週末ゲーム

サクサク進めるランダムダンジョン探索RPG「Labyrinth Star」

12種類の職業と“魔珠”でキャラクターをカスタマイズ、迷宮の深部を目指せ!

(12/05/25)

タイトル画面

 『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、編集部がピックアップした作品を毎週紹介していく。今回は、ランダムダンジョンの探索やテンポのよい戦闘を楽しめるRPG「Labyrinth Star」を紹介しよう。

ランダム生成のダンジョンを駆け抜けていく探索RPG

宝箱からアイテムをゲットしつつダンジョンを駆け抜けていく宝箱からアイテムをゲットしつつダンジョンを駆け抜けていく

戦闘画面はサイドビュー。軽快なエフェクトアニメーションが心地いい戦闘画面はサイドビュー。軽快なエフェクトアニメーションが心地いい

 「Labyrinth Star(ラビリンススター)」は、ランダム生成されるダンジョンを探索していくRPG。フィールド画面は2D見下ろし型で、サイドビューの戦闘画面はスーパーファミコン時代のRPGを感じさせるグラフィックだ。プレイヤーは秘宝“黄金の星珠”が眠る島にやってきた冒険者となり、星珠を求めて島の迷宮に挑んでいく。

 本作の特徴は、ダンジョン内の移動や戦闘、メニューの表示速度に至るまで、あらゆる点でプレイの快適さが追求されていること。ランダム生成のダンジョンでは宝箱も入るたびに次々と現れるので、隅々まで探索しなくてもどんどんアイテムが手に入る。また、戦闘時の攻撃・魔法アニメーションはバラエティ豊かだが、サクサク表示され戦闘のテンポを阻害しない。冒険の拠点となる島の各施設へのアクセスも、1画面にすべてがまとまっている。

選べる職業は12種類。得意な武器や魔法、特性などがあり個性豊か

ゲームを開始したらまずは領主に謁見。秘宝を手に入れれば莫大な褒美が貰えるというゲームを開始したらまずは領主に謁見。秘宝を手に入れれば莫大な褒美が貰えるという

職業は全部で12種類職業は全部で12種類

 ゲームを開始したら、まずは主人公となるキャラクターを作成し、島を治める領主と謁見したら次は酒場で仲間を募集(作成)する。主人公と仲間3人で最大4人パーティを組むことが可能だ。仲間とはいつでも別れて、新たに別の仲間を募集することもできる。ただし、一度別れた仲間を再びパーティに加えることはできないので、実質的に最初に組んだパーティが固定メンバーとなるだろう。

 主人公や仲間の作成時は、職業を12種類から選択する。職業によってステータスの初期値や上昇傾向が異なるのはもちろん、得意とする武器の種類と魔法の属性に違いがある。得意とする武器を使うと威力が上がるほか、得意な属性の魔法を使うと威力が上がり、さらに消費MPが下がる仕組みだ。

 職業は、戦士、武道家、魔道士、神官とオーソドックスなものから、すばやさを表す“速力”と魔力のステータスが高く短剣と弓が得意な“踊り子”、戦士型ながら回復魔法の効果に関係する“慈愛”のステータスも高く、光魔法が得意な“パラディン”などさまざまだ。

 さらに職業ごとの特性もあり、たとえば“魔戦士”ならば、攻撃時に一定確率で追加効果が発生する魔法の武器の、追加効果発生率を上げることができる。また、“盗賊”がパーティに居れば、逃走成功率が上がるといった具合だ。

 なお、性別も選べるが、こちらはキャラクターグラフィック以外の違いはないので、好みで選べばよい。

さまざまな効果をもつ“魔珠”を作成、キャラクターにセットして自由にカスタマイズ

 ダンジョンは、入るたびに各フロアが自動的にランダム生成され、宝箱や次のフロアへの階段が配置される。徘徊している敵に触れると戦闘が始まるシンボルエンカウント方式なので、地道に敵を倒してレベルアップしていくもよし、敵を避けまくって宝箱からアイテムやお金を集めまくるのもよしと、進め方は自由だ。ただし、8の倍数のフロアはランダム性のないボスフロアとなっており、待ち構えるボスを倒せる程度に強くなっておかないと先へは進めない。なお、ダンジョンは全フロアに脱出用のワープポイントがあるほか、一定のフロアに達すると、ダンジョンへ入る際にそのフロアから再開できるようになる。

魔珠を利用してキャラクターを自由にカスタマイズ魔珠を利用してキャラクターを自由にカスタマイズ

魔珠は主に店で作成。ゲームの進行により作れる魔珠は増えていく魔珠は主に店で作成。ゲームの進行により作れる魔珠は増えていく

 キャラクターの強化の要となるのは“魔珠”だ。これは、敵モンスターを倒すと入手できる“魔石”を使って拠点にある店で生成できる魔法の珠。魔石には炎・氷・雷・水・風・土・光・闇の属性があり、生成したい魔珠ごとに必要な魔石の属性や数が異なる。

 魔珠の種類は、特定属性の魔法を覚えられるものや、特定のステータスを上げるもの、特定属性の攻撃や状態異常への耐性を与えるもの、そのほか戦闘に有利な特殊効果を与えるものなどさまざま。魔珠は各キャラクターごとに10個まで、装備品のように自由につけたり外したりできる仕組み。この10個という制限のなかでどの魔珠を使うかというやり繰りが、キャラクターカスタマイズの醍醐味となるわけだ。たとえば、多くの属性の魔法を使おうとすると、魔法以外の魔珠をセットできる空きが少なくなるという具合だ。

 店で生成できる魔珠は、ゲームの進行に伴いより強力なものが増え、必要な魔石も多くなっていく。なお、魔石は戦闘以外に宝箱から入手できることもあるほか、魔珠自体が宝箱から入手できることも。魔珠は“分解”することで作成に使用する数の半分にあたる魔石に還元されるので、不要な魔珠は分解して新しい魔珠の作成に役立てよう。

サイドビューでテンポのよい戦闘、属性の把握が勝利のカギ

順番が回ってきたらコマンドを選択。特技・魔法を駆使して戦おう順番が回ってきたらコマンドを選択。特技・魔法を駆使して戦おう

強敵との戦いでは属性の把握が不可欠強敵との戦いでは属性の把握が不可欠

 戦闘画面はサイドビューで、敵・味方のキャラクターで行動順が入り交じり、行動順が回って来たらコマンドを選択するタイプだ。行動順が回ってくる早さは速力に依存するため、速力の高いキャラクターならほかのキャラクターよりも行動する機会が多くなる。行動順は敵・味方合わせて画面右上に一覧表示される。

 主な戦闘コマンドは、通常攻撃や魔法、“TP”を消費する物理系スキルにあたる“特技”、防御、逃走などオーソドックなもの。特徴的なのは、道具はあらかじめキャラクターごとにセットした1種類のみを、1回の戦闘で一度だけ使えるという点だ。回復アイテムの大量投入によるゴリ押しは効かないため、とくに戦闘が長引くボス戦では、どこでアイテムを使うかも戦略のひとつとなる。

 戦闘を有利に進めるポイントは、敵の弱点属性を把握すること。敵によって、特定属性の魔法が効きやすいというのはRPGではよくある要素だが、本作ではこれがとくに顕著で、ほとんどの敵が何らかの弱点属性をもっている。さらに、弱点をついたときに与えるダメージは通常の2倍程度と高く、属性を意識するかどうかで、ザコ戦をサクサク進められるか、そしてボス戦を生き残れるかは大きく左右されるだろう。

 そのほか、戦略として地味に効いてくる要素に“陣形”がある。これは戦闘前にあらかじめ、戦闘画面におけるパーティメンバーの配置をいくつかのプリセットから選ぶもので、位置取りによってキャラクターの狙われやすさが変化する。また、前衛が突出する“ブレイブランス”なら前衛の攻撃力・魔力・速力が大きく上がるなど、陣形によってステータス向上の効果もある。

 さらに、特技や魔法には、効果範囲が“横一列”“縦一列”といったものもあるので、各キャラクターが同じ列に並ぶとまとめて攻撃を受けてしまう。これも陣形選びのポイントだ。これは敵に対しても同じことが言えるので、コマンド選択型の戦闘ながら、画面上の敵配置に応じた戦術を考えると、より有利に戦闘を進めることができる。

 戦闘の勝利後は、経験値やお金、魔石を入手できるほか、装備している武器の種類に応じた特技を“閃く”こともある。キャラクターが得意な武器を装備していると、閃く確率は上がる仕組みだ。

陣形によりキャラクターごとの狙われやすさが変わるほか、ステータスアップの効果も陣形によりキャラクターごとの狙われやすさが変わるほか、ステータスアップの効果も

特技は戦闘後に“閃く”ことで増えていく特技は戦闘後に“閃く”ことで増えていく

戦い、強くなり、そしてまた戦え! 賞金首やハードモードなどのやり込み要素も

お調子者の海賊“スケリオ”。主人公へ一方的なライバル心を燃やしているが……お調子者の海賊“スケリオ”。主人公へ一方的なライバル心を燃やしているが……

賞金首の掲示板にはモンスターの情報も記載されている。よく読んで備えよう賞金首の掲示板にはモンスターの情報も記載されている。よく読んで備えよう

 このように、戦ってキャラクターを強化し、さらにダンジョンを深く潜ってより強い敵と戦っていくというのが本作の流れ。ランダムダンジョンを降りている間はイベントなどは発生せず、ひたすら探索と戦闘を楽しむことができる。ストーリーは、8フロアごとにあるボスフロアで進行する仕組み。ライバルを自称するもどこか抜けている海賊とのやり取りや、冒険者として徐々に認められていく過程、そして明かされる“黄金の星珠”の真実など、コンパクトにまとまりながらも冒険心を盛り上げてくれる。

 ほかにも、倒すと報酬やレアアイテムを貰える賞金首モンスターが居るなど、戦略性のある戦闘を存分に味わえる。選んだ職業によって戦闘スタイルが大きく変わるため、パーティを変えての周回プレイも面白そうだ。さらに、プレイ時間が記録されるためタイムアタックも楽しめるほか、難易度は通常の“ノーマル”に加えてよりシビアな“ハード”、作者もまともにクリアできる保証をしないという“エクストラ”と3種類用意されており、やり込み度は高い。

 とはいえ、2周目以降しか出現しない隠し要素といったものは一切ないので、ただ一度の冒険を大事に楽しむのももちろんアリだ。想定プレイ時間は10~15時間程度となっており、RPGとしては中編といったところ。RPGの戦闘や成長といった要素が好きなら、やり込み派でもそうでなくても、どなたにもオススメの一作だ。

【著作権者】
砂川 赳 氏
【対応OS】
Windows 98/Me/2000/XP/Vista/7
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.031(12/05/15)

(中村 友次郎)