使ってわかるCopilot+ PC

第85回

【実感】Copilot+ PCの目玉機能「リコール」はただのスナップショット集ではない!

使用したアプリやファイル、URLなどの情報も連携し、スムーズに情報アクセスが可能

「リコール」のメイン画面

花形機能であったはずだが……

 Copilot+ PCで最も華々しく発表されながら、導入が遅れてしまった「リコール」機能。実際に使った方からは『検索できるだけのスナップショット集でしょ』とも見られがちで、不遇というか、正当に評価されていないように感じる。

 改めて「リコール」がどんなもので、どんな活用法があるのかをお伝えしよう。毎日頻繁に使う機能ではないが、存在を覚えていれば『あれって何だっけ、どこだっけ』という時に、新しい情報検索機能としてかなり役立つ。

スナップショットに複数の情報を連携

 「リコール」はデスクトップ画面の自動スナップショット撮影と、自然言語による検索機能を組み合わせたAIサービスだ。スナップショットの画像情報をAIが読み取り、テキスト情報の形にしてスナップショットと合わせて保存しておく。これが大量に蓄積されれば、過去のPC操作情報を自由に引き出せるデータベースになる。

タイムライン表示で、過去のPC利用状況を確認できる
テキストで検索すれば、マッチする文字列や画像など、関連しそうなものを何でも見つけてくる

 これだけでも便利だと思うが、「リコール」にはもう1つ重要な機能がある。それはスナップショットに、アプリやファイルの情報も付属していることだ。

 例えば、ある画像を開いた時のスナップショットがあるとする。後日、『あの時見た画像を再確認したい』という時に、「リコール」で画像の内容をテキスト検索すれば、「フォト」アプリなどで開いている画像のスナップショットが表示される。

「フォト」アプリで画像を開いている時のスナップショット。画像の左上にファイル名らしきものがある

 さらにスナップショットをよく見ると、開いた時のアプリと、画像のファイル名が表示されている。そこをクリックすると、同じアプリで同じファイルが開く。『あの画像どこにあったっけ?』となっても、どんな画像だったか入力すれば検索できるし、いつ開いたか覚えていればタイムラインからも探せる。

ファイル名をクリックすると、スナップショットで見た画像ファイルが「フォト」アプリで展開された

 筆者の場合、自分で執筆した大量の原稿の中から、『以前書いたあの話題の原稿ってどのファイルだったっけ』となった時に、タイムスタンプやファイル名で推測して探していくが、かなり前のものだとなかなか思い出せない。「リコール」ならテキストエディターで開いた内容そのものを検索し、すぐに見つけて開ける。

 テキストファイルなら全文検索という力技もあるが、ファイルの種別を問わない応用力や、時間もかからないという点で、「リコール」の方が利便性は高い。

探したいテキストファイルを検索すると、スナップショットに加えて、使用したプログラムとファイルも示される

 Webブラウザーは特に強力だ。『前に調べたあの情報、どこに載ってたっけ?』と思ったら「リコール」で検索。その時のスナップショットだけでなく、開いていたWebサイトのURLも保存されており、すぐにWebブラウザーでアクセスできる(そのWebサイトが現在もアクセス可能かどうかを保証するわけではないが)。

Webブラウザーで開いていたWebサイトの情報も保存される

 ほかにも「Microsoft Store」で開いたアプリのページも覚えていて、1クリックで開けたりもする。さまざまな情報をスナップショットに連携して、検索から元ソースへ直通できるのが「リコール」の重要なポイントだ。

「Microsoft Store」で開いていたページも、スナップショットだけでなくリンク情報が残っている

情報の蓄積が役立つ場面は必ずある

 ほかにもいろいろ便利なシーンはある。筆者はPCをあれこれいじるのが好きで、マニアックな設定を変更したりもするが、やっぱり戻したいと思った時に『あれってどこの設定だっけ?』と忘れることもよくある。「リコール」なら設定項目を検索すれば、スナップショットで発見できるし、複数枚のスナップショットがあれば変更前の設定画面まで残っている可能性がある。

『あの設定どこでやったっけ?』という時にも使える

 先日あった出来事としては、とあるメーカーのチャットサポートを受けたが、Webブラウザーが閉じられるとチャットログが残らない仕組みだった。後になって『あの時に聞いたことをもう1回確認したい』と思ったら、もう1回チャットサポートを受けるしかない。これも「リコール」ならスナップショットからチャットログを拾い上げられる可能性が高い。

 あと筆者が時々便利だなと思うのは、ゲームの情報を調べる時。ゲーム画面のスナップショットからゲーム内のワードを抽出できるので、調べたいアイテム名やキャラクター名、あるいはそのシーンの雰囲気などで検索すれば、『あのキャラをいつどこで見たのか』など多くの情報にたどり着ける。スナップショットされたゲーム画面からテキストをコピー&ペーストして、Webブラウザーで検索することも可能だ。

ゲーム内の画像もテキストをコピペ可能。「Click to Do」と同じように、直接Web検索もできる

 「リコール」は、画像認識や自然言語検索など複数のローカルAI機能を組み合わせた、Copilot+ PCだからこそ実現できた機能であることは間違いない。情報の蓄積が要るため、即効性がないのも理解されにくい理由だろう。使うか使わないかは個人の自由だが、モノとしてはもっと評価されてもいいと思う。ストレージの無駄と言わず、使ってみて欲しい。

著者プロフィール:石田賀津男(いしだ かつお)

1977年生まれ、滋賀県出身

ゲーム専門誌『GAME Watch』(インプレス)の記者を経てフリージャーナリスト。ゲーム等のエンターテイメントと、PC・スマホ・ネットワーク等のIT系にまたがる分野を中心に幅広く執筆中。1990年代からのオンラインゲーマー。窓の杜では連載『初月100円! オススメGame Pass作品』、『週末ゲーム』などを執筆。

・著者Webサイト:https://ougi.net/