週末ゲーム

第657回

“HSPプログラムコンテスト2016”お勧め作品ピックアップ

円形移動シューティングの続編や連鎖パズルなどアイデアあふれる5作品を紹介

“HSPプログラムコンテスト2016”公式サイト

 『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームの中から、編集部がピックアップした作品を毎週紹介していく。今回は、フリーのプログラミング言語「Hot Soup Processor」(以下、「HSP」)で作成されたプログラムのコンテスト“HSPプログラムコンテスト2016”の参加作品から、窓の杜編集部がピックアップした5作品をご紹介する。

 今回も多数の作品が応募され、その中から103作品が一次審査を通過している。現在も審査が続けられており、最終選考結果は12月1日に発表される予定。

正方形フィールドも取り入れて進化したシューティング「オオツルギ 2」

「オオツルギ 2」

 「オオツルギ 2」は、ステージクリア型のシューティングゲーム。昨年開催された“HSPプログラムコンテスト2015”に出展された「オオツルギ」の続編となる。

 「オオツルギ」は円形のフィールドを回転するように移動し、四方八方から襲い掛かる敵を倒していくという独特な操作感のシューティングゲームだった。本作も円形フィールドは健在ながら、正方形のフィールドに切り替えができるようになった。

 正方形のフィールドに切り替えた場合は、一般的なシューティングゲームのように、上下左右に移動するようになる。ただし敵は変わらず四方八方から現れるため、後方から来る敵の対処が難しい。

 正方形フィールドの時の向きは、円形フィールドからの切り替え時の機体の向きに合わせられる。方向を変えたい時はいったん円形フィールドに戻し、角度を変えてから正方形フィールドにすればいい。敵の出現する方向は事前にその方向が光って知らせてくれるので、フィールドを切り替えながら適切な攻撃が仕掛けられる角度を探っていく。

 攻撃ボタンは2種類。1つ目のボタンは押したままにすると遠距離攻撃のショットを連射し、ボタンを連打すると近距離攻撃の剣を振る。もう1つのボタンも連打で剣を振るがモーションが異なる。またボタンを押したままにすると溜め状態になり、離すと一定時間無敵となる強力な剣での攻撃を仕掛ける。

 特定の敵を倒した時に出現するアイテムを獲得すると、自機タイプが変化し、武装と移動速度が変わる。アイテムの色は一定時間待つことで4色に切り替わり、取った時の色に応じて自機タイプが変化。一部の自機タイプでは、溜め攻撃で突進してから機体が反転する動きがあり、それに合わせて正方形フィールド時のフィールドの向きも反転するという特性がある。

 敵のタイプに応じて、自機の武装やフィールドのタイプ、向きを変えて戦うことができるようになったことで、円形フィールドの独特な操作感だけでなく、幅広い戦略性が生まれている。また溜め攻撃には無敵時間があり、かつ大ダメージを与えられる威力があるので、爽快感も高い。前作とは似ているようで、プレイ感は大幅に進化している。

円形のフィールドで、ショットと剣を使い分けて戦う
正方形のフィールドに変更すると、移動の動きががらりと変わる
剣の溜め攻撃は威力が高く、無敵時間もあるため爽快だ
「オオツルギ 2」
【著作権者】
Makoto 氏
【対応OS】
Windows XP以降
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.02(16/11/20)

ワープガンで自機と敵の位置を入れ替える思考型シューティング「Yokoi-san Warp (よこいさん ワープする)」

「Yokoi-san Warp (よこいさん ワープする)」

 「Yokoi-san Warp (よこいさん ワープする)」は、ワープガンという武器を使って戦うシューティングゲーム。自機が放つワープガンが敵や敵が放ったミサイルに命中すると、命中した位置に自機がワープ。敵やミサイルは自機が居た位置にワープする。つまり自機と敵、ミサイルの位置を入れ替えるというものだ。

 ワープガンは敵に当ててもダメージにはならず、ただ自機と位置が入れ替わるのみ。敵を倒すには、敵が放った弾やミサイルを自機へと誘導し、そこにワープガンで敵を呼び寄せて自爆させる、というアプローチが必要になる。

 ゲームはステージクリア型となっており、各ステージには敵が1人だけ現れる。ワープガンで敵を2回自滅させればステージクリアとなる。5ステージで1エリア構成となっており、各エリアの最後にはボスも登場。プレイヤーキャラクターとの掛け合いのシーンも見られる。

 序盤は敵が動かないでただ弾を撃ってくるだけだったりして、ワープガンで位置を入れ替えれば容易に倒せる。ただステージが進んでいくと、弾を跳ね返すシールドを装備していたり、弾を連射してきたり、誘導するミサイルを使ってきたりと、難度が高くなっていく。

 自機の操作は上下左右の移動とワープガンだけというシンプルな内容ながら、敵をうまく自爆させるアイデアと、絶妙のタイミングを狙う操作の両方が必要になる。またゲームボーイをイメージしたレトロなモノクログラフィックスも魅力的な作品だ。

自分がいくら撃っても敵は倒せない。ワープガンで敵を敵弾に誘い込むアイデアが求められる
「Yokoi-san Warp (よこいさん ワープする)」
【著作権者】
Go To Seven
【対応OS】
Windows XP/7/8/10
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
0.3H(16/10/31)

1ステージ5秒以内にクリアする高速アクション「スフィア4」

「スフィア4」

 「スフィア4」は、ステージ上のコインを集めてゴールを目指すアクションゲーム。各ステージのフィールドは1画面で表示され、フィールド内にあるコインをすべて集めてから、ゴール地点に到達すればステージクリア。コインが残ったままゴールに到達した場合は攻略失敗となる。

 プレイヤーキャラクターは左右の移動とジャンプのみが可能で、フィールドには触れたらミスになるトゲや、落下するとミスになる穴などがある。

 本作のポイントは、各ステージの制限時間が5秒しかないという点。プレイヤーキャラクターの動きはとても速く、精密な動きは難しい。またジャンプボタンを押したままにしていると連続でジャンプするのだが、ジャンプしてから着地するまでの時間もかなり短いため、押したらすぐ離す癖をつけないとジャンプが暴発してミスになりやすい。

 クリアしようがしまいが最大5秒しかプレイ時間はないし、コンティニュー回数も無制限なので、リトライが苦にならない。またステージは64個あるが最初から自由に選んでプレイできるので、難しいなと思ったステージは飛ばして先に進むこともできる。シビアな操作が求められるが、ミスを気にせず何度もプレイできる気楽さが本作のいいところだ。

一見簡単そうに見えるステージでも、5秒以内に的確な操作が求められると結構難しい
「スフィア4」
【著作権者】
BENIKAGE220 氏
【対応OS】
Windows XP以降
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.10(16/09/11)

アメ玉の色を合わせて消すパズルゲーム「あめとのさま」

「あめとのさま」

 「あめとのさま」は、アメ玉と外枠の色を合わせて消していくパズルゲーム。フィールドには5色の外枠とアメ玉が敷き詰められており、その中から2つの場所をクリックすることで、選んだ場所の外枠が交換される。それによって外枠とアメ玉の色が同じになると、そのアメ玉が消える。

 アメ玉が消えた後には、上にあるアメ玉が落下してくる。外枠とアメ玉の色の組み合わせがズレることで同色の組み合わせができると、ここでもアメ玉が消失。これを繰り返すことで、複数のアメ玉を一度に消すという連鎖が発生する。またアメ玉は消えるたびに上から無制限に補充される。

 連鎖が終了した時に連鎖数が一定数を超えていると、入れ替えた外枠の場所にある周辺のアメ玉が消滅する。連鎖数が5、10、15と増えるごとに消滅範囲が広がり、上から落ちてくるアメ玉も増えるので、さらに大きな連鎖を狙える。

 入れ替えた外枠とアメ玉の色を考えて、2箇所同時にアメ玉を消すことができれば、連鎖数も稼ぎやすくなり、得点が伸びやすくなる。またなるべくフィールドの下の方でアメ玉を消失させるほうが連鎖に繋がりやすい。

 初手での2個同時消しを狙うとともに、落下してくるアメ玉と外枠の色が合うように事前に調整するなどして、連鎖をどこまで伸ばせるかがポイント。ただ5色のアメ玉と外枠の組み合わせは全部で25通りあり(うち5通りは色が揃えば消えるので、実質的には20通り)、2個同時消しできる組み合わせを探すのは意外と難しい。それでもうまく消せれば大連鎖も起こりやすく、パズルゲームにしては爽快感もある作品となっている。

 ゲームモードは3分タイムアタック、300玉を消すまでのスコアアタック、制限時間1分だがアメ玉を消すと時間が延長されるスコアアタックの3つが用意されている。いずれも終了後、とのさまが得点に応じて脱力系のコメントを残してくれるのも見所。

うまい組み合わせを見つけるのが意外と難しい。焦らず連鎖できる場所を狙いたい
「あめとのさま」
【著作権者】
Taddi 氏
【対応OS】
Windows 7
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
0.8(16/10/31)

決断力とすばやさを求められるアクションパズル「One」

「One」

 「One」は、画面上に浮かんでいる青い泡をクリックして壊しつつ、赤い泡は壊さず最後まで残すというアクションパズルゲーム。青い泡をクリックすると、8方向に丸い衝撃波のようなものが飛び、それに触れた泡も消滅する(この際には衝撃波は出ない)。

 最初は無数の青い泡があるので、適当にクリックしていても一気に泡が減っていく。しかし調子に乗って割っていくと、途中で思わぬ方向に衝撃波が残り、赤い泡を割ってしまうことがある。泡は画面端で跳ねるように動くので、衝撃波を計算に入れてタイミングよく泡を割っていく。

 赤い泡だけを残すことができれば、画面内に再び青い泡が補充される。また赤い泡も補充されて複数になるが、その時は最終的にいずれか1つ、赤い泡が残っていればいい。すべての赤い泡を割ってしまうとゲームオーバー。また制限時間があり、0になると同じくゲームオーバー。

 制限時間は泡を割ると少し増加するので、すばやくも正確な操作が求められる。しかし迂闊な操作をすると赤い泡は簡単に割れてしまう。シンプルながら爽快で、かつ慎重さも求められるという、見た目以上の奥深さが感じられる作品だ。

赤い泡を割らないで、青い泡をすべて割る。雑に割るとすぐゲームオーバーになるので意外とシビア
「One」
【著作権者】
roco7 氏
【対応OS】
Windows
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.0(16/08/15)