ニュース

Google、「Gemini Enterprise」を発表

誰もが社内データと「Gemini」、エージェントを使いこなして業務を効率化・自動化できる枠組み

Google、「Gemini Enterprise」を発表

 米Googleは10月9日(現地時間)、「Gemini Enterprise」を発表した。これまでのAIが部門ごとに孤立しており、全社的な統合が難しかったという問題を解決する“職場のAIの新しい入口”と位置付けられている。

 「Gemini Enterprise」は、6つの中核コンポーネントを統合したものだ。

  • 同社が誇る高性能AIモデル「Gemini」。システムの頭脳として、あらゆるタスクに世界最高水準のインテリジェンスを提供
  • ノーコードのワークベンチ。マーケティング部門から経理部門まで、コーディングの知識を持たないメンバーでも情報を分析し、AIエージェントを活用し、組織全体のプロセスを効率化・自動化できる
  • 事前構築済みエージェント群。詳細なリサーチやデータ分析といった専門的な業務に対応したAIエージェントが標準で含まれている。もちろん自社でのカスタマイズやサードパーティーとの連携も可能
  • 企業データへの安全な接続。「Google Workspace」だけではなく、「Microsoft 365」、「Salesforce」などもサポート
  • 集約されたガバナンスフレームワーク:すべてのエージェントを一元的に可視化、保護、監査できるシステム

 具体的な用途としては、ワークフローを自動化して部門横断で業務を効率化したり、データサイエンスエージェント(プレビュー)でデータ取り込み・探索・モデル開発といった処理を自動化したり、40カ国語対応・リアルタイム音声対話が可能なAIエージェントで顧客対応を行ったり、マルチモーダルエージェント(テキスト・画像・動画・音声対応)を「Google Workspace」にコンテンツ管理・コラボレーションに役立てたりといったことが考えられる。

社内の誰もが「Gemini」とAIエージェントを使いこなし、業務を効率化・自動化できる

 また、開発者向けには拡張機能システムを備えたコーディングAIエージェント「Gemini CLI」を提供するとともに、エージェントの協業を実現するプロトコル「Agent2Agent Protocol」(A2A)の標準化に取り組んでいくとのこと。実現すれば専門エージェントを構築し、その提供で収益を得ることができる。

 そのほかにも、従業員向けのAI学習プラットフォーム「Google Skills」や開発者教育プログラム「Gemini Enterprise Agent Ready」(GEAR)などを整備していくとしている。

 なお、「Gemini Enterprise」の価格は1人あたり月額30米ドル。