REVIEW(11/08/10)

直感的・理論的アプローチで脳を鍛えられる計算尺ソフト「SLIDeRULe」

数字を扱う理論的思考、器具を操る直感的センス、その連携能力が問われる

「SLIDeRULe」v1.1.1「SLIDeRULe」v1.1.1

 「SLIDeRULe」は、計算尺をデスクトップ上に再現するソフト。Windowsなどに対応するフリーソフトで、編集部にてWindows XPで動作を確認した。動作にはAdobe AIR 2.0以降が必要。

 “脳トレ”系ゲームや数字パズルがヒットしたり、脳科学がテレビ番組で頻繁に取り上げられるなど、数年前から脳を鍛えることに注目が集まっている。脳は右脳と左脳でその働きが異なり、右脳が視覚や感情などの直感的処理、左脳が言語や計算などの論理的処理を担っていると言われる。

 つまり、右脳に適した鍛え方と、左脳に適した鍛え方が存在すると考えられるが、右脳と左脳はそれぞれ完全に独立しているわけではないので、右脳と左脳の連携を鍛える要素も加われば、それが理想的な“脳トレ”となるに違いない。そこでオススメするソフトが、計算尺を再現する「SLIDeRULe」だ。

 計算尺は掛け算や割り算、三角関数などの計算に特化したアナログの計算器具で、3つの定規が結合した形状をしている。各定規には対数の目盛が刻まれており、手順に従って定規を動かしていくと解が得られる。この計算尺を使いこなすには、数字を扱うための理論的思考だけでなく、器具を操るための直感的センスも問われ、さらにその両方を連携する能力も求められるので、脳を鍛えるにはまさにぴったりというわけだ。

 実際、計算尺の使い方を紹介しているWebサイトを参考にしながら、本ソフトを操作してみると、頭の中がフル回転しているような刺激を覚える。もちろん、計算尺の仕組みを理解しながら、数学の知識を深めたいという人にもオススメだ。

【著作権者】
Tomoyuki Shiba 氏
【対応OS】
(編集部にてWindows XPで動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.1.1

(中井 浩晶)