杜のVR部

第38回

小人になって冷蔵庫の中を駆け抜けるジェットコースター「Boursin Sensorium」

そびえる野菜や果物は迫力満点

 Oculus Rift向けには、製品化に向けてさまざまなゲームや体験のデモが登場している。その中でも、没入感をすぐに体感でき、なおかつとても印象が強いのが“ジェットコースター”だ。すでに本連載では、第10回でジェットコースターを体験できるコンテンツを紹介した。その中でも、「UnityCoaster2-UrbanCoaster-」は公開から半年以上経った今でも人気のコンテンツだだ。

 そしてまたひとつ、オススメのジェットコースターが登場した。今回紹介する「Boursin Sensorium」は、冷蔵庫にある野菜や果物の中を駆け抜けるというコンセプトの一風変わったジェットコースターだ。Unreal Engine 4を使って美しく描かれた冷蔵庫の中を疾走する内容となっている。

 他のジェットコースターと違って少しファンタジックにアレンジされて仕上がっているので、ポイントを紹介していこう。

テープのように伸びていくコース

 最初、スタート地点ではレールが見えない。後ろを振り向いていると黄色いテープのようなコースが伸びていくのがわかる。この黄色いコースは絶妙な速度で伸びていくため、冷蔵庫の中をコースターのようなレールの張り巡らされた場所に見せないことに成功している。その結果、現実の冷蔵庫の中を飛び回っているような感覚になるのだ。

スタート当初の光景。レールが見えない。見えるのは野菜ばかり
徐々にコースが伸びていく
中は冷蔵庫そのもの

冷蔵庫の中にある物のリアルさ

 冷蔵庫の中を駆け抜けるという設定は自分が小人になったようで、まるで映画の中にいるかのような体験だ。自分の背よりも大きい果物や、輪切りになった玉ねぎのトンネルなど、リアルなグラフィックだが、コミカルな冷蔵庫の中のワンダーランドが待ち受けている。

ニンニクのアーチををくぐる
そびえる野菜たち
たまねぎは綺麗に輪切りになっている
あばたのようなレモンの表面もここまで大きいと怖い

 そのスケールに驚くとともに、おとぎ話の世界にいるかような、だんだんと楽しくなってくる面白さがある。

体験を通しての企業の広告

 なお、このコースター、終了すると出てくるのは、チーズのブランド“ブルサン”のパッケージ。そう、このコンテンツは製品の広告なのだ。

最後に登場するのはチーズのパッケージ

 確かにスタート地点やコースターの途中で冷蔵庫の内容物としてこのブルサンが置かれている。非常に露骨な宣伝なのだが、舞台設定に見事に溶け込んでいるとも言える。

途中、堂々とコース横に存在感を放っているブルサンの箱

 同じような企業のPRのためのVRコンテンツとしては、7月末に下着メーカーのトリンプがジェットコースターのVRコンテンツを制作し、新製品のPRイベントで展示していた。(PC Watchによるレポート記事)今回紹介した「Boursin Sensorium」はイベントという限定がなく、家で体験できるため、ある種テレビCM的なVRコンテンツとも言えるのかもしれない。ジェットコースターとしてはややスピード感がないが、冷蔵庫の中の風景をゆっくりと眺めることができるので総合的な満足度は非常に高い。ぜひ試してみてはいかがだろうか。

ソフトウェア情報

「Boursin Sensorium Virtual Reality Experience」
【著作権者】
Bel UK Ltd
【対応OS】
Windows 7/8
【対応ハードウェア】
Oculus Rift DK1/DK2
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
0.1

評価PCスペック(参考)

マウスコンピューター G-Tune NEXTGEAR-MICRO im550PA6-SP2
【CPU】
インテル Core i7-4790K(4コア/4.00GHz/TB時最大4.40GHz/8MB スマートキャッシュ/HT対応)
【メモリ】
16GB PC3-12800 (8GB×2/デュアルチャネル)
【グラフィックボード】
AMD Radeon R9 Fury X(4GB)
【fps】
最高画質で75fps
【ヘッドホン】
Creative Sound Blaster EVO Zx

(もぐらゲームス:すんくぼ)