【第454回】
本格派ダンジョンRPG「Arcanum Knights」体験版
200種類以上のスキルで自由度抜群! 6人パーティでひたすらダンジョンに挑め
(11/07/08)
『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、選び抜いた良作を毎週紹介していく。今回は、キャラクター育成とダンジョン探索を楽しむことに特化したRPG「Arcanum Knights」の体験版を紹介しよう。
キャラクターやスキルのカスタマイズ性が高いダンジョンRPG
「Arcanum Knights」は、最大6人のパーティを組んで霊的な空間“アストラル”を探索しながら、魔物と戦っていくダンジョンRPG。ダンジョンは2D見下ろし表示のフィールド探索型だ。現在体験版が公開されており、序盤の3エリア、およそ10時間ほどで到達できる範囲を遊ぶことが可能。さらにやり込み要素が多いため、より長く楽しめる。また、体験版のセーブデータは現在開発中の完成版に引き継ぐことが可能となる予定だ。
ゲームは、チュートリアルを兼ねた戦闘を経て、主人公が“アストラル界”へ行くことを許可されるところから始まる。その後、拠点となる“古都アルカナム”でパーティメンバーを集め、装備やスキルを整えて探索を開始することになる。
最初は酒場にて“新規キャラ作成”を行い、パーティを編成しよう。キャラクター作成時の種族は、プレイ開始直後は人間、獣人、翼人、エルフ、妖精、ドライアドの6種類から選択可能で、さらに性別、12種類から選択する性格、外見、名前を決めて作成が完了となる。初期ステータスにランダム要素はないが、種族ごとの特性が大きく異なり、性別と性格でさらにステータスや成長パターンがカスタマイズできるので、バリエーションは豊富。物理攻撃タイプ、防御タイプ、魔法タイプなど特化した能力にするも、バランスタイプとするも自由自在だ。
なお、主人公は人間種族の固定キャラクターで、初期能力値が高くなっている。また主人公はパーティから外すことができないので、主力としてしっかり育てていこう。
本作の特徴を担うのは“スキル”システムだ。スキルとは、古都アルカナムにある“中央神殿”で各キャラクターが習得できる技能のことで、習得には戦闘によって経験値とは別に獲得していく“スキルポイント”を使う。スキルには自動で効果を発揮する“パッシブスキル”と、戦闘などでコマンド選択して使う“アクティブスキル”の2種類があり、各キャラクターはパッシブ・アクティブを各8個ずつ、計16個までのスキルをセットすることができる。
パッシブスキルには“剣術の心得”“魔術の心得”といった攻撃の効果をアップさせ、さらに特定のアクティブスキルを習得するための必要条件となっているものや、“STRブースト”といったステータスを直接アップさせるものなどがある。アクティブスキルは強力な攻撃や範囲攻撃、攻撃魔法、回復魔法などが存在し、アクティブスキルの構成がキャラクターの戦闘力を大きく左右すると言っても過言ではない。パッシブスキルとアクティブスキルはそれぞれ100種類以上用意されており、組み合わせはほぼ無数にある。スキルは使用する武器の種類や魔法の属性などで系統が分かれているので、強さを求めるならば、ある程度武器や魔法の系統を絞り込むといい。
なお、スキル習得をやり直したい場合は、中央神殿でこれまで習得したスキルをリセットし、消費したスキルポイントを回収できる。試行錯誤してみるもよし、攻略中のダンジョンやボスモンスターを倒しやすいスキル構成に変更しながらプレイしてみるもよし。自由にアレンジしてみよう。
素材を集めて武器・防具を生成。使い込むことで成長する“エンチャント”装備も
パーティの編成は、前列3人、後列3人という配置を考えつつ行う。武器および魔法には有効距離の概念があり、剣や鎚などの武器は前列でなければダメージが激減する。また前列はダメージを受けやすく、後列は比較的安全。このことを考慮に入れて、前列には打たれ強いキャラを配置するといい。このとき、ステータスのうち腕力を表す“STR”値が重要な意味をもつ。装備品には重量の概念があり、キャラクターが装備できる最大重量はSTR値に依存する。物理戦闘要員はSTRが高い場合が多く、防具もいいものが装備可能だが、魔法要員はSTRが低く、装備品も弱くなりがち。とくにSTRの育ちがよくない“妖精”族は、レベルアップ時に自由に振り分けられるステータスボーナスをSTRに振るなどして、それなりにSTRを上げていく必要があるだろう。
装備品や回復アイテムなどを販売する“ボッタクール商店”は品揃えが良くないので、基本的にはダンジョン内で入手した素材アイテムを鍛冶屋に持っていき、武器や防具を作ってもらうことで増強していくことになる。素材アイテムはダンジョン内で拾ったり、倒した敵から入手することができ、装備の作成は無料。いい装備をどんどん作っていこう。
また、ダンジョンで獲得したり、商店でときおり掘り出し物として売られている装備品にはステータス上昇などの効果がある“エンチャント”が付与されているものがあり、効果は鍛冶屋で行える“エンチャント継承”で同系統の別の装備に移動させることも可能。エンチャントは戦闘で使い込むことでレベルが上がっていき効果が高くなることがあるので、有益なエンチャントが施された装備品を使い続けて育てていくと将来的に役立つ。
探索は快適だが戦闘は手強い。アクティブスキルを駆使して戦おう
探索の舞台となるダンジョンは草原や洞穴、森林などをテーマとした“エリア”に区分されており、フィールド上を移動すると画面右上のミニマップが自動で描かれていく親切設計。戦闘はフィールド上を動く敵シンボルとの接触で発生し、戦闘後は逃走した場合も含め、敵シンボルがいったんフィールドから消えるようになっているため探索は快適だ。ただしセーブは古都アルカナムの宿屋でしかできず、戦闘で全滅した場合はセーブした時点からのやり直しとなるので注意。ある程度余裕をもって古都アルカナムに戻ることを心がけよう。
フィールド上にはアイテムが入手できる“光のサークル”、次のエリアに移動する“赤いマーク”、古都アルカナムとの往来が可能となる“ゲート”、発見すると該当エリア内のどこからでも古都アルカナムに帰還可能となる“封印”があり、さらに特定の封印を解くことで進行可能になるポイントなども存在している。また、各エリアにはボスモンスターがいて、これを倒すことで先へ進めるようになる。フィールドを隅々まで移動し、ミニマップを完成させると古都アルカナムにある訓練所で報酬がもらえるので、これも忘れずにゲットしていきたい。
ボス戦以外の戦闘ではほぼ確実に逃走できるため、戦闘は回避しやすい。また、戦闘終了後には、パーティメンバー全員のHPが全回復する。これにより、敵の強さを見誤らなければそうそう全滅することはない。ただしHPが残り50%未満で戦闘を終えたキャラクターは、被害に応じてLPという数値が減り、LPがゼロになるとHPが回復しなくなる。また、逃走した場合は全員のLPが減少してしまう。LPは宿屋に泊まると回復するので、適度に宿屋に戻って回復する必要がある。
また、戦闘では通常攻撃が非常に弱いのが特徴で、効率よく戦うにはアクティブスキルの使い方が重要となる。アクティブスキルの使用にはMPを消費する上、同じスキルの再使用には一定ターン待たねばならないと、使い方に少々クセがある。MPはパーティの後列にいると一定量自動回復するので、後列は強力なスキルを多用しやすい。前列はMPの自動回復はないが、コマンドの“Rest”を選ぶとHPと一緒に少量回復する。MPは戦闘終了後も回復しないので、戦闘で弱い敵を1体残してRestでMPを回復するなど、枯渇しないよう上手に管理すると探索を安全に継続することができる。ただし、戦闘は短いターンで被ダメージを少なくして勝つと評価が上がり、獲得スキルポイントが増えるので、基本は速攻、たまに回復、という変化のつけ方がいいだろう。
敵は基本的にどのモンスターを手強く、さらに赤い影のついた強力なモンスターが混ざっている場合もある。安易な戦闘をしていると全滅しかねないので、モンスターの弱点や特性を見極めて戦おう。強いモンスターほどいいアイテムを落としてくれるので、アイテムハントがしたい人は敢えてチャレンジしてみるのもいい。
本作は比較的オーソドックスなRPGに見えるが、スキルのシステムや探索の快適さ、装備品のカスタマイズなど、さまざまな部分で完成度の高さを感じさせる。グラフィックにも力が入っているが、パーティキャラクターのグラフィックは自前で用意して登録することもでき、遊べる要素は多い。敵は強いが、しっかりレベルを上げてスキルを揃えれば攻略は難しくない。完全版の頒布について正式にはまだアナウンスされていないが、体験版をプレイして気に入った人は完全版の登場を楽しみにしつつ、作者のWebサイトをチェックしてほしい。
- 【著作権者】
- 偽英国紳士団、3ペソ 氏
- 【対応OS】
- Windows 2000/XP/Vista/7
- 【ソフト種別】
- 体験版
- 【バージョン】
- 0.12(11/06/04)