レビュー

“BitTorrent”プロトコルを利用して複数端末のフォルダーを自動同期「Resilio Sync」

中央サーバーを必要としないP2P型。ファイルの更新部分のみを同期できるのも特徴

「Resilio Sync」v2.4.2

 「Resilio Sync」は、“BitTorrent”プロトコルを利用して複数の端末間でフォルダーを同期できるソフト。作者のWebサイトから無償でダウンロードできる。

 本ソフトは、かつて「BitTorrent Sync」という名前で公開されていたフォルダー同期ツール。P2P接続でデータを送受信できるのが特徴で、クライアント・サーバー型のような中央サーバーを必要としない。同じネットワークにある端末同士であれば、インターネットがダウンしていても同期することが可能だ。

 また、ファイルの更新部分のみを同期できるのも特徴。ファイルが編集されても全体を転送する必要がなく無駄なトラフィックが発生しない。サイズの大きなファイルを共同編集する際などに効果を発揮するだろう。そのほかにも、有効期限を設けてフォルダーを共有する機能などを備える。

 さらに、プラットフォームのサポートが充実しているのもポイント。デスクトップ向けのクライアントアプリはWindows/Mac/Linux/FreeBSD用が利用可能。モバイル向けのクライアントアプリは、Windows Phone/iOS/Android/Fire OS(Kindle Fire)用が提供されている。

 なお、本稿ではWindows/Windows Phone版を例に使い方を説明する。Windows版クライアントアプリの対応OSはWindows 7以降。Windows Phone版のクライアントアプリはWindows Phone 8/8.1およびWindows 10 Mobileに対応している。

 利用するには、まず共有フォルダーを追加する必要がある。Windows デスクトップ版のクライアントを起動し、画面左上の[フォルダの追加]というプルダウンをクリックしてみよう。「Resilio Sync」では、“標準フォルダ”“詳細設定フォルダ”“暗号化フォルダ”の3つが作成可能。基本となるのは“標準フォルダ”で、これは自分が所有する端末同士でファイルを共有したい場合に向いている。

 共有フォルダーを作成すると、メイン画面のリストに追加される。作成したフォルダーを他の端末とリンクさせ、同期を開始するには、フォルダーを選択すると現れる[共有]ボタンを押す。共有の方法には、リンクを教える方法、キーを教える方法、QRコードを読み取らせる方法の3つが選択可能。セキュリティオプションを指定したい場合はリンクを、モバイルアプリとリンクさせたい場合はQRコードを選択するとよい。

「Resilio Sync」では、“標準フォルダ”“詳細設定フォルダ”“暗号化フォルダ”の3つが作成可能
共有フォルダーを作成すると、メイン画面のリストに追加される
セキュリティオプションを指定したい場合はリンク共有を選択
モバイルアプリとリンクさせたい場合はQRコードを選択するとよい
Windows Phone版「Resilio Sync」
Windows版アプリで作成した共有フォルダーをQRコードの読み取りでWindows Phone版アプリへ追加
Windows版アプリで作成した共有フォルダーがWindows Phone版アプリとリンクされる
Windows Phone版アプリでファイルを追加すると、Windows版アプリへ転送される

 なお、本アプリは基本的に無償で利用できるが、選択型同期などの上位機能を利用するには39.99米ドルの“Pro”ライセンスを購入する必要があるので注意。また、「Resilio Sync」「Resilio Sync Pro」は商用が禁止されている。個人利用の範囲を超える場合は、ビジネス向けの「Resilio Sync for Workgroups」の購入を検討しよう。

ソフトウェア情報

「Resilio Sync」Windows版
【著作権者】
Resilio, Inc.
【対応OS】
Windows 7/8/8.1/10、Windows Home Server 2011、Windows Server 2012
【ソフト種別】
フリーソフト(個人利用に限る)
【バージョン】
2.4.2

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