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20種類のランサムウェアに対応 ~AVAST社が提供する無償のファイル復号ツール群

ランサムウェアの簡単な説明、ファイル拡張子、症状の解説もスクリーンショット付きで

ランサムウェアによって暗号化されてしまったファイルを復号するAVAST社の無償ツール

 「アバスト無料アンチウイルス」などの製品で知られるチェコのセキュリティベンダーAVAST Software s.r.o.は、ランサムウェアによって暗号化されてしまったファイルを復号するためのツール群を提供している。20種類のランサムウェアに対応したツールが公開されており、いずれも同社のWebサイトから無償でダウンロード可能。

 ランサムウェアとは、感染したデバイス上のファイルを暗号化するなどして“人質”にし、復旧と引き替えに“身代金”を要求するタイプのマルウェア。専用ツールの登場により作成のハードルが低くなったほか、少しのコストで大きな効果が見込めることもあり、現在もっとも蔓延しているマルウェアの1つになっている。最近ではイギリスの国民保健サービス(NHS)をはじめとする世界各国の機関・企業を狙った「WannaCrypt」が記憶に新しい。

 AVAST社はこうしたランサムウェアの被害に遭ったファイルを復旧するためのツールを開発し、無償で公開している。ランサムウェアには改造された亜種も多く、かならずしも復旧できるとは限らないが、試してみる価値はあるだろう。

 復旧ツールはランサムウェアごとに提供されている。それぞれのツールにはランサムウェアの簡単な説明が付けられているほか、ファイルの拡張子を変更する場合はその代表的な拡張子が記述されている。また、感染した場合の症状と表示される“脅し文句”がスクリーンショットとともに紹介されているので、自機での症状と近いものを見付け出してダウンロード・実行しよう。

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2015年2月に発見された「TeslaCrypt」。最新版はファイル名の変更は行わず、警告のみを表示する