Windows 10のトラッキング機能を手軽に停止・無効化できる「DisableWinTracking」

「DisableWinTracking」v1.5

　「DisableWinTracking」は、手軽にWindows 10のトラッキング機能を停止または無効化できるツール。“GitHub”のプロジェクトページから無償でダウンロードできる。なお、本ソフトの配布ファイルは圧縮されておらず、実行ファイルそのものとなっている。

　Windows 10では、エラー情報や診断情報、ユーザーの入力、位置情報といったさまざまなデータが収集され、バックグラウンドでMicrosoftへ送信されている。このトラッキング機能は、OSのセットアップの際に［簡単設定を使う］を選択すると初期状態で有効化される。こうした情報収集のほとんどは、あくまでもユーザーの利便性向上やプラットフォームの改善のために役立てられるものだが、プライバシーに関わる情報を提供するのを好まないユーザーも少なくないはずだ。

Windows 10のセットアップ画面

　そうしたユーザーのために、トラッキング機能を無効化する方法も一応は用意されている。たとえば、セットアップの際に［設定のカスタマイズ］を選択すれば個別に無効化することが可能。また、あとから無効化することもできる。しかし、見逃してしまう恐れは高いし、一括でブロックできないのも面倒だ。

　そこで開発されたのが「DisableWinTracking」だ。本ソフトを利用すれば、トラッキング関連の機能をまとめて無効化したり、削除することができる。具体的には、レジストリを編集して診断情報の収集を許可するフラグをOFFにしたり、関連するWindows サービスを止めたり、HOSTSファイルを編集してトラッキング情報の送信をブロックするといった方法をとっている。ソースコードが公開されており、どのような処理を行っているか確認できるのは安心できる。

　利用は簡単で、利用するブロッキング方法のチェックをONにしてからラジオボタンで［Disable（無効化）］［Delete（削除）］のいずれかを選択し、［Go Provate!］ボタンを押すだけでよい（ただし“Services”のみはかならず選択する必要があるようだ）。

　本ソフトは現時点で明らかになっている情報を元に開発されている。そのため、もし未知のトラッキング機能があればそれを防ぐことはできず、対策として完全とは言い切れない。重度の機密情報を扱っている会社・部署で利用するには不十分なものだが、手軽に利用できるのはエンドユーザーにとって魅力的といえるだろう。

　なお、本ソフトは管理者権限で実行する必要があるので注意。また、元の設定に復元する機能は備えていないので、利用する前にバックアップを行っておくことをお勧めする。