ニュース

気象庁、浸水害および洪水警報の“危険度分布”の提供を開始

3つの指標を用いて発表対象区域をより詳細に、地図表示で対象区域が一目で把握できる

“大雨警報(浸水害)の危険度分布”
“洪水警報の危険度分布”

 気象庁は4日、“大雨警報(浸水害)の危険度分布”および“洪水警報の危険度分布”の提供を開始した。6日からは大雨・洪水警報および大雨特別警報の改善も実施される。

 “危険度分布”は、災害発生の危険度の高まりを面的に評価・判断し、それを地図へ表示したもの。土壌に蓄積されている雨の量を推定した“土壌雨量指数”、地表面に溜まっている雨の量を表す“表面雨量指数”、上流域から集まった雨が河川を流れ下る量“流域雨量指数”という3つの指標を用い、単に“雨量”を指標とした場合よりも精度の高い評価・判断を行っているという。危険度が著しく高まっている市町村をピンポイントに特定することで、数十年に一度の大雨が予想される場合に発表される“大雨特別警報”の信頼性と警告効果を確保することができる。

 気象庁では、これまでも土砂災害に関する“危険度分布”を提供してきたが、今回、その対象が浸水害や洪水害へも拡大された。警報・注意報が発表された時に、どこで“指数”の予測値が警報・注意報の基準に到達したかを一目で把握することができる。

大雨特別警報の発表対象区域の改善(気象庁のWebサイトより引用)

 なお、大雨・洪水警報および大雨特別警報の改善も4日の実施が予定されていたが、システムの改修を伴うこともあり、梅雨前線および台風による大雨への対応に万全を期すため、6日に延期されていた。次回からは新しい基準で警報が発表される。