週末ゲーム

パーティを組んで戦うダンジョン自動生成型RPG「Under World」

攻略法なし!地下50階のダンジョンをねじ伏せろ

(10/10/08)

タイトル画面

 『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、選び抜いた良作を毎週紹介していく。今回は、自動生成されるダンジョンを探索し、一発勝負でクリアを目指すシビアなRPG「Under World」を紹介しよう。

6人パーティで自動生成ダンジョンを制覇していく探索型RPG

32種類の個性的な職業。使い方をあれこれ考えるのも楽しみの1つだ32種類の個性的な職業。使い方をあれこれ考えるのも楽しみの1つだ

 「Under World」は、最大6人のパーティを組んで地下50階のダンジョンを制覇していくダンジョン探索型RPG。グラフィックは極限まで記号化された非常にシンプルなものとなっており、マップは見下ろし型で移動するパーティの周辺しか見えない仕様だ。セーブはゲーム中断時のみ可能であるため一度プレイを開始したらやり直しできない点と、ダンジョンが自動生成でプレイするたびに間取りが変わることが大きな特徴となっている。自由度が高い反面、プレイは運に左右される部分が大きい。

 主な操作はカーソルキーで移動、[Z]キーで決定、[X]キーでメニューの表示とキャンセルとなっている。また、[C]キーでフィールド移動時のトラップ探知、およびアイテム選択時のアイテム整頓が可能。

 プレイは冒険者の“新規登録”から始める仕組みで、名前、性別、種族、職業を決定すれば登録が完了する。種族は人間、エルフ、ドワーフといったRPGではお馴染みのものから、人魚族のマーマリアン、鬼のようなグレンデルといったものまで11種類あり、それぞれステータスと得意・苦手属性が異なる。職業は、最初から32種類も選択可能。武器を持って戦うウォーリア、防御的スキルをもつパラディン、魔法を使えるソーサラー、戦闘以外で役立つスキルをもつローグなど、これまたRPGでおなじみの職業から、変身能力を使って戦うシェイプシフター、植物と蟲を召喚して操るネイタルリンクなど、あまりお目にかかれない個性的な職業まで多彩な選択肢がある。

 いきなり自由度が高すぎて、何をやっていいかわからなくなりそうになるが、まずはウォーリア、パラディン、ダークナイト、プリースト、ソーサラー、ローグといったRPGらしい6人パーティを組んで始めてみるといい。

スキルを習得してキャラクターを強化しよう

プレイを開始したらまず松明を装備。後衛に持たせるのがいいプレイを開始したらまず松明を装備。後衛に持たせるのがいい

スキルの習得も忘れずに。魔法系の職業ではとくに重要だスキルの習得も忘れずに。魔法系の職業ではとくに重要だ

 冒険者を揃えてダンジョンに潜ったら、まずは最初から持っているアイテムの“松明”をパーティの誰かに装備させよう。ダンジョンでは松明がないと周囲の視界が狭いだけでなく、1歩ごとにLIFE(生命力)が減っていくので松明は命の次に大事なものだと覚えておきたい。松明は1歩動くたびに明かりのもち時間を示す数値が減っていき、0になると消えてしまうので、その前にダンジョン内で別の松明を入手する必要がある。松明は宝箱や行き倒れの冒険者の死体から入手可能だが、発見できなければ死あるのみ。運が大きくプレイを左右することになる。

 また、各冒険者は探索開始時に3ポイントの“スキルポイント”をもっている。これはLIFEやSTR(腕力)などのステータスに振り分けて能力アップしてもいいし、各職業ごとに設定されている“スキル”の習得に使ってもいい。基本的には“スキル”の習得に使うのがお勧めで、攻撃技や魔法、特殊能力などが利用可能となる。ウォーリアであれば強力な物理攻撃の“バッシュ”、プリーストならLIFE回復魔法の“ヒール”、ソーサラーなら攻撃魔法の“ファイアボルト”といった基本的なスキルを探索開始前に習得しておきたい。スキルの使用には“MANA”を消費するが、MANAは歩いていると自然回復するのである程度は多用して構わない。上手にバランスよく使っていこう。

 ダンジョン内を歩いているとランダムに敵とエンカウントして戦闘が発生する。戦闘はターン制のコマンドバトルで、敵味方ともに前列、後列の概念がある。剣や斧、素手などの物理攻撃は前列からしか攻撃できず、弓、銃、槍、魔法などは後列からも攻撃可能。また、前列・後列ともに一部の強力なスキル以外は相手の前列しか攻撃できない。そのため後列はダメージを受けにくいので、打たれ弱い職業を配置するといい。敵を倒すと経験値が入手でき、冒険者はレベルアップする。レベル1につきスキルポイントを1ポイント獲得できるので、スキルを充実させていくといい。

 戦闘からは“逃げる”コマンドで逃げることができ、これは一部の逃げられない戦闘以外は100%成功するが、代償としてランダムでアイテムを失ってしまう。松明を失う場合もあるので、よほどの状況でない限り逃げないようにしよう。基本的には逃げずに敵を倒していく力がなければ、先へ進んでも手詰まりになる。松明の使用時間が限られているため限界はあるものの、しっかりレベルを上げながら進んでいくことが大切だ。

戦闘には前列と後列の概念がある。後列は防具がなくても比較的安全だ戦闘には前列と後列の概念がある。後列は防具がなくても比較的安全だ

松明はいつか切れる。替わりの松明を入手しておかねば探索は続けられない松明はいつか切れる。替わりの松明を入手しておかねば探索は続けられない

難易度が高く探索は常にスリリング。自由度の高いプレイを楽しもう

商人は滅多にいないので、あまりお金にこだわる必要はない商人は滅多にいないので、あまりお金にこだわる必要はない

ローグのスキル“トレジャーセンス”で宝箱の位置がわかる。便利なスキルだローグのスキル“トレジャーセンス”で宝箱の位置がわかる。便利なスキルだ

 ダンジョン内には、宝箱、いいアイテムが入っている鍵のかかった赤い宝箱、下へ降りる階段、トラップ、アイテム売買ができる商人、冒険者の死体などがある。商人はそう頻繁には出てこないので、冒険者の装備品は宝箱から入手するのが基本だ。武器、防具ともに豊富な種類があり、職業によって装備できるものが違うが、宝箱の中身は完全にランダムなので欲しい装備品が出るとは限らない。さらに装備品には耐久力があり、使っていると消耗してなくなってしまうので、あまり固執せずいいものが出たらラッキー、と考えるぐらいでいい。

 どうしても装備品をある程度狙って入手したい場合は、職業“ブラックスミス”をパーティに入れて装備品を作らせるといい。“刀”がないと役に立たない“サムライ”を使う場合などに有効だ。また、ローグは赤い宝箱を鍵なしで開けるスキルや、トラップ破壊スキル、松明の代わりになる“マジックライト”というスキルも覚えることができ、さまざまな面で役に立つ。慣れるまでは必ずパーティに入れておくといい。

 ダンジョン内には通常の階段のほかに、特定階層に出現する緑や青などの色つきの階段もある。これらは特殊フロアに入るルートで、特殊フロアには中ボス格の敵がおり、倒すと“ボスアイテム”を入手できる。ボスアイテムは一度入手したら、次回以降のプレイの開始時に1つだけ持っていける特殊なアイテム。使うと薬草を生成できる“世界樹”や、無制限に使える松明“無限灯”など便利なものばかりなので、まずはこれらを入手して探索を楽にしてからクリアを目指すのが得策だ。

アルケミストはMANAさえあれば宝珠を作れる。レベル1でも役立つ職業だアルケミストはMANAさえあれば宝珠を作れる。レベル1でも役立つ職業だ

 とはいえ、本作は難易度が高いので、先に紹介したスタンダードなパーティ構成でも安定して先に進める保証はまったくない。そこで筆者が探索を安定させるためにオススメしたい職業が“アルケミスト”(錬金術師)だ。この職業はスキル“クリエイトオーブ”でアイテムの“宝珠”を作ることができる。

 宝珠は“炎上珠”“凍結珠”など必中全体攻撃や、パーティ全体のLIFEを回復させる“癒し珠”など効果が高く、さらに1~5回の複数回使用可能。魔法と違い、パーティの誰でも使える上に、使用回数が減った宝珠はスキル“オーブチャージ”で使用回数を回復することもできる。これによりパーティ全員で回復と全体攻撃が可能となるので、探索が大幅に安定する。本作では死者が出た場合に蘇生する手段が少ないので、回復担当が死ぬとパーティが崩壊するケースが多いが、アルケミストがいればある程度粘ることも可能。プレイしてみたがなかなか進めない、という人はアルケミストを使ってみてほしい。

 自由度が高すぎるほどに高く、毎回どんなプレイになるか想像もつかないほどスリリングな本作。RPG初心者には向いていないかもしれないが、多少の刺激では飽き足らないプレイヤーには大変面白い一作となるだろう。32種類の職業をどう組み合わせて戦うか?それだけでもプレイに無限のバリエーションが生まれる。市販のゲームではなかなかここまでの自由度は実現できないものだ。上で紹介したアルケミストのように有能な職業とそうでもない職業の格差はかなりあるが、それも楽しさの1つとして遊びたいものだ。最初の30分ぐらいはかなり辛いものの、手探りで少しずつ先へ進むコツを掴んでいくとどんどん楽しさが増していく。知性派にお勧めしたい良作である。

【著作権者】
ロンパ 氏
【対応OS】
(編集部にてWindows XPで動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.3
【ファイルサイズ】
978KB

(藤井 宏幸)