[OK](⑫)をクリックします 挿入したグラフの位置と大きさを調整しておきます。[Alt]キーを押しながらハンドルをドラッグすると(⑬)、セルの枠線に吸着します ここではグラフのタイトルを削除します。グラフのタイトルを選択して(⑭)、[Delete]キーを押します(⑮) 好みの色に変更しておきましょう。[グラフのデザイン]タブ(⑯)をクリックして[色の変更](⑰)から色を選択します(⑱) 3軸目のグラフを追加する
3軸目とするグラフを追加します。横軸の「日付」は変わらず、縦軸は「来店者数(人)」に設定します。作成済みの複合グラフと重ねるため、ここでは、面グラフを作成します。左の縦軸が重ならないように横軸の目盛りを調整するのがポイントです。
全体的な流れは以下のようになります。
- 作成済みの複合グラフと作成する面グラフのサイズを揃える
- 面グラフの横軸の目盛りを調整する
- 複合グラフの背景を「塗りつぶしなし」とする
- 複合グラフと面グラフを重ねる
追加するグラフのデータを選択します(⑲)。[挿入]タブ(⑳)の[おすすめグラフ](㉑)をクリックします [すべてのグラフ]タブ(㉒)の[面](㉓)をクリックします。[OK](㉔)をクリックします 面グラフが挿入されました(㉕)。グラフタイトルを削除して、複合グラフと同じサイズに調整します ここでは、横に並べました。[+](㉖)をクリックして[凡例]-[下](㉗)を選択します グラフの何もないところを右クリック(㉘)して、[グラフエリアの書式設定](㉙)を選択します 面グラフのグラフエリア(㉚)をクリックして、[塗りつぶし(単色)](㉛)をクリックして、色(㉜)を選択します。ここでは透明度を「50」としました(㉝) 横軸(㉞)をクリックして[軸のオプション]にある[最小値](㉟)を1目盛り小さく設定します。ここでは「2025/7/19」としました [文字のオプション](㊱)の[塗りつぶしなし](㊲)、[文字の輪郭]の[線なし](㊳)をクリックします 目盛線(㊴)をクリックして、[線なし](㊵)をクリックします。[Delete]キーを押しても構いません グラフの何もないところをクリック(㊶)して、[線なし](㊷)を選択します。複合グラフと重ねることを考慮して、凡例の位置を調整しておきます(㊸) 複合グラフの何もないところをクリック(㊹)し、[塗りつぶしなし](㊺)と[線なし](㊻)をクリックします 複合グラフの何もないところを右クリックして(㊼)[最前面へ移動](㊽)を選択します [Shift]キーを押しながら面グラフを左にドラッグして(㊾)、重なる位置を微調整します 画面右側に表示される「書式設定」のパネルは、選択している要素(グラフエリアや系列、軸など)に応じて切り替わります。操作の対象は何なのかを意識すると間違えないでしょう。
単純な重ね合わせですが、目を引くグラフに仕上がりますよね。ぜひ活用してください。