使ってわかるCopilot+ PC
第84回
デスクトップPCにもCopilot+ PCを持ち込む「Ryzen AI 400」が発表
ゲーマーに人気のAMD製CPUでNPUの普及が加速するか
2026年3月6日 15:46
最大50TOPSのNPUを搭載する「Ryzen AI 400」が発表
AMDが新型のデスクトップPC向けCPU「Ryzen AI 400」シリーズを発表した。発売は2026年第2四半期(4~6月)の予定で、HPやLenovoなどのOEMから提供するとしている。
これまでCopilot+ PCは、モバイル向けCPUのみの展開だった。Copilot+ PCには40TOPS以上の性能を持つNPUが必要だが、デスクトップ向けCPUで40TOPS以上の性能を持つものがなかったからだ。一部のデスクトップPCでCopilot+ PCに対応していたのは、モバイル向けのCPUを採用した製品であった(ゆえに小型のPCが多かった)。
「Ryzen AI 400」シリーズは最大50TOPSのNPUを搭載しており、Copilot+ PCのサポートも明言されている。これで正式にデスクトップPCにもCopilot+ PCが解禁になるというわけだ。どんな製品なのか、詳しくお伝えしよう。
8コアまたは6コアの3モデルが基本。NPU性能は共通
今回発表されたのは計12モデル。ただ一般ユーザーの目線だと3モデルと考えていい。発表された製品は下の画像のとおり。
型番に「PRO」が入ったものは企業向けのモデル。また型番の最後に「E」が入ったものは省電力モデルとなる。一般向けには基本、リストの上3つを見ておけばいい。
今回発表されたのは、いずれもコードネーム「Gorgon Point」と呼ばれていたもの。CPUのアーキテクチャはZen 5、プロセスルールは4nm FinFET、グラフィックスはRDNA 3.5、NPUはXDNA 2となる。プラットフォームはAM5で、既存のRyzen 7000/9000シリーズと共通。
「Ryzen AI 7 450G」は8コア16スレッド、「Ryzen AI 5 440G」は6コア12スレッド。「Ryzen AI 5 435G」も6コア12スレッドだが、「Ryzen AI 5 440G」よりブーストクロックが低く、L3キャッシュが半減する。
型番に「G」が入っているとおり、GPUを内蔵している。AM5プラットフォームのソケットでは基本的にGPUを内蔵したCPUが提供されているが、その中でもグラフィックスコアが多めの設定となる。「Ryzen AI 7 450G」が8CU(Compute Unit)、その他が4CUだ。
NPUに関しては、一律で最大50TOPSとなっている。NPU性能に限って言えば、どのモデルを買っても差はないということになる。ただしGPUを併用する処理の場合は、CUが多いモデルの方が高速に動作する可能性はある。
既存のAM5マザーボードでもBIOS更新で対応可能
最近の「Ryzen」シリーズは、パフォーマンスの高さからPCゲーマーにも人気だ。その最新型ということで注目度も高そうだが、既存ユーザーはゲームだけに限れば慌てる必要はない。現行製品の「Ryzen 9000」シリーズもCPUのアーキテクチャは同じZen 5で、そこから「Ryzen AI 400」シリーズに交換してもCPU性能の大きな向上はないだろう。
それ以前の製品を使用しているユーザーには、高性能なCPUとGPU、さらにCopilot+ PCに対応するNPUまでついてくる、オールインワンの製品として注目されそうだ。今のところはOEM各社からの完成品PCとして販売されることのみ発表されているが、もしCPUが単品販売された時には……という前提で話を進める。
「Ryzen AI 400」シリーズでPCを自作する場合、既存のAM5マザーボードでも動作すると思われる。サポートするチップセットは、「A620」、「X670E」、「X670」、「B650E」、「B650」、「X870E」、「X870」、「B840」、「B850」とされており、安価なエントリーモデルでも対応は可能なようだ。
ただし、「Ryzen AI 400」に対応するBIOS(UEFI)のアップデートは必要で、新しいBIOSが提供されるかどうかはメーカー次第となる。CPUの単品販売が始まり、マザーボードとセットで購入する際には注意が必要だ。最近はマザーボード単体でBIOSをアップデートする機能を搭載したものも多いので、その辺りも合わせてチェックするといい。
Copilot+ PCとして動かすための設定や準備は特に必要ないと思われる。もしWindowsの「タスク マネージャー」にNPUの項目がなければ、BIOSでNPU関連の設定がないか確認してみるといい。必要なドライバ類はWindows Updateで導入されるはずだが、専用ソフトウェア「AMD Software: Adrenalin Edition」は導入しておくといい。
ちなみにCopilot+ PCの必須スペックとして、NPUのほかにも16GB以上のメインメモリと、256GB以上のSSDも指定されている。今時これを下回るPCを自作する方もそういないと思われるが、一応覚えておくようにしたい。
他のCPUメーカーもいずれはデスクトップ向けCPUにCopilot+ PCに対応できるNPUを搭載してくると思われるが、しばらくはAMDが先行することになりそうだ。
1977年生まれ、滋賀県出身
ゲーム専門誌『GAME Watch』(インプレス)の記者を経てフリージャーナリスト。ゲーム等のエンターテイメントと、PC・スマホ・ネットワーク等のIT系にまたがる分野を中心に幅広く執筆中。1990年代からのオンラインゲーマー。窓の杜では連載『初月100円! オススメGame Pass作品』、『週末ゲーム』などを執筆。
・著者Webサイト:https://ougi.net/

















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