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【第512回】
スキャナーとプレス機
(04/04/01)
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左が目盛
右が窓多
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窓の社高校、超パソコン部の部室。
あらあら、目盛ちゃん。今日は機械の前でブツブツ言っています。
一体、何を話しているのでしょう?
謎の備品
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これは一体何に使う道具なのかしら。
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どうしたんですか目盛ちゃん。ブツブツつぶやいているみたいですが。
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あっ、いいところに来たわ窓多。部室に新しい備品が来たのはいいんだけど、これは一体何なの?
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これはスキャナーですね。
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“スキャナー”? 何に使う道具なの?
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まあ、プレス機のようなものですよ。
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プレス機って、あの自動車を挟んでベチャッとつぶすプレス機のこと?
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そうですよ。
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うーん。この小さなボディのどこにそんな怪力があるのかしら。プレス機みたいなものを部室で買って、何に使うつもりなの? スキャナー、……謎の道具ね。
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スキャナーは謎の道具じゃないですよ。それじゃあスキャナーのことを、目盛ちゃんにも分かるように説明しますね。
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スキャナー
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目盛と窓多の4コマまんが 「スキャナーとプレス機」 |
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目盛ちゃんは、毎日紙に印刷された宿題をたくさん受けとっていますよね。
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そうなのよ、毎日あんなにたくさんのプリントの宿題を出されたら、かさばるし場所も取るし困ってしまうわ。卒業する頃には、家がプリントで埋まってしまうかもしれないし。
宿題も、メールで送ってくれれば、場所も取らないでいいのにね。
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実は、パソコンが普及してから、“ペーパーレス”環境と呼ばれる、紙を極力使わない環境に移行しようという流れがあるのです。
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ペーパーレス?
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例えばオフィスでは、紙の書類が山のように積み上げられていますよね。また、壁には書類をとじたファイルがいっぱいあります。
たいていのオフィスでは、紙が多過ぎて膨大な場所を取り、大変な状態になっています。
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それは大変そうね。そういう状態だと、紙の量を少しでも減らしたくなるわね。
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そうです。そんなときに便利なのが、このスキャナーなのです。紙は植物の繊維でできています。この植物の繊維には厚みがあり、1枚1枚ではたいしたことがなくとも、枚数が多くなってくると非常に分厚くなってしまいます。
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まあそうねえ、宿題のプリントも、100枚も積み重ねるとすごい厚さになるものね。
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ここでスキャナーの登場です。スキャナーは、本体と蓋の部分に分かれています。この本体と蓋の間に、書類を挟みます。そしてスキャンボタンを押せば、あっという間に本体と蓋の間に強力な圧力がかかって、紙の厚みが10分の1ぐらいになってしまうのです。
目盛ちゃんも試してみて下さい。
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わっ、本当だ。紙がペラペラになってしまったわ。
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こうして、紙の厚みを薄くすることによって、オフィスのなかで書類が占める体積を減らし、ペーパーレス環境を作ることができるのです。
ですからスキャナーは、書類が多い場所では、非常に便利な道具ですよ。
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へー、世の中、便利な道具があるのねえ。
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厚み
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ねえ、窓多。スキャナーは、紙の厚みを減らしてくれるのよね。
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そうですよ。
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このスキャナーってさあ、人間の厚みも減らしてくれるかしら。ダイエットをするのは面倒だけど、体はスリムにしたいじゃない。人間の体積も減らしてくれるとうれしいんだけど。
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目盛ちゃん。スキャナーは小さいとはいえ、自動車を潰すプレス機と同じ仕組みの機械ですよ。人間も薄くなるかもしれませんが、そのまま押しつぶされて、死んでしまいますよ。
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うーん、それはちょっと困るわね。スキャナーか。思ったほど、便利な道具じゃないのかもしれないわねえ。
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今回出てきた用語の解説
【スキャナー】 本体と蓋の間に紙を挟み、ボタンを押すことによって、紙に強力な圧力をかけて紙の厚みを減らしてしまう装置。高級な機種になると、レーザー光線で紙の不要な繊維を焼き切り、さらに薄くすることも可能。
(クロノス・クラウン:柳井 政和)
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