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「Wireshark 4.4」ブランチが正式版に ~フリーの定番パケットキャプチャーツール
グラフダイアログの改善、自動プロファイル切り替え、「Lua 5.3/5.4」対応など
2024年8月30日 11:20
フリーのパケットキャプチャーツール「Wireshark 4.4.0」が、8月28日(協定世界時)に公開された。2023年11月リリースの「Wireshark 4.2」に続くメジャーアップデートだ。「Wireshark 5.1.0」のリリースまで、少なくとも18カ月間サポートされる。
「Wireshark」は、Windows/Mac/Linuxなどをサポートするクロスプラットフォーム対応のネットワークプロトコルアナライザー。ネットワークに流れるさまざまなパケットを採取し、情報をリアルタイムで表示したり、ログファイルを解析・調査できる。現在、公式サイト「wireshark.org」から無償でダウンロード可能で、Windows版は窓の杜ライブラリからもダウンロードできる。
「Wireshark 4.4」では入出力(I/O)グラフ、フローグラフ、TCPストリームグラフといったグラフダイアログで多くの改善が行われたほか、自動プロファイル切り替えがサポートされた。表示フィルターを構成プロファイルに関連付けて、フィルターに一致するキャプチャファイルを開くと、「Wireshark」はそのプロファイルへ自動的に切り替わる。
そのほかにも、以下の変更が加えられている。
- 「Lua 5.3/5.4」のサポートを追加。「Lua 5.1/5.2」対応は削除。WindowsとmacOSのインストーラーには「Lua 5.4.6」が同梱される
- 値文字列の表示フィルター対応が改善
- 表示フィルター関数はプロトコルディスセクタやファイルパーサと同様、プラグインとして実装可能
- 表示フィルターを「pcap」フィルターとしてコピーするコマンド
- カスタムカラムを表示フィルタ関数、パケットスライス、算術計算、論理テスト、生のバイトアドレス、プロトコルレイヤ修飾子など、有効なフィールド式で定義
- 「zlib」の代わりに「zlib-ng」でビルドできるように。「zlib-ng」は「zlib」よりも大幅に高速で、公式のWindowsおよびmacOSパッケージに用いられている
なお、「Wireshark 4.0」ブランチのサポートは終了した。Windows 8.1/Server 2012に対応するバージョンはこれが最後で、以後はWindows 10/Server 2016以降のみのサポートとなる。
ソフトウェア情報
- 「Wireshark」Windows版
- 【著作権者】
- Gerald Combs and contributors
- 【対応OS】
- 64bit版のWindows 10/11およびWindows Server 2016/2019/2022
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 4.4.0(24/08/28)