レビュー

交通系ICカードの利用履歴をストックしてグラフ化できるデータベースアプリ「Pubtra」

交通費精算書などとして利用するために印刷することも可能

「Pubtra」v2.2.0

 「Pubtra」は、“Suica”や“PASMO”などのストアードフェア(SF)機能カードの履歴を管理・閲覧するデータベースアプリ。Windows XP/Vista/7/8.1/10に対応するフリーソフトで、作者のWebサイトからダウンロードできる。

 本ソフトは、SFカードリーダーから読み取ったCSVファイルを蓄積・管理するためのアプリ。SFカードに記録される利用履歴には制限があり、古いものはいずれ消えてしまう。しかし、このようなツールでデータを蓄積しておけば、利用履歴を失うことはない。また、交通費精算書などとして利用するために印刷したり、利用傾向をわかりやすくグラフ化するといった便利な機能も備えている。

 本ソフトにはSFカードのデータを読み取る機能は備わっていないので、まず読み取り端末と読み取りソフトを用意する必要がある。読み取り端末にはソニー製の非接触型ICカードリーダー・ライター「PaSORi(パソリ)」が、読み取りソフトには同じくソニー製の「SFCard Viewer 2」が推奨されている。ただし、読み取りソフトに関してはある程度の差分を吸収してくれるようで、「SFCard Viewer2」でなければならないことはないようだ。なお、「SFCard Viewer2」を利用するには、まず「NFCポートソフトウェア」を導入しておく必要があるので注意しよう。

「PaSORi(パソリ)」
「SFCard Viewer2」
[CSVファイルのインポート]画面

 準備が整ったら、読み取りソフトでSFカードから利用履歴データをCSV形式でエクスポートする。続いて「Pubtra」を起動して[CSVファイルのインポート]ボタンを押し、保存したCSVファイルを指定してデータベースに読み込もう。公共交通機関のSFカードデータであれば、“Icoca”や“TOICA”などでも問題なく読み込むことができる(“Apple Pay”の“Suica”でも可)。また、複数の種類のカードを1つのデータベースにまとめることも可能。インポート時に[新規データのみ追加]オプションを有効化しておけば、インポートしたデータの重複に頭を悩ませる必要もない。

 インポートされたデータはグリッドビューに一覧表示され、期間や用途、カードの種類によるフィルタリングが行える。「Pubtra」ではサーバーレスで動作する「SQLite」がデータベースとして利用されているので、面倒なデータベースサーバーの管理は必要ない。また、複数のデータベースを扱うことが可能で、カードや年度ごとに異なるデータベースで管理したいといった需要にも対応できる。

 なお、利用履歴データのグラフ化は[チャート]タブで行うことが可能。グラフに描画する利用履歴の期間を指定して[描画]ボタンを押せば、利用金額の合計と交通費のみの金額を棒グラフで表すことができる。[チャートオプション]ダイアログからグラフのスタイルをカスタマイズすることも可能だ。

[チャート]タブ
印刷プレビュー画面

ソフトウェア情報

「Pubtra」
【著作権者】
Symmetry Soft
【対応OS】
Windows XP/Vista/7/8.1/10
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
2.2.0(16/04/15)