いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】2種類のデータの関連性を示すには? エクセルで複合グラフを作る方法

「複合グラフ」でデータの関連性を見極めよう

複合グラフは「軸」を意識して作成する

 縦軸と横軸で表現するグラフといえば、棒グラフと折れ線グラフですよね。グラフの目的に応じて、縦方向、横方向、積み上げなどのバリエーションの変更も簡単です。では、棒グラフと折れ線グラフを組み合わせた「複合グラフ」はいかがでしょう? 左右の縦軸に異なる目盛りが振られた軸が用意されているグラフです。

「複合グラフ」は、左右に異なる目盛りの軸が用意されています。左を「第1軸」(①)、右を「第2軸」(②)といいます

 時系列を横軸として、売上金額と参加者数、販売数と平均単価、実績と前年比など、異なる単位のデータを並べて表現したい時に「複合グラフ」が利用されます。左側の縦軸を「第1軸」、右側の縦軸を「第2軸」と呼びます。

 上記のグラフで指定した、第1軸「来場者」と第2軸「売上」を逆にすると以下のようになります。同じデータから作成した複合グラフですが、形が異なりますよね。

 どちらが正解ということはありません。主に注目したいデータを棒グラフで第1軸に指定、重ねるデータを折れ線グラフで第2軸に指定すると、意図通りに仕上がります。なお、第1軸は「主軸」とも呼ばれます。今回は、2つの軸の関係性をふまえて「複合グラフ」を作成していきましょう。

上記のグラフの第1軸を「売上」、第2軸を「来場者」に切り替えた状態です

複合グラフの作成

 複合グラフは棒グラフや折れ線グラフと同様に、[グラフの挿入]ダイアログボックスから作成するのが簡単です。2つのデータのうち、注目したい系列がどちらかを考えて第1軸に設定しましょう。

複合グラフにしたいセル範囲を選択(③)して、[挿入]タブ(④)の[おすすめグラフ](⑤)をクリックします
[グラフの挿入]ダイアログボックスが表示されました。[すべてのグラフ]タブ(⑥)の[組み合わせ](⑦)をクリックします。選択したデータからグラフのイメージ(⑧)が表示されます
ここでは「来場者」を第1軸として[グラフの種類]で[集合縦棒](⑨)にします。「売上」は[折れ線](⑩)を選択して[第2軸]にチェックを付けます(⑪)。[OK](⑫)をクリックします
複合グラフが挿入されました
グラフエリアを選択した状態で[グラフ要素](⑬)をクリックします。[軸ラベル]から[第1縦軸]と[第2縦軸]にチェックを付けます(⑭)
第1軸と第2軸の軸ラベルとグラフタイトルを入力しておきます(⑮)

第1軸と第2軸の区分をそろえる

 とりあえず複合グラフを挿入できましたが、まだ完成していません。目盛り線に注目してください。標準では、第1軸の目盛りを基準として目盛り線が引かれます。例えば「140」に引かれた目盛り線を右に辿ると、第2軸の目盛りとずれていることがわかります。

第1軸の「140」の目盛り線を右に辿ると、第2軸の目盛りとずれています(⑯)

 第1軸は9つの区分、第2軸は8つの区分で分けられていることが原因です。エクセルのグラフは、データを元に自動的に目盛りを振るため、このような現象がよく起こります。第2軸の目盛り線を追加しても見栄えはよくありません。第1軸と第2軸の区分をそろえて、目盛り線を共用することを考えましょう。

第2軸の目盛り線を追加(⑰)すると見にくくなってしまいます

 どちらの軸の区分にそろえるかはデータによりますが、この例では、第1軸「来場者」の最大値は「154」なので、第1軸の最大値を「160」にして「20」ずつの8区分にそろえるとよさそうです。

第1軸を右クリックして(⑱)、[軸の書式設定](⑲)を選択します
画面の右側に[軸の書式設定]作業ウィンドウが表示されました。[最大値]に「160」と入力(⑳)して[Enter]キーを押します。[主]は「20」のまま(㉑)で構いません
第1軸の目盛りが8区分に切り替わり、第1軸と第2軸の目盛り線がそろいました

区分の調整で見えてくる情報もある

 複合グラフを挿入した直後は、棒グラフと折れ線グラフの増減は同調しているような印象でした。しかし、目盛りの区分(間隔)を整えてみると、3月と8月は来場者に対して売上が低いことが視覚的にわかりますよね。また、6月は客単価が高いとも分析できます。

 複合グラフは、どの情報に注目するのかを考えて軸と区分を調整するといいでしょう。区分の調整がうまくできない時は、2倍数、3倍数などで区分を整えて補助線を追加する方法もあります。