レビュー
役を揃えて大ダメージ!ポーカー風のカードバトルRPG「母なる湖は城を抱き」
城の探索に挑む短編作品、金欠パーティのコミカルな掛け合いも見所
(2013/12/20 17:18)
「母なる湖は城を抱き」は、ポーカー風の戦闘が特徴の短編RPG。フリーソフトで、編集部にてWindows 7で動作を確認した。作者のWebサイトからダウンロードできる。
舞台となるのは、湖に浮かんだ“天空城”と呼ばれる城。主人公の戦士“アイアス”ほか金欠の冒険者達4人が即席のパーティを組み、依頼された城の調査に挑む。
本作は「RPGツクールVX Ace Lite ニコニコエディション」製だが、戦闘システムは完全オリジナルのポーカー風カードバトルを採用。味方パーティと敵が交互に攻撃を繰り返すターン制で、味方側はポーカーの役を作ることで攻撃するのが特徴だ。
戦闘開始時には、4人のパーティメンバーそれぞれの絵柄で“攻撃”と“魔法”の2種類、計8種類のカードから5枚が場へ配られる。これらを組み合わせて、同じカード2枚でワンペア、さらにそれが2組でツーペアといった役を作り攻撃していく。揃えるのが難しい役ほど大ダメージを与えられ、この際の攻撃アニメーションやカットインなど派手な演出も見所だ。
カードの引き直しはターンを消費して何度も行うことができ、この際指定したカードを残す“ホールド”も可能。ターンをかければいくらでも強力な役を作れるが、その間は一方的に敵から攻撃されることになる。敵の数や強さに応じて、小さい技で速攻をかけるか、大技を狙うかといった駆け引きがポイントとなるわけだ。物理攻撃が効かない敵や場のカードが一部使えなくなる麻痺攻撃を放つ敵なども出現し、ほどほどの戦術性を堪能できる。
また、ゲームを進めることでパーティメンバーが増えていく。それぞれ物理攻撃と魔法攻撃の得意・不得意や魔法の属性などに違いがあるほか、攻撃の代わりに回復ができるキャラクターも登場。戦闘に参加する4人を決めるパーティ編成も戦略のうちだが、レベルがさくさく上がり、戦闘バランスもそれほどキツくはないので、好みのキャラクターで固めてもOK。複数キャラクターによるツーペアなど、連携攻撃となる際は組み合わせごとに掛け合い台詞が用意されており、これを見るのも本作の楽しみのひとつとなっている。
シナリオは、コント調の会話が楽しいギャグテイストのもの。しかし天空城の探索が進み、城に住まうある一族の存在やその目的が明らかになるに連れて、事態は深刻さを増していく。個性的なキャラクター達がそれぞれの立場と決意のもとに、仲間を受け入れ、共に戦っていくさまがコミカルに、ときに熱く語られるのも本作の魅力。プレイ時間は4時間ほどで、テンポのよい展開とユニークなバトルを気軽に楽しめる作品だ。
ソフトウェア情報
- 「母なる湖は城を抱き」
- 【著作権者】
- 時雨屋 氏
- 【対応OS】
- (編集部にてWindows 7で動作確認)
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 1.03(13/12/10)