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「Wireshark 4.6」が正式版に、Win/Mac/Linux対応ネットワークプロトコルアナライザー
散布図グラフを導入、Windows 10とWindows Server 2016のサポートはこれで最後
2025年10月10日 14:09
フリーのパケットキャプチャーツール「Wireshark 4.6.0」が、10月8日(協定世界時)に公開された。2024年8月リリースの「Wireshark 4.4」に続くメジャーアップデートで、「Wireshark 5.1」のリリースまで、少なくとも18カ月間サポートされる。
「Wireshark」は、クロスプラットフォーム対応のネットワークプロトコルアナライザー。ネットワークに流れるさまざまなパケットを採取し、情報をリアルタイムで表示したり、ログファイルを解析・調査できる。
公式バイナリが提供されているのは、Windows(x64/Arm64)、macOS、Ubuntu。現在、公式サイト「wireshark.org」から無償でダウンロードできる。Windows版はWindows 10/Server 2016以降に対応しており、窓の杜ライブラリからもダウンロード可能。
最新の「Wireshark 4.6」では、Windowsインストーラーにパケットキャプチャーライブラリ「Npcap 1.83」を同梱。2013年から更新されておらず、Windows 8までしかサポートしていない「WinPcap」のサポートは終了した。また、macOS版ではIntelバイナリとAppleシリコンバイナリが統合(Universalバイナリ)。UIライブラリ「Qt」は「Qt 6.9.3」にアップグレードされた。
ユーザーインターフェイス関連では、[統計]メニューに追加された[グラフ](Plot)ダイアログの追加が目玉。平均スループットや最大スループットを把握するのに便利なヒストグラムスタイルの[入出力グラフ](I/O Graph)ダイアログとは異なり、[グラフ]ダイアログはデータをドットスタイルの散布図で表現する。そのため、データのパターンなどを把握するのに役立つ。このダイアログは複数のプロット、マーカー、および自動スクロールもサポートする。
そのほかにも、ライブキャプチャーを書き込み中に圧縮する機能やパケットリスト項目をHTMLとしてコピーする機能が追加された。Windows/MacではOS設定とは独立したライト・ダークモードを設定できる。
そのほか、MONGO ディセクタが無限ループに陥る可能性がある脆弱性(CVE番号未割当)も修正された。
なお、「Wireshark 4.6」はWindows 10とWindows Server 2016を正式にサポートする最後のリリースとなる(「Wireshark 4.4」でサポートを終了するはずだったが、延期されたようだ)。「Red Hat Enterprise Linux 8」と「Qt 5」のサポートも、このバージョンが最後となる。
また、マイナーバージョンナンバーが奇数のバージョンを開発版、偶数のバージョンを安定版とする運用も「Wireshark 4.4」で終了するとのこと。
ソフトウェア情報
- 「Wireshark」Windows向け開発版
- 【著作権者】
- Gerald Combs and contributors
- 【対応OS】
- 64bit版のWindows 10/11およびWindows Server 2016/2019/2022
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 4.6.0(24/10/08)