杜のAndroid研究室
第267回
自動でも手動でも高機能な無償ムービー作成アプリ「Adobe Premiere Clip」
BGMのリズムに合わせて動画を自動編集。手動で明るさ補正やフィルターの適用も
(2015/12/9 16:49)
『杜のAndroid研究室』では、スマートフォン向けOS“Android”をテーマに、窓の杜スタッフが厳選したアプリなどを紹介していく。今回は、写真や動画を組み合わせて、BGM付きのショートムービーを簡単に作成できる動画編集アプリ「Adobe Premiere Clip」に焦点を当て、その使い方と機能を紹介しよう。
動画編集ソフト“Adobe Premiere”のAndroid版
「Adobe Premiere Clip」は、米Adobe Systems Incorporated社が提供する高機能な動画管理・編集ソフト“Adobe Premiere”シリーズのAndroid版。スマートフォンで撮影した写真や動画を組み合わせて、BGM付きのショートムービーを簡単に作成できるほか、トリミングやタイトルの挿入など、高度な動画編集を行うことも可能。作成したムービーはアップロードしてSNSなどで共有でき、さらにデスクトップ版の「Adobe Premiere Pro CC」に動画プロジェクトを移して再編集を行うこともできる。
初回起動時に表示される画面から“Adobe ID”でログインすることで利用を開始可能。起動画面はタブ切り替え型となっており、自分が作成・編集したムービーのプロジェクトが一覧される[マイプロジェクト]タブのほか、他のユーザーまたは自分が公開したムービーが一覧される[コミュニティビデオ][公開済みビデオ]タブを左右にフリックで切り替えられる。
ムービーを作成・編集したいときは、起動画面右下にある[+]ボタンから使用する写真や動画を選択して、新規プロジェクトを作成しよう。4つのボタンが縦1列に表示され、このうち最上部の端末型ボタンからは端末内の写真や動画を選択可能。また、その他のボタンからは、写真管理・現像ソフト「Adobe Photoshop Lightroom」の“コレクション”に追加している写真や、“Creative Cloud”のオンラインストレージに保存している写真や動画、その場で撮った写真や動画を選択して、プロジェクトに取り込むことができる。
BGMのリズムに合わせてムービーを自動編集できる
写真・動画の選択後に表示される画面では、ムービーの編集方法を“自動”または“カスタム編集”から選択可能。簡単にムービーを編集したいときは、“自動”を選択すればよい。すると、動画のトリミングや合成、BGMの付加などの自動編集が行われたあとで、[プロジェクト]画面が表示される。
[プロジェクト]画面では、画面中央にムービーのサムネイルが表示され、タップすれば再生して確認可能。ムービーは、複数に分割された動画および1枚ごとの写真の“クリップ”から構成されており、自動選択されたBGMのリズムに合わせて、各クリップの表示時間が設定され、音楽とマッチした映像に仕上げられるのが特徴。
また、画面上部の[サウンドトラック][速度][クリップ]タブを選択して、動画の簡易的な編集を行うこともできる。[サウンドトラック]タブでは、画面下部の[サウンドトラックを置き換え]をタップして、動画に付加するBGMを変更でき、本アプリに収録されている楽曲のほか、端末内の音楽ファイルを選択することが可能。また、その上側のシークバーを左右にスワイプし、楽曲の再生開始位置を選択することもできる。
また、[速度]タブでは、取り込んだ写真・動画の各クリップの表示時間を設定可能。スライダーを左右に動かして、5段階で表示時間を設定でき、スライダーの右上に表示される秒数で合成される動画の長さを確認することができる。さらに、[クリップ]タブを選択して表示される[シーケンス]画面では、取り込んだ写真・動画の表示順をドラッグ&ドロップで変更できるほか、不要なものを削除したり、新たな写真・動画を追加することが可能だ。
クリップの分割・複製やフィルターの適用など、高度な動画編集も可能
[プロジェクト]画面の右上にある[カスタム編集]ボタンをタップすると、[カスタム編集]画面に切り替えて、手動で高度な動画編集を行うことができる。[カスタム編集]画面下部では、選択しておいた写真・動画のクリップが一覧表示され、ドラッグ&ドロップでクリップの表示順を変更したり、選択したクリップを削除することが可能。また、クリップを選択したあとで、上側にあるシークバーで範囲を指定することで、個別のクリップの切り出し範囲や表示時間を細かく設定することもできる。
さらに、クリップの選択後に、画面上部のタブバーの右から2番目のボタンをタップすると表示される画面では、指定した再生位置でクリップを分割することが可能。また、選択中のクリップを複製して、ムービーに追加することもできる。
このほか、[カスタム編集]画面では、動画に含まれる音声のボリュームをクリップごとに指定できるほか、各クリップの露光量・ハイライト・シャドウをスライダーで調整することが可能。また、画面上部に配置されているボタンからは、ムービー全体にレトロ調やモノクロなどのフィルターを適用したり、BGMの楽曲変更やフェードイン・アウトの設定などを行うことができる。
さらに、[カスタム編集]画面の右下にある[+]ボタンからは、プロジェクトに写真・動画を追加できるほか、表示される[Aa]ボタンをタップすれば、日本語入力アプリでテキストを入力して、タイトル画面を挿入することが可能だ。
編集したムービーを保存・共有でき、デスクトップ版で再編集も可能
[プロジェクト]または[カスタム編集]画面で作成・編集したムービーは、自動的にプロジェクトが保存されて、起動画面の[マイプロジェクト]タブに一覧表示される仕組み。一覧からムービーを選択すれば、再編集することが可能だ。
また、[プロジェクト]および[カスタム編集]画面右上にある[共有]ボタンをタップして表示されるメニューからは、ムービーの書き出しや共有が可能。メニューの[ギャラリーに保存]または[Creative Cloudに保存]項目を選択すれば、ムービーをMP4形式で書き出して、端末内または“Creative Cloud”のオンラインストレージに保存可能。
さらに、メニューの[公開して共有ビデオ]項目を選択すると、本アプリ独自の動画共有サービスにムービーをアップロードして公開用URLを取得し、SNSなどで共有することが可能。アップロードしたムービーは、起動画面の[公開済みビデオ]に一覧される。また、[YouTubeに公開]項目を選択して、YouTubeにムービーをアップロードすることもできる。
本アプリの特徴のひとつがデスクトップ版の「Adobe Premiere Pro CC」との連携機能だ。[共有]ボタンのメニューで[Premiere Proで編集]項目を選択すると、“Creative Cloud”のオンラインストレージにムービーのプロジェクトが保存され、本アプリでの編集内容を引き継いで、「Adobe Premiere Pro CC」でムービーの再編集を行うことが可能になる。
- 【著作権者】
- Adobe Systems Incorporated
- 【対応OS】
- Android 4.4以降
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 1.0.999(15/11/30)
- Adobe Premiere Clip - Google Play の Android アプリ
- https://play.google.com/store/apps/details?id=com.adobe.premiereclip
- ビデオ編集アプリ、iPhoneでのビデオの編集 | Adobe Premiere Clip
- http://www.adobe.com/jp/products/premiere-clip.html