週末ゲーム

第517回

RPG風シューティングゲーム「NONA MAGIC」

RPGのように進行しつつバトルは弾幕シューティングの異色ゲーム

 『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、編集部がピックアップした作品を毎週紹介していく。今回は、RPG風に進行する縦スクロールシューティングゲーム「NONA MAGIC」を紹介しよう。

ストーリー進行はRPG、戦闘はシューティングに変化

ストーリー進行はRPG、戦闘はシューティングという異色の組み合わせ
黄色い旗の場所ではイベントが発生、赤い旗ではシューティングとなる

 「NONA MAGIC」は、ストーリー進行はフィールド移動型のRPG風で、戦闘は2Dの縦スクロールシューティングになるという異色のゲーム。舞台となるのはシュロという王国で、ある日、ドリ魔法学校に住む主人公の少年“トウカ”の元に幼なじみの王女“リティ”が訪れる。トウカとリティは、行方不明となった“魔道将”の“ジーク”やトウカの友達である女の子“シルル”らを探す旅へと出るが、やがて王国を巻き込む大きな事件へと発展していく……というのが主なストーリーだ。

 ストーリーの進行はギャグを織り交ぜつつのコミカルな内容だが、シューティングゲーム部分は非常に硬派。難易度の高い弾幕系となっている。とはいえ、クリアが難しい場合の救済措置もあり、弾幕系が苦手な人でもクリアまでたどり着きやすい。ストーリーに浸るもよし、シューティング部分のスコアを追求するもよしと、いろいろな楽しみ方ができる1本だ。

 ゲームの進行は、2D見下ろし型のフィールドを歩いてゆき、戦闘の印となる赤い旗からシューティングステージを開始。黄色い旗ではイベントの発生となっている。シューティングとイベントをこなさないと先に進めない作りなので、ストーリー進行で迷うことはほとんどない。

 操作はゲームパッドやキーボードに対応しており、シューティングパートにおけるキーボードでの操作は、カーソルキーで自機の移動、[Z]キーでショットの発射、[X]キーでボムの発動、[C]キーでキャラクターチェンジ、左の[Ctrl]キーで敵弾を避けやすい低速移動となる。なお、ショットは押しっぱなしで連射が可能だ。

 シューティングパートで独特なのは、キャラクターチェンジだろう。最大3人の仲間を戦闘に参加させられるが、キャラクターごとにショットとボムには特性がある。たとえば主人公のトウカは、ショットが威力は高いものの前方一直線のみ、ボムが画面全体に下から上へと攻撃を放つというもの。一方、リティは直線のショットに加え、威力は弱いが敵を自動追尾するショットも出すためザコ敵を倒しやすい。ボムは画面中央から画面全体へ氷を飛ばすというものだ。

 敵や敵弾に触れるとミスとなり、“Shield”が1つ減る。Shieldがゼロの状態でミスをすると“Life”が減る仕組み。LifeとShieldは全キャラクター共通となっており、両方がゼロの状態でミスをするとゲームオーバー。最後にセーブした地点から問答無用でやり直しとなるため、こまめにセーブしないと痛い目を見ることになる。

 ちなみに、2回ゲームオーバーになると、そのステージでのLifeが1つ増える救済措置が行われる。さらに、6回目以降は1回のゲームオーバーごとにLifeが1つ増加と、弾幕系が苦手な人でも先に進める作りになっているのが親切だ。また、一度クリアしたステージを再プレイすることもでき、ステージごとにハイスコアが記録される。

シューティングパートではメーター式のボムがユニーク

 ストーリーはシリアスな部分もあるが、会話はボケにボケを重ねるなどコント風で面白い。ところどころでタイミングよく挿入される1枚絵もポイントだ。ただし、画面やゲームシステムに触れるなどメタ的なセリフが多いのは好みが分かれるかもしれない。

ボケとツッコミのために一枚絵をわざわざ入れるほどネタにも力が入っている
多少メタ的な会話もあるが、それも会話シーンのお楽しみ

 そして、シューティングパートでは攻略しがいのある要素が詰まっている。まず、ステージをクリアする上で重要な戦略となるのがボムの使い方だ。LifeとShieldはキャラクターで共通だが、ボムだけはキャラクターごとに持っている。ボムは画面全体に攻撃できる上、キャラクター周囲に発生するゲージがゼロになるまで無敵。ボスなど敵弾がとてつもなく多い相手への切り札となる。

 ボムを使用すると画面が一時的に停止し、長さが変化する上下2つのメーターが現れる。メーターの長さは、上が威力、下が無敵時間となっており、それぞれのメーターはショットボタンで止められる。なるべくメーターが長いタイミングで止めるほど戦闘が有利になるというワケだ。ボムはなるべく温存して、ボスの攻撃が一番激しいタイミングなど、ここぞというところでキャラクターをチェンジしながら使うのがもっとも有効と言える。

ボムは2本のメーターを長い地点で止めるほど威力と無敵時間がアップする
敵弾を自機の近くでかすらせるほどショットの威力が上がる仕組み
ボス戦では敵弾が画面を埋め尽くす。攻撃パターンを覚えて慎重に避けよう

 次に重要なのが“GRAZE”だ。これは敵弾を自機の近くでかすらせるとショットの威力が数秒間アップするというシステム。GRAZEは敵弾との近さに応じて3段階あり、自機の近くでかすらせるほどショットの威力は大きくなる。ボスは弾を大量に出すだけに、低速移動とかすりを組み合わせて、効率よくダメージを与えていくことがすばやく倒すコツだ。

 ボス戦では制限時間があり、時間オーバーするとLifeやShieldに関係なくゲームオーバーとなる。かすりとボムをうまく使って、とにかく大きなダメージを与えていきたい。ちなみに、ボスは早く倒すほど獲得スコアも大きくなる。

 見た目も会話もコミカルながら、シューティングはかなりガチンコな弾幕系。とくにボス戦は、救済措置のLifeアップがなければ倒すのは難しく、シューティング好きも満足できる難易度と言える。ストーリーが進むと仲間も増え、それぞれショットやボムの特性が異なるため、キャラクターを変えての攻略など、さまざまな楽しみ方が可能だ。かすりの回数やボムのメーターの長さなどスコアがアップする要素も多く、とにかくハイスコアを目指すのも面白い。作者のWebサイトでは、さらに難易度が上がる追加ファイルも用意されているので、興味があるならダウンロードするのもいいだろう。

ソフトウェア情報

「NONA MAGIC」
【著作権者】
ものらす 氏
【対応OS】
Windows 98以降(編集部にてWindows 7/8で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.071

(芹澤 正芳)